[水平線]

瑠璃「…ﾊｯ！！！！」

瑠璃「……ゆ、め…」

アタシと照ちゃんが、一緒に魔法少女を始めた日の…

[明朝体]…さようなら、ルリラ。[/明朝体]

瑠璃「…そ、っか。照ちゃんはもう…」

アタシに興味、ないんだ。

瑠璃「お母さん…桃里…お父さん」

呼んでも、この部屋には…この家には誰もいない。

みんなもういない。

瑠璃「…あーあ。…アタシ、なんのために、[太字]…みんなを殺しちゃったのかなあっ！！[/太字]」

瑠璃「[太字]照ちゃんにも振り向いてもらえなくて！！
それじゃあ…なんのために、なんのためにあたしは、罪を背負ったのかなあっ？！！[/太字]」

辛いよ、照ちゃん。
照ちゃんのために、アタシはみんなを殺したのに…

照ちゃんを悪く言う家族なんか、いらないから殺したのに…！

照ちゃんはどうしてアタシのものにならないの！！

瑠璃「うわあああああああん！！！照ちゃん、照ちゃああん！！…どうして、なんで、なんでなの！？」

ﾄﾞｫﾝ…

瑠璃「…っ…」

今、外から音がした…

瑠璃「ｱﾊｯ、でも…もうどうでもいいや…」
魔法少女でもないのに、行く必要なんてない。

今はそれより…

「助けて！！！マジカルガール！！！」

瑠璃「…」

…
アスファルトの景色が流れてる。
靴下も履かず、上着も着ず。パジャマのまま12月の景色を走る。

あーあ。なんで来ちゃったんだろう…

もう、アタシは魔法少女じゃないのに…

照ちゃんに任せて…アタシは帰らなきゃなのに…

「あれ？！裏切り者のルリラメルねえ！？」
瑠璃「？！」

瑠璃「メ…ル…」
メル「どうしたメル？…やっぱり、テラルを助けたいメル？」

裏切り者…そうかもしれない。
けど、でもだってそれは、照ちゃんを守るために＿＿

メル「[太字]ざぁんねん！キミのテラルはもう、メルの魔法少女として完成したメル！[/太字]」

瑠璃「かん…せい？」
メル「魔法少女が大好きな、ただの女の子だった哀れなテラルを、メルは救ってあげたメル！」

メル「そう＿＿魔法少女に、正気はいらない。…可愛さ、綺麗さ、正義の心。
それ以外はぜーんぶいらない。」

メル「キミからすれば悲しい言い方になっちゃうけど、今のテラルは
[太字]人格も大切なものも失い、ただ正義を名乗って全てを壊す、ヒーローの成れの果てメル。[/太字]」
瑠璃「……」

メル「これが魔法少女メル！テラルの想いは叶ったメル！」

瑠璃「…照ちゃんはどこ」
メル「あれ？怒らないメル？…つまらない人間メル～、テラルなら今そこにほら。」

メルが指さした先には、赤黒いオーラを纏い、無邪気に笑う…[太字]照ちゃんがいた。[/太字]