ウォースパイト分遣隊[暫く不定期更新]
第十五話 島の出店
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サンダーランド島 表通り
遂にクララの護衛として同行する日が来た。
今はクララと表通りを通って古本屋に向かっている。
計画では鷹の他にも護衛が付く予定だったのだが、隼也の進言によって鷹一人で行く事になった。
計画の変更を伝えた時の隼也は、明らかに何かを企んでいた。
だが、鷹には何を企んでいたのかは分からなかった。
「うーん...」
「考え事ですか?」
考えていると、今日に限って平民の服を着たクララが視界に入る。
上は半袖のTシャツの様なもの、クララの白い二の腕が眩しい。
下は長ズボンなので、いつもと印象が変わって見えた。
平民の服を着せているのは、目立たないようにするクルツの作戦らしい。
「その服装、印象が変わって見えて良いね。」
「ありがとうございます、でも違和感があるんですよ...」
館で過ごしているクララは、いつも高そうなスカートを着ていた。
もしかしたら、生まれてからズボンを着る機会が無かったのかもしれない。
「私、変に見えないですよね?」
上目遣いで此方を見つめてくる、正直に言って心臓に悪い。
「いや、大丈夫ですよ。」
何とか再起動して答える。
「でも、その服を着ることが外出の条件だったんでしょ?」
古本屋に行けるならどんな条件でも受け入れると話していたので、仕方ない。
「従わないなら帰るよ?」
「...分かりました、我慢します。」
(何か、申し訳ないなぁ...)
鷹は心のなかで謝罪した。
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そのまま歩いて行くと、出店が並ぶ区間に入る。
売っている食べ物は様々で、肉もあればスイーツもある。
その光景は、祖国の夏祭りに似ている。
少年時代にお小遣いを貰って、その少ないお金で何を買うかに苦労した記憶がある。
「この出店は?」
クララに聞いてみる。
「これですか? これはこの島の文化ですね。」
クララの話では、最初は勝手に皆がしていたものをクルツが観光に使えるとして許可したらしい。
元々この島は観光地としては無名に等しかったが、今では国内で有名な観光地に成り上がった。
確かに、出店は観光客たちが列を作っている様だ。
逆に島民は全く並んでいないことが面白い。
「なんで観光客が多いの?」
「島民は安いお店を知っていますからね。」
確かに、地元民は地元に詳しいことは当然だ。
恐らく、目立つ出店に観光客を誘導する効果があるのだろう。
鷹はクルツの作戦であることを知った。
「それに、値段も少し高いんですよね...」
よく確認すると唐揚げが4個で大銀貨一枚、確かに高い。
確かに美味しそうだったが、かなりの出費になるはずだ。
そちらよりは島民が知っている店が気になる。
昼になったらクララに案内してもらおうと、鷹は決めるのだった。 第十五話終わり
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サンダーランド島 表通り
遂にクララの護衛として同行する日が来た。
今はクララと表通りを通って古本屋に向かっている。
計画では鷹の他にも護衛が付く予定だったのだが、隼也の進言によって鷹一人で行く事になった。
計画の変更を伝えた時の隼也は、明らかに何かを企んでいた。
だが、鷹には何を企んでいたのかは分からなかった。
「うーん...」
「考え事ですか?」
考えていると、今日に限って平民の服を着たクララが視界に入る。
上は半袖のTシャツの様なもの、クララの白い二の腕が眩しい。
下は長ズボンなので、いつもと印象が変わって見えた。
平民の服を着せているのは、目立たないようにするクルツの作戦らしい。
「その服装、印象が変わって見えて良いね。」
「ありがとうございます、でも違和感があるんですよ...」
館で過ごしているクララは、いつも高そうなスカートを着ていた。
もしかしたら、生まれてからズボンを着る機会が無かったのかもしれない。
「私、変に見えないですよね?」
上目遣いで此方を見つめてくる、正直に言って心臓に悪い。
「いや、大丈夫ですよ。」
何とか再起動して答える。
「でも、その服を着ることが外出の条件だったんでしょ?」
古本屋に行けるならどんな条件でも受け入れると話していたので、仕方ない。
「従わないなら帰るよ?」
「...分かりました、我慢します。」
(何か、申し訳ないなぁ...)
鷹は心のなかで謝罪した。
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そのまま歩いて行くと、出店が並ぶ区間に入る。
売っている食べ物は様々で、肉もあればスイーツもある。
その光景は、祖国の夏祭りに似ている。
少年時代にお小遣いを貰って、その少ないお金で何を買うかに苦労した記憶がある。
「この出店は?」
クララに聞いてみる。
「これですか? これはこの島の文化ですね。」
クララの話では、最初は勝手に皆がしていたものをクルツが観光に使えるとして許可したらしい。
元々この島は観光地としては無名に等しかったが、今では国内で有名な観光地に成り上がった。
確かに、出店は観光客たちが列を作っている様だ。
逆に島民は全く並んでいないことが面白い。
「なんで観光客が多いの?」
「島民は安いお店を知っていますからね。」
確かに、地元民は地元に詳しいことは当然だ。
恐らく、目立つ出店に観光客を誘導する効果があるのだろう。
鷹はクルツの作戦であることを知った。
「それに、値段も少し高いんですよね...」
よく確認すると唐揚げが4個で大銀貨一枚、確かに高い。
確かに美味しそうだったが、かなりの出費になるはずだ。
そちらよりは島民が知っている店が気になる。
昼になったらクララに案内してもらおうと、鷹は決めるのだった。 第十五話終わり
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