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ウォースパイト分遣隊[祝、閲覧1200達成!]

#25

第二十話 また会う日まで

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サンダーランド島 領主館

外出を終えた翌日、メリダ島から通信が届いた。
(メリダ島近海の敵艦隊撤退、帰還可能と判断する)
とのことだ、そのため、鷹達上陸組は荷物を纏めている。
「明日の早朝に出発だっけ?」
鷹は隼也に尋ねる。
「そうだね、荷物を纏めたら暇になるね...」
「...」
鷹は片付けられた客室を見る。
この島に来て、いろんなことが有った。
クララを助けて、往人さんやラスティ、いろんな人と知り合った。
そんな島を離れたくなかったのかもしれない。
でも鷹達は兵士だ、上からの命令に逆らってはならない。
(いっそのこと、除隊するか...)
除隊して島に残りたいと真剣に考えるが、そんなことをしたら、みんなに迷惑がかかってしまう。
「鷹、皆の所に行ってきて。」
「え...?」
「午後は自由だし、さよならを言わないと。」
多分、気を使ってくれているのだろう。
(確かに、なにも言わずに居なくなるのは良くない...)
「うん、行ってくる。」
鷹は一番先に、クルツの執務室に向かって歩き出した。
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サンダーランド島 領主館 執務室

執務室に入ると、クルツとクララが居た。
クララは泣いていたのか、クルツに慰められている。
クララがこちらに気づいて、喋り出した。
「鷹さん、帰るって本当ですか...?」
クララとしては帰って欲しくないのだろう。
「...ごめん、上からの命令なんだ。」
「そんな...」
(ごめんなさい...)
鷹は心のなかで謝る。
だが、このままではクララが可哀想だ。
「そうだ、午後は往人さん達に会いに行くから、一緒に来る?」
「...行きます、一秒でも長く、一緒に居られるなら。」
「分かった、クルツ、良いよね?」
一応、保護者のクルツに確認する。
「ああ、頼む。」
「分かった、護衛は任せて。」
クララの手を引いて、二番目にラスティの古本屋に向かった。
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サンダーランド島 表通り 古本屋

クララと古本屋の前までやって来た、店は開いているので、店内に入る。
「いらっしゃい...なんだ、クララ達じゃあないか。」
「...」
「...?」
黙るクララに、ラスティは困っている。
「その...島を離れることになったんだ。」
「そうなのか?」
「うん...」
「ちょっと待っててくれ。」
ラスティは店の倉庫に入っていって、一冊の本を渡してきた。
本の表紙を見てみる。
[公国軍生物大百科]
「特殊なルートで一冊入荷したんだけど...あげるよ。」
「いいの? 価値は高そうだけど。」
「いいんだ、生物の識別に役に立つだろ?」
「ありがとう、大切にする。」
鷹はラスティに感謝して、店を後にした。
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サンダーランド島 ラーメン屋前

ドレッドノートの前で往人さんは敷地の掃除をしていた。
「鷹さん達か、こんにちは。」
「どうも、面接大丈夫だったの?」
「あぁ、主に掃除を手伝ってる。」
「なるほど...今回は、さよならを言いに来たんだ。」
「そうか、いつ出るんだ?」
「明日の早朝だね。」
「そうか、港で見送るよ。」
「かなり早いよ?」
「これでも早起きは得意なんだ、大丈夫だよ。」
「うん、ありがとう。」
「...じゃあな。」
鷹とクララはラーメン屋を離れて、領主館に戻った。
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翌日、サンダーランド島 桟橋

翌日の早朝、鷹達は桟橋に集まっていた。
「来たぞ、内火艇だ。」
まいかぜの内火艇が桟橋に到着する。
鷹達は桟橋をはなれて、まいかぜに到着した。
「出航用意! 錨を上げッ」
艦首の錨が海中から引き揚げられる。
既にボイラーは温まっていて、すぐに出航できる。
「機関始動、前進微速、取り舵一杯。」
「了解、前進微速、取り舵一杯。」
船が動き出す。
まいかぜが先行して、その後方を損傷したあまつかぜが続く。
「前進強速、舵中央。」
「航海長操艦、前進強速、赤黒なし、舵中央」
「了解しました。」
まいかぜとあまつかぜはサンダーランド島を離れて、メリダ島へ向かう。
水平線から顔を出す太陽の中、二隻は島を離れる。
鷹達は、三日後にメリダ島に帰還したのだった。                    第二十話終わり

作者メッセージ

最後まで読んでくださり、有難うございます。
次回からメリダ島に戻ります。
改善点や、ここがよかった等、感想お待ちしています。
(1/10 文章の一部を修正しました。)

2024/12/07 16:37

草むしり大尉 ID:≫4pJjOS59qrbWI
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