ウォースパイト分遣隊[暫く不定期更新]
番外編 閲覧300達成記念 ラスティとクララ
___________________________________________________________________________________________________________
サンダーランド島 海岸
朝早くのサンダーランド島、水平線に、眩しい太陽が顔を出す。
水平線に反射するその景色は、とても幻想的だ。
早朝の海岸を朝早くから一人の青年が走る。
「いい景色だなぁ。」
独り言を呟きながら、その青年は早朝の海岸を走り抜けていく。
青年の名前はラスティ、彼は日課のジョギングをしていた。
この島では、日の出とともに1日が始まって、日の入りで終わる。
本土では違うのかもしれないが、本土との連絡船は、月に二往復だけで、その料金も高い。
古本屋で稼いだ貯金を使えば行けるかもしれないが、本土に行く気にはならない。
___________________________________________________________________________________________________________
ラスティ孤児院で育ったので、親の顔は分からない。
物心がついた頃は既に孤児院にいたので、孤児であることを不思議には思わなかった。
十歳の時、とあるお爺さんに引き取られて、お爺さんと共にサンダーランド島で古本屋を始めた。
店名はスティールヘイズ、店の奥には謎の機械の絵が飾られていた。
何なのかが気になったが、お爺さんは教えてくれなかった。
それなら、仕事を頑張ってそのご褒美として教えてもらおうと、ラスティは決めたのだった。
最初の頃は客は少なかったが、島が栄えていくと、売り上げも増えていった。
だが、十七歳の時に、お爺さんは亡くなった。
死因は老衰だった。
店は休業日を1日増やすことで続けることはできたが、ラスティは辛かった。
今まで二人で過ごした店内も今は独りで、とても静かだ。
ラスティは体調を崩して、店を臨時休業にした。
何とか動くことは出来たが、自室から出ることはほぼなくなっていた。
そんなある日、店のドアを叩く人がいるようだ。
自室のカーテンの隙間から、その姿を見る。
一人の少女が如何にも高そうに服を着ている、貴族と言うやつだ。
確かに、新聞に貴族の領地になると書いてあった気がする。
貴族なら居留守をするわけにはいかないので、本棚が立ち並ぶ一階に、久しぶりに降りた。
掃除をしていない店内には埃が溜まっていて、とても貴族を受け入れられる状況ではない。
店の前で臨時休業であることを伝えるために、久しぶりに外に出た。
真上の太陽が肌を焼いて、とても暑かった。
「すみません、臨時休業なので...」
「...」
何故か少女は黙っていた。
少しの沈黙の後、少女が口を開いた。
「あなたが店主さん?」
「?そうですけど。」
「そんなに若いのに?」
確かに、この年で店主だと思うことは少ないのかもしれない。
「しかも、不健康そうですよ?」
どうやら、心配してくれているらしい。
「まぁ、死ぬ訳じゃあ無いですし...」
正直にいって、会話は久しぶりなので、とても疲れる。
早く店内に戻りたかった。
「食材はある?」
「一応、有りますが何か?」
嫌な予感がする、店内に待避しようとするが腕を捕まれてしまい、逃げることができない。
万事休す。
「なら、私が作りますよ!」
「...では、お願いしても良いでしょうか?」
「敬語はなし!」
「では、良いかな?」
言い直すと、少女は微笑んで、自己紹介をしてきた。
「良いよ、私はクララ、宜しくね。」
「ラスティです、宜しく。」
こうして、クララとの関係が出来たのだった。
クララとの関係は、食事や、店内の掃除等、店の再開に向けて色々と手伝ってくれた。
その頃から、クララのことを戦友と呼ぶことにした。
手伝ってくれた事への感謝と言うわけだ。
クララは店を再開した後も、定期的に様子を見に来てくれた。
勿論、本を買ってくれる常連客として、店では接した。
貴族と平民で中がよい人は、ほぼいないからだ。
ただ、感謝しないわけでは無い。
この恩を忘れずに生きていくと、ラスティは決めたのだった。 番外編終わり
