私は今、吉川撮影場という世界一立派な建物の前に立っていた。
「ギっ…」
ドアを開けると、中に受付の人がいた。
「お聞きしたいことがあれば何なりと」
その人はとっても優しそうだった。
「あの…恋をする私たちという映画に出演が決まったんですけれど…」
「あら！」
その人はびっくりしていた。
「あなたはもしかしてあの南役？」
「はい…」
なんであのなんだろう」
「あなたっ」
手を握られた。
「あの南役オーディションは倍率が150倍だったのよ！すごいわね」
「部屋はどこなんですか？」
恥ずかしそうにいったが心の中は嬉しかった。
「8階のメインルームよ。いったらわかるわ」
そういってわたしはエレベーターに乗った。
ドクドク、ドクドクと私の心臓の心拍数が上がる。
やっぱり辞退しておけばよかったのかな…と思ったときにエレベーターがついた。
「うわ〜」
すごく綺麗だった。
そして、周りを見ると壁に矢印があった。
そして、[下線]メインルームこの先[/下線]と書いてあったので、そのまま進んだ。
すると光が漏れている部屋を見つけた。
そしてそのドアを「ギギっ」という音を鳴らして開けた。
そして中に入ると…
部屋に机が並べられていた。
だけど、私以外には誰もいなかった。
私は華奈江と書かれている名札を探したが見つからなかった。
そしてハッと思い出した。
私の役名は南。
だからもう一度南という名前を探すとすぐに見つかった。
そして椅子に座ろうとすると机にものすごく分厚い脚本が置いてあった。
私は最初のページを開いた。