推しの世界の不思議くんは転校生
いつまでも忘れない。
私が助けることができなかった、東雲蒼良という存在を。
「東雲君。初めまして。担任の瀬川莉緒です。よろしくね」
「はい…。よろしくお願いします」
あの頃は中学二年生の担任で、初めての転校生に緊張していたものだ。
東雲君は不思議な子だった。
常識が通じない感じで、世界の見え方が違って、達観している雰囲気。
よく見てあげないといけないと思った。
”普通”じゃない子は大人が必要だから。
「瀬川、先生。あのさ、俺っ、こわくって」
東雲君は泣いていた。
まるで、深海の一番底に突き落とされたような。
深い深い悲しみに浸っている東雲君をしっかり見て、一緒に居てあげないと。
「ヒッ、やだ、やめてよお、[太字]こっちこないで![/太字]」
「東雲君?どうしたの?ねえっ!」
私はあのとき怖気づいてしまったんだと思う。
だから、走り去っていく東雲君を見ていることしかできなかった。
一番不安だったのは東雲君、彼なのに。
次の日。何事もなかったかのようにあっさりしてたけど、
私を避けている気がした。
休む回数も増えた。
そして転校していった。
もう同じことは繰り返さない。
多分私は美月君と東雲君を重ねている。
美月君のしぐさは一つ見逃さない。
美月君、安心してね。
私が助けることができなかった、東雲蒼良という存在を。
「東雲君。初めまして。担任の瀬川莉緒です。よろしくね」
「はい…。よろしくお願いします」
あの頃は中学二年生の担任で、初めての転校生に緊張していたものだ。
東雲君は不思議な子だった。
常識が通じない感じで、世界の見え方が違って、達観している雰囲気。
よく見てあげないといけないと思った。
”普通”じゃない子は大人が必要だから。
「瀬川、先生。あのさ、俺っ、こわくって」
東雲君は泣いていた。
まるで、深海の一番底に突き落とされたような。
深い深い悲しみに浸っている東雲君をしっかり見て、一緒に居てあげないと。
「ヒッ、やだ、やめてよお、[太字]こっちこないで![/太字]」
「東雲君?どうしたの?ねえっ!」
私はあのとき怖気づいてしまったんだと思う。
だから、走り去っていく東雲君を見ていることしかできなかった。
一番不安だったのは東雲君、彼なのに。
次の日。何事もなかったかのようにあっさりしてたけど、
私を避けている気がした。
休む回数も増えた。
そして転校していった。
もう同じことは繰り返さない。
多分私は美月君と東雲君を重ねている。
美月君のしぐさは一つ見逃さない。
美月君、安心してね。