___________________________________________________________________________________________________________
サンダーランド島 海岸
朝早くのサンダーランド島、水平線に、眩しい太陽が顔を出す。
水平線に反射するその景色は、とても幻想的だ。
早朝の海岸を朝早くから一人の青年が走る。
「いい景色だなぁ。」
独り言を呟きながら、その青年は早朝の海岸を走り抜けていく。
青年の名前はラスティ、彼は日課のジョギングをしていた。
この島では、日の出とともに1日が始まって、日の入りで終わる。
本土では違うのかもしれないが、本土との連絡船は、月に二往復だけで、その料金も高い。
古本屋で稼いだ貯金を使えば行けるかもしれないが、本土に行く気にはならない。
___________________________________________________________________________________________________________
ラスティ孤児院で育ったので、親の顔は分からない。
物心がついた頃は既に孤児院にいたので、孤児であることを不思議には思わなかった。
十歳の時、とあるお爺さんに引き取られて、お爺さんと共にサンダーランド島で古本屋を始めた。
店名はスティールヘイズ、店の奥には謎の機械の絵が飾られていた。
何なのかが気になったが、お爺さんは教えてくれなかった。
それなら、仕事を頑張ってそのご褒美として教えてもらおうと、ラスティは決めたのだった。
最初の頃は客は少なかったが、島が栄えていくと、売り上げも増えていった。
だが、十七歳の時に、お爺さんは亡くなった。
死因は老衰だった。
店は休業日を1日増やすことで続けることはできたが、ラスティは辛かった。
今まで二人で過ごした店内も今は独りで、とても静かだ。
ラスティは体調を崩して、店を臨時休業にした。
何とか動くことは出来たが、自室から出ることはほぼなくなっていた。
そんなある日、店のドアを叩く人がいるようだ。
自室のカーテンの隙間から、その姿を見る。
一人の少女が如何にも高そうに服を着ている、貴族と言うやつだ。
確かに、新聞に貴族の領地になると書いてあった気がする。
貴族なら居留守をするわけにはいかないので、本棚が立ち並ぶ一階に、久しぶりに降りた。
掃除をしていない店内には埃が溜まっていて、とても貴族を受け入れられる状況ではない。
店の前で臨時休業であることを伝えるために、久しぶりに外に出た。
真上の太陽が肌を焼いて、とても暑かった。
「すみません、臨時休業なので...」
「...」
何故か少女は黙っていた。
少しの沈黙の後、少女が口を開いた。
「あなたが店主さん?」
「?そうですけど。」
「そんなに若いのに?」
確かに、この年で店主だと思うことは少ないのかもしれない。
「しかも、不健康そうですよ?」
どうやら、心配してくれているらしい。
「まぁ、死ぬ訳じゃあ無いですし...」
正直にいって、会話は久しぶりなので、とても疲れる。
早く店内に戻りたかった。
「食材はある?」
「一応、有りますが何か?」
嫌な予感がする、店内に待避しようとするが腕を捕まれてしまい、逃げることができない。
万事休す。
「なら、私が作りますよ!」
「...では、お願いしても良いでしょうか?」
「敬語はなし!」
「では、良いかな?」
言い直すと、少女は微笑んで、自己紹介をしてきた。
「良いよ、私はクララ、宜しくね。」
「ラスティです、宜しく。」
こうして、クララとの関係が出来たのだった。
クララとの関係は、食事や、店内の掃除等、店の再開に向けて色々と手伝ってくれた。
その頃から、クララのことを戦友と呼ぶことにした。
手伝ってくれた事への感謝と言うわけだ。
クララは店を再開した後も、定期的に様子を見に来てくれた。
勿論、本を買ってくれる常連客として、店では接した。
貴族と平民で中がよい人は、ほぼいないからだ。
ただ、感謝しないわけでは無い。
この恩を忘れずに生きていくと、ラスティは決めたのだった。 番外編終わり
このボタンは廃止予定です