大きな雷鳴が響く。

「テラル・エクスプロージョン！」

誰もが警察を呼んで、あとは静粛にと投げ出すような迷惑な怪物に対し、
少女二人が、ステッキから放つ「魔法」で対抗している。

さながらテレビアニメのようなこの風景は、この世界だと日常だ。

「ルリラ・ウェーブ！」

その衝撃波を受けたが最後、怪物は倒れ、煙を上げて人型に戻った。

「やったねルリラ！やっぱり私たち、最強のマジカルガールだよね！！」
「…そうだねテラル。アタシたちなら大丈夫、どんな敵にも勝てる」

ピンク色の髪の毛をふわふわのツインテールにした少女の名前はテラル、

紫色の髪の毛を伸ばした少女の名前はルリラ、といった。

２人は「魔法少女」を名乗り、悪事を働く者を退治している。
もちろん世の中ではこの活動が話題になっていて、ファンや応援してくれる人も少なくない。

だが。

「うわ、またやってる」

「いい加減目覚ませよｗ」

「黒歴史確定」

「[大文字]正直これ、単なる自己満の自警団だよね。やってること怪物と大差ないでしょ[/大文字]」


「…」
今日も、彼女たちには…
「テラル。大丈夫、言わせておきな。あんなの、言いたいだけだから。」
期待と、希望と。
「[大文字]ちゃらちゃら～っと退治して友情見せつけられるのキツイ[/大文字]」
悪意と、私怨と。
「[大文字]不愉快。今すぐやめてほしい[/大文字]」
「[大文字]可愛いだけでなんもしない。せめて脱げ[/大文字]」
「それキモすぎだろｗ[大文字]まぁこんな痴女のとこに湧くやつなんて大体はキモオタだわなｗ[/大文字]」

不満と、不安が。投げつけられる。