文字サイズ変更

ウォースパイト分遣隊[暫く不定期更新]

#19


第十五話 島の出店
___________________________________________________________________________________________________________
サンダーランド島 表通り

遂にクララの護衛として同行する日が来た。
今はクララと表通りを通って古本屋に向かっている。
計画では鷹の他にも護衛が付く予定だったのだが、隼也の進言によって鷹一人で行く事になった。
計画の変更を伝えた時の隼也は、明らかに何かを企んでいた。
だが、鷹には何を企んでいたのかは分からなかった。
「うーん...」
「考え事ですか?」
考えていると、今日に限って平民の服を着たクララが視界に入る。
上は半袖のTシャツの様なもの、クララの白い二の腕が眩しい。
下は長ズボンなので、いつもと印象が変わって見えた。
平民の服を着せているのは、目立たないようにするクルツの作戦らしい。
「その服装、印象が変わって見えて良いね。」
「ありがとうございます、でも違和感があるんですよ...」
館で過ごしているクララは、いつも高そうなスカートを着ていた。
もしかしたら、生まれてからズボンを着る機会が無かったのかもしれない。
「私、変に見えないですよね?」
上目遣いで此方を見つめてくる、正直に言って心臓に悪い。
「いや、大丈夫ですよ。」
何とか再起動して答える。
「でも、その服を着ることが外出の条件だったんでしょ?」
古本屋に行けるならどんな条件でも受け入れると話していたので、仕方ない。
「従わないなら帰るよ?」
「...分かりました、我慢します。」
(何か、申し訳ないなぁ...)
鷹は心のなかで謝罪した。
___________________________________________________________________________________________________________
そのまま歩いて行くと、出店が並ぶ区間に入る。
売っている食べ物は様々で、肉もあればスイーツもある。
その光景は、祖国の夏祭りに似ている。
少年時代にお小遣いを貰って、その少ないお金で何を買うかに苦労した記憶がある。
「この出店は?」
クララに聞いてみる。
「これですか? これはこの島の文化ですね。」
クララの話では、最初は勝手に皆がしていたものをクルツが観光に使えるとして許可したらしい。
元々この島は観光地としては無名に等しかったが、今では国内で有名な観光地に成り上がった。
確かに、出店は観光客たちが列を作っている様だ。
逆に島民は全く並んでいないことが面白い。
「なんで観光客が多いの?」
「島民は安いお店を知っていますからね。」
確かに、地元民は地元に詳しいことは当然だ。
恐らく、目立つ出店に観光客を誘導する効果があるのだろう。
鷹はクルツの作戦であることを知った。
「それに、値段も少し高いんですよね...」
よく確認すると唐揚げが4個で大銀貨一枚、確かに高い。
確かに美味しそうだったが、かなりの出費になるはずだ。
そちらよりは島民が知っている店が気になる。
昼になったらクララに案内してもらおうと、鷹は決めるのだった。            第十五話終わり

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

最後まで読んで下さり、有難うございます。
急ですが、筆者はインフルエンザかもしれません。
その為、投稿が出来ない日があるかもしれません。
気長にお待ちしていただけると幸いです。
_____________________________________________________
硬貨の種類

大金貨(日本円で一枚一万円)
金貨(日本円で一枚五千円)
小金貨(日本円で一枚千円)
大銀貨(日本円で一枚五百円)
銀貨(日本円で一枚百円)  
小銀貨(日本円で一枚五十円)
大銅貨(日本円で一枚十円)
銅貨(日本円で一枚五円)
小銀貨(日本円で一枚一円)

2024/11/29 13:31

草むしり大尉 ID:≫4pJjOS59qrbWI
続きを執筆
小説を編集
/ 21

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL