サンダーランド島 発着場にて
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クララとクルツが発着場を去り、入れ替わりで解析をしたいという男性がやって来た。
彼はエルフなのだろうか?耳が尖っている。
「こんにちは、私はカルロです、奇物の解析を担当します。」
「どうも、鷹です、早速調べてもらっても良いですか?」
カルロ...何処かで聞いたような気がする、気のせいだろうか?
まぁ、今考えるべきではないだろう。
早速、カルロさんは解析の準備を開始する。
「これは、空を飛ぶのでしょうか?」
「はい、飛べますよ!」
「おお、素晴らしい...!」
どうやら、零式練習用戦闘機の価値は高いらしい。
「これに似たようなものを解析したことはありますか?」
気になったので聞いてみる、もしかしたら別の戦闘機が存在するかもしれない。
もし存在するとしたら、それは脅威になり得るだろう。
「いえ、無いと思います。」
「そうですか、ならよかったです。」
解析の開始から数時間して、この機体の弾薬は空気中の魔力を吸収すると補給されるという事が分かった。
これは弾薬の補給問題の解決に繋がる、とても便利だ。
それ以外には特にはなかったので、解析は終了だ。
「もしよければ、飛んでいる所を見せてもらいたいのですが...」
「うーん、別に後部座席に乗っても良いですよ。」
「本当ですか!?」
「はい、すぐ離陸しましょう!」
鷹は操縦席に乗り込んで、計器に問題が無いかを確認する。
問題が無い事を確認して、後部に乗せていたイナーシャハンドルを機体下部に差し込んで、それを回す。
ある程度回した後に急いで操縦席に戻って、エンジンを始動させた。
既に後部座席にはカルロさんが乗り込んでいて、無線機を通して話し掛けてきた。
｛凄いです!｝
「これから離陸します、キャノピーを閉めて下さい。」
｛えっと、これですね!｝
キャノピーを閉めてもらい、発着用のスペースに移動する。
少し離陸するには距離が短そうなので、フラップ(高揚力装置)を目一杯下げる。
エンジン出力を最大にして、ブレーキを放す。
助走を開始した機体は地面を離れ、機体は上昇していく。
空気抵抗になるランティングギアとフラップを収納する。
そして高度を1500メートルまで上昇させて、水平飛行に移行させた。
その後はカルロさんの要望を聞きながら、様々な機動を試してみる。
三十分ほど飛行させた後、機体を発着場に着陸させた。
「ありがとうございました、ワイバーンより面白かったですよ。」
「ならよかったです。」
「はい、では私は宿に戻ります。」
こうして、カルロさんの解析は終了したのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第三十四話終わり