ウォースパイト分遣隊
番外編 閲覧100人突破記念 命の恩人
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サンダーランド島 表通りの古本屋
「...」
サンダーランド島の領主の一人娘、クララは息抜きに護衛と古本屋を訪れていた。
本棚が高く、見通しは悪かったので護衛は心配したのだが、彼女は集中できないとして表で待たせている。
本に書かれている転生者の姿は様々で、とても面白かった。
読んでいた本を読み終わってしまったので、狭い通路を通り、本を戻す。
すると、背後から口を布で塞がれる、助けを呼ぼうにも喋れない。
しかも護衛は表で待たせているので、異変に気が付いていない。
店主は本の整理に没頭していて、助けてくれなかった。
裏の出入口から裏道に出ると、地面に転がされる。
誘拐犯が仲間と合流する。
「護衛は?」
「まだ気が付いていない、ありゃあただのかかしだぜ。」
「気が付かれても俺達なら瞬く間に殺せるぜ?」
「おい、受け渡しまでは、私語は避けろって..!」
「大丈夫だ、問題ない。」
「大有りだッ!」
大男に麻袋を被せられ、担ぎ上げられる。
「さてと、あと少しだ、油断するなよ。」
「俺、この仕事が終わったら結婚するんだ!」
「何の話だ? まぁいいか...」
大男達は裏道を走り抜ける。
私は足を動かして抵抗する。
「おい、ガキが抵抗しやがる。」
「お嬢ちゃん、暴れないほうがいいぜ、大人しくしな。」
「気にするな、どうでもいい。」
(誰か、助けて...)
すると、急に道端に転がされた。
そして次の瞬間、何かが破裂したような音がした。
「あの若造...殺せッ!」
「おうッ!」
だが、返事は一つだけ、一人は殺られたのだろうか?
麻袋を何とか外して、破裂音がした方向を見ると、一人が大男達と戦っている。
その人は若い男性で、謎の金属を握っていた。
次の瞬間、先程の破裂音が三回、裏道に響く。
一人の大男が倒れる、残りは一人。
だが、大男は初歩的な防御魔法を前方に展開する。
男性は更に音を発生させるが、防御魔法で防がれている。
大男が突進していく、男性は更に一回音を発生させたが、効いていない。
男性は固まる、このままでは彼が死んでしまう。
「これで終わりだ...!!」
大男は勝利を確信したようだ。
だが、今度は別の方向から、音が発生した。
後ろからの攻撃で、最後の大男は倒れた。
音が聞こえた方向を見ると、もう一人の男性が現れる。
どうやら、駆け付けた男性は怒っているようだ。
男性達は会話を終えると、こちらに近付いてきた。
「#”%),_)」
何故か頭を撫でてくる。
だが、不快には思わなかった。
私は安心して、泣いてしまったのだった。
この男性は、貴族の私を助けてくれた。
後で何かしらの形で感謝の気持ちを伝えたいが、言葉は通じないようだ。
数分すると、上官らしき人物がやって来た。
その内の一人が、驚いた様子で皆に何かを伝えている。
私が貴族だと言うことが分かったのだろうか?
だが男性達が何に驚いているのかは、ハッキリしなかった。 番外編終わり
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サンダーランド島 表通りの古本屋
「...」
サンダーランド島の領主の一人娘、クララは息抜きに護衛と古本屋を訪れていた。
本棚が高く、見通しは悪かったので護衛は心配したのだが、彼女は集中できないとして表で待たせている。
本に書かれている転生者の姿は様々で、とても面白かった。
読んでいた本を読み終わってしまったので、狭い通路を通り、本を戻す。
すると、背後から口を布で塞がれる、助けを呼ぼうにも喋れない。
しかも護衛は表で待たせているので、異変に気が付いていない。
店主は本の整理に没頭していて、助けてくれなかった。
裏の出入口から裏道に出ると、地面に転がされる。
誘拐犯が仲間と合流する。
「護衛は?」
「まだ気が付いていない、ありゃあただのかかしだぜ。」
「気が付かれても俺達なら瞬く間に殺せるぜ?」
「おい、受け渡しまでは、私語は避けろって..!」
「大丈夫だ、問題ない。」
「大有りだッ!」
大男に麻袋を被せられ、担ぎ上げられる。
「さてと、あと少しだ、油断するなよ。」
「俺、この仕事が終わったら結婚するんだ!」
「何の話だ? まぁいいか...」
大男達は裏道を走り抜ける。
私は足を動かして抵抗する。
「おい、ガキが抵抗しやがる。」
「お嬢ちゃん、暴れないほうがいいぜ、大人しくしな。」
「気にするな、どうでもいい。」
(誰か、助けて...)
すると、急に道端に転がされた。
そして次の瞬間、何かが破裂したような音がした。
「あの若造...殺せッ!」
「おうッ!」
だが、返事は一つだけ、一人は殺られたのだろうか?
麻袋を何とか外して、破裂音がした方向を見ると、一人が大男達と戦っている。
その人は若い男性で、謎の金属を握っていた。
次の瞬間、先程の破裂音が三回、裏道に響く。
一人の大男が倒れる、残りは一人。
だが、大男は初歩的な防御魔法を前方に展開する。
男性は更に音を発生させるが、防御魔法で防がれている。
大男が突進していく、男性は更に一回音を発生させたが、効いていない。
男性は固まる、このままでは彼が死んでしまう。
「これで終わりだ...!!」
大男は勝利を確信したようだ。
だが、今度は別の方向から、音が発生した。
後ろからの攻撃で、最後の大男は倒れた。
音が聞こえた方向を見ると、もう一人の男性が現れる。
どうやら、駆け付けた男性は怒っているようだ。
男性達は会話を終えると、こちらに近付いてきた。
「#”%),_)」
何故か頭を撫でてくる。
だが、不快には思わなかった。
私は安心して、泣いてしまったのだった。
この男性は、貴族の私を助けてくれた。
後で何かしらの形で感謝の気持ちを伝えたいが、言葉は通じないようだ。
数分すると、上官らしき人物がやって来た。
その内の一人が、驚いた様子で皆に何かを伝えている。
私が貴族だと言うことが分かったのだろうか?
だが男性達が何に驚いているのかは、ハッキリしなかった。 番外編終わり
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