[大文字]プロローグ[/大文字]

私は[漢字]源鏡花[/漢字][ふりがな]みなもときっか[/ふりがな]。今日は受験の合否発表の紙が掲示板に掲示される日だから、いま、[漢字]一条中学校[/漢字][ふりがな]いちじょうちゅうがっこう[/ふりがな]の掲示板の前にいます。
「合格しているかな、合格したら今日は最高の日だね!」
そう胸が高鳴っているのです。
さあ、合否は...
"合格"でした。思わず私は膝から崩れ落ち、
「やったあ、合格!」と思わず叫んでしまいました。しかし不思議な毎日が訪れることはまだ知らないのであった。

[大文字]入学[/大文字]
誰もがスーツを着て並んでいる中、桜のコサージュをつけた姿で入場した[漢字]鏡花[/漢字][ふりがな]きっか[/ふりがな]は入学生の[漢字]挨拶[/漢字][ふりがな]あいさつ[/ふりがな]で、
「ご観覧の皆様、おはようございます。これからの学校生活が[漢字]桜梅桃李[/漢字][ふりがな]おうばいとうり[/ふりがな]、それぞれ異なる美しさと個性を持つ様々な経験で満ちあふれますように。
桜は春の訪れを告げ、人々に希望を与えてくれます。皆さんも新しい友人と出会い、共に成長しながら、素晴らしい思い出を作っていきます。梅は厳しい冬を耐え抜き、寒さの中でも美しい花を咲かせます。困難に直面したときこそ、自分の力を信じ、努力を続けて欲しいと思います。桃は甘い実をつけ、喜びをもたらします。学びを通じて、たくさんの喜びや成果を手に入れてください。そして[漢字]李[/漢字][ふりがな]すもも[/ふりがな]は、その実がまた新たな生命を育むように、皆さんが学んだことを土台に、未来への花を咲かせていくように努力します。
これからの日々、私達にはさまざまな挑戦が待っていますが、仲間と共に助け合い、励まし合いながら、一歩ずつ進んでいきます。」
と言いました。異変は、彼女はこの長い文章をすらすらと言えたことでしょう。
彼女自身の努力もあるでしょうが、さすがに一度くらいは言葉に詰まるような文章をすらすらと言えるのは彼女の隠れていた才能が開花したのです!
彼女は姿や心、才能までもが輝く五百年に一度の才女となったのです。彼女を見ていた人たちは[漢字]皆[/漢字][ふりがな]みな[/ふりがな]感動して泣いていたのです。それを見ていた学校長[漢字]末松哲哉[/漢字][ふりがな]すえまつてつや[/ふりがな]氏は、学校長の言葉を[漢字]仰[/漢字][ふりがな]おっしゃ[/ふりがな]るとき[漢字]涙声[/漢字][ふりがな]なみだごえ[/ふりがな]になっていました。まさに、彼女ほど優秀な方は歴史をいくら調べたとしても見つかりませんでした。

[大文字]クラスへ[/大文字]
彼女が指示を受けた教室へ向かうと、プレートには[漢字]一年桜組[/漢字][ふりがな]いちねんさくらぐみ[/ふりがな]と書かれていた。中に入ると教室の後ろ側の窓側の席が私の席だった。隣の席に座っていたのは[漢字]花崎藤江[/漢字][ふりがな]はなさきふじえ[/ふりがな]、いかにも[漢字]才媛[/漢字][ふりがな]さいえん[/ふりがな]という言葉が[漢字]相応[/漢字][ふりがな]ふさわ[/ふりがな]しい感じの人でした。
「才能のオーラを感じるなあ」
そう鏡花は思っていました。そして担任の[漢字]前田羽月[/漢字][ふりがな]まえだはづき[/ふりがな]先生が教室に入ってきました。
「おはようございます。今日はこの学校の規則や制度を説明していきますね。まず、私の名前は前田羽月です。よろしくお願いします。」
何もその先生に謎の[漢字]既視感[/漢字][ふりがな]きしかん[/ふりがな]を感じるのです。そう、彼女は母の[漢字]従姉妹[/漢字][ふりがな]いとこ[/ふりがな]なのです。
「まず、クラスは桜、梅、桃、李に分かれています。桜クラスはこれからが期待される人たちのクラスです。梅クラスは力試しに力を入れたクラスです。桃クラスは実績を積んで応用などに発展させる教育スタイルのクラスです。李クラスは専門的な学習に力を入れたクラスです。また、クラスが変わる制度はあるもののそうなったことは三十七年の歴史の中にありません。」
それを聞いて鏡花は思った。
「命名センスすごくね?」
そう思っていたけれども話はまだまだ続く。
「服装、学校制服で登校すること。下校後制服を着崩すことは可。名札は校内のみでつけること。すべてのものに名前を書きましょう。」
規制が結構ゆるくて良かったと思う鏡花。


[大文字]休み時間[/大文字]
休み時間に中庭に出るとそこには[漢字]桐[/漢字][ふりがな]きり[/ふりがな]の木が植えられてあった。それがこの学校のシンボルツリーだと鏡花は確信した。
「にしてもこの木は高いねえ、これざっと5メートル超えてるんじゃね?」
高身長の鏡花の身長158.5センチと比べても大きいです。
あの桐が校章の桐だと鏡花は改めてわかったのです。
「おはよ!」
そう声をかけたのは[漢字]加藤月[/漢字][ふりがな]かとうるな[/ふりがな]でした。彼女は[漢字]一年李組[/漢字][ふりがな]いちねんすももぐみ[/ふりがな]の優等生。彼女のことを「[漢字]月[/漢字][ふりがな]るな[/ふりがな]同志」と、志の高い鏡花はそう心の中で呼ぶのでした。
「鏡花、おはよ〜」
そう呼ぶのは...

●●だった。
「おはよう、今日はいい天気ですね。ところであなたの趣味は?私は読書と琴の演奏かな〜」
「えっと...○○ですね」
「そうなんだ〜」
彼女は○○のことに興味津々だった。
「○○って何?教えてよ!」
「えっと...どう○○について説明しよう...」
言葉に詰まる。どう答えたらいいのかわからない。
「無理に説明しなくてもいいよ。後で○○について調べるからさ。」
「鏡花さん、ありがとう!」
そう言って●●は走り去っていくのでした。
「やっぱり、○○ってなんだろう。また調べるか。」
そう言っている間に時間は過ぎていった。
「そろそろ時計を見よっか」
見ると時計は次の授業の前の3分前を指していた。大急ぎで戻って
「やったあ、ギリセーフ」
と心の中で[漢字]呟[/漢字][ふりがな]つぶや[/ふりがな]くのでした。