文字サイズ変更

ウォースパイト分遣隊

#1


第一話 プロローグ
___________________________________________________________________________________________________________
サンダーランド諸島近海、とある小艦隊、旗艦アーガス
「発艦準備ッ」
艦橋横のスピーカーから管制官の声が響く。
我が艦隊は既に全速で風上に進路を向けており、発艦前の最終確認を行っている。
飛行甲板には既に多数のワイバーンが並び、その近くでは搭乗員が発艦時の注意点を再度説明されている
本土近海で発着艦訓練を繰り返しているとはいえ、今回は本土から遠く離れた僻地、サンダーランド諸島近海で行う初の発着艦訓練だ。
本土から遠く離れた僻地での事故は反対派の餌になりかねない。
反対派とは、大艦巨砲主義の司令部の幹部で、彼らの反対意見をはね除けながら、2ヶ月前に本艦は竣工した。
彼らのはワイバーンの可能性にまだ気が付いていないらしい。
いつかはワイバーンが戦艦を撃沈する日が来る...と、アーガスの艦長は思う。
その為には反対派を抑え、翼竜母艦の就役を急がねばならない。
アーガスは改造竜母であり、最初から翼竜母艦として設計されてはいない。
そのため格納庫は窮屈で、ワイバーンのストレスもたまる。
それらの問題は大型の竜母を建造すれば解決するはずだ。
帰港したら速やかに艦政本部に問題点を指摘した書類を提出しなくてはならない。
腕時計を見る、そろそろ発艦開始だ。
「発艦を許可する、速やかに全騎発艦せよ。」
一番騎が助走を開始する。
今回は比較的に助走距離が短い戦闘騎のみの発艦だ。
スムーズに発艦作業が終了して、8騎のワイバーンが編隊を組んで上空を旋回する。
旋回を止めた後、編隊を半分に分けて距離を開けると、お互いに急接近する。
交差した後に編隊を崩して事前に決めた2騎でペアを組んで、模擬空戦を開始する。
ペアとの合流にもたついている者もいるようだが、実戦で敵は待ってはくれない。
そのペアを目標に定めて、敵役の2騎が急降下を仕掛ける。
何とか合流出来たペアは、周囲の警戒を怠ったことで接近を許してしまう。
この模擬空戦は後ろを取られたら負け、という簡単なものだ。
もたついたペアは後ろをとられ、撃墜判定を受けて戦線を離脱する。
最後は2対1の対決になって、2騎のペアが数の差を活かして最後の1騎を撃墜する。
「各騎集結、母艦に帰投せよ。」
多分、もたついたペアは指揮官から指摘を受けるのだろう。
等と考えていると、西で一瞬、閃光見えたような気がする。
「監視員、西で閃光が見えなかったか?」
双眼鏡で監視をしていた兵士が、背後の艦長に一瞬ビックリしたが、直ぐに答える。
「はい、確かに視認しました。」
他の艦からも報告が入る。
「上空のワイバーンに連絡、補給後に西を偵察せよ。」
着艦後、補給を済ませたワイバーンを先程のペアで発艦させる。
勿論、警戒を怠ったペアは連れていかれた。
当時、サンダーランド諸島はどの国も領有権を主張せず、長距離航海の中継地点として知られていた。
だが、この諸島を謎の飛行物体が飛行するようになった。
そしてこの世界情勢に、影響を与えていくのだった。                第一話終わり


このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

こんにちは、最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
改善点や、ここがよかった等の感想お待ちしています。
(11/15 文章の一部を修正しました。)
(11/17 文章の一部を修正しました。)

2024/11/11 20:47

草むしり大尉 ID:≫4pJjOS59qrbWI
続きを執筆
小説を編集
/ 14

コメント
[0]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL