メリダ島 司令執務室にて
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試験飛行を終えた鷹と隼也は、司令執務室に呼び出されていた。
「また何か任務があるのですか?」
隊長の隼也が質問する、鷹は例の零式練習用戦闘機の件だと予想していた。
「我々は島ごと異世界とやらに転移してしまったわけだが...周辺国の位置などの情報が全く無い。」
「はい、確かに我々はサンダーランド諸島の外に出た事は一度もありません。」
隼也が司令に言う、作戦を遂行する上で何処にどんな国があるのかは知っていた方が良い。
「そこで、あの零式練習用戦闘機の有効活用と言うわけだ。」
「つまり...?」
鷹は司令に質問する、何か嫌な予感がする。
「あの零式練習用戦闘機、略して零戦を使った周辺国調査をお願いしたい。」
「..それは本当ですか?」
「そうだ、とても重要な任務だから、君達に頼んでいるのだ。」
「他の飛行隊じゃ駄目なんですか?」
鷹は少し疑問に思ったので、司令に質問してみる。
「メイジ隊は防空、ゴーレム隊は対艦攻撃、エンジェル隊は哨戒だ、他の任務に充てる余力は無い。」
(成る程、確かにシュネー隊は比較的任務は少ないからか...)
鷹は納得した、他の隊が忙しいなら仕方がない。
「分かりました、所であの零式練習用戦闘機は座席が二つでしたよね? 誰が乗って行くんです?」
隼也が疑問に思った用だ、確かに誰が行くのだろう?
「それに関しては鷹、君に操縦をしてもらうぞ?」
「えっと...何で隊長じゃないんですか?」
「それは君が隊長と比べると小柄だからだ、小柄だとGに耐えられると聞く。」
(成る程、確かにあの戦闘機は旋回性能が高い、自衛戦闘を考慮しているって訳だ)
「後ろの座席にはクララを乗せていって欲しい、そろそろ島に帰さねばならないからな。」
「了解です、出発はいつになるのでしょうか?」
「現時点では未定だ、あの機体の操縦感覚を覚えてから考えよう。」
「了解です。」
こうして、鷹は周辺国の調査任務に就くことになったのだった。