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サンダーランド島　領主館　

鷹達は、暫く島に滞在することになった。
理由はメリダ島から発信された暗号通信で、(我、敵艦隊との交戦に入る)と、通達してきたからだ。
恐らく、今からメリダ島に向かうと敵艦隊の攻撃を受ける。
既に(了解、暫くサンダーランド島に滞在する)と、まいかぜは発信した。
砲術長の話だと時期は未定で、メリダ島近海から脅威が無くなってから帰投するとのことだ。
「暇だ...」
鷹は任務も無く、客室でだらけていた。
「とはいっても、外出は禁止だから行く所もない...」
隼也達は外出していて、鷹は待機を命じられたいた。
隼也からも領主館の敷地内から出たら容赦しないと言われてしまったので、仕方なく待機しているのだった。
時間をどう潰すかを考えていると、客室に誰かが入ってきた。
誰かを確認するために顔を向けると、あの助けた令嬢がいた。
確かクララと言う名前だったはずだ。
「...」
「...何かご用でしょうか？」
彼女は何故か視線を逸らしている。
何となく、何かを求めている気がした。
だが、言葉は通じないし、翻訳してくれる軍曹も居ない。
間違えた事をしたら消される...!?
そう考えると、余計に間違えた選択は出来ない。
流石に混乱している鷹の様子に気が付いたのか、彼女が喋りだした。
「その...あの時は有り難うございました。」
「はぁ。」
彼女も翻訳魔法を使えるようで、通じる言語で話してきた。
「お礼をしたいんです、何か出来ることは無いですか？」
どうやら、彼女は恩返しをしたいらしい。
鷹はこの世界の言葉を教えて貰う事にした。
「分かりました、必ず覚えて貰いますからね？」
こうして、クララの言語教室が始まったのだった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第十三話終わり