ヒカリと裏
【敦視点】
「そういえば、●●さんって普段何の任務されているのですか?」
新入社員の中島敦は先輩である○○●●にふと思った事を尋ねた。
今まで他の調査員の仕事内容は見学などで見ることが出来ていたが、まだ、●●の仕事内容は知ることができていなかった。
書類に目を通しながら●●は答えた。
「ん、私?私の主な仕事は情報収集と便利[漢字]道具[/漢字][ふりがな]アイテム[/ふりがな]の開発、後はたまにだけど潜入調査、夜の時間に暴れた組織とかの後処理…ですかね。…後処理は誰もやってくれない時だけですが。」
「後処理…」
なんか物騒な言葉を聞いた気がした。
すると、隣席から太宰が話に入り込んできた。
…珍しく太宰が席に座っている。
「まあ、後処理は置いといて、探偵社に置いてある[漢字]道具[/漢字][ふりがな]アイテム[/ふりがな]は全部●●が作った物だよ。例えば、私達が付けているこの、[太字]ピアス[/太字]とかね。」
敦は自分の耳たぶに付けてある小さい宝石に見える耳飾りに触れた。
此れは服を貰った時に一緒に貰った物だ。
云われてみれば、社員全員が付けている。
おそらく、社長もなのだろう。
「それ、唯の耳飾りじゃ無いんですよ。ピアスと見せかけた無線通信機です。」
「そうなんですか!?こんな小さいのに?!」
「はい、小さいし、飾りにしか見えないので、通信機と思う人も少ないでしょう?その裏をかいて作りました。…聞こえてくる声もクリアに、内容も聞こえないようにとあれこれ盛ってしまい、通信できる範囲が半径200キロメヱトル以内になってしまいましたが。」
「それでも凄いと思いますが…」
「そうですか?ありがとうございます(^-^)」
●●は少し照れるように笑い、パソコンに戻った。
どうやら●●はこの変人集団の中では珍しい常識人のようだ。(谷崎も、か?)
「-ところで太宰さん。」
●●はくるっと回転椅子を太宰に突然向けた。
「珍しく机に向かわれてるようですが、何を一生懸命されているのです?」
「見て分からない?調べ物だよ、調べ物。私だって調べたい時はあるさ。」
「ふぅーん…調べているのは組合についてですか?それとも自殺方法ですか?私的には前者であって欲しいんですけど。」
「残念、後者だよ☆薬の味が無くて、何の違和感も無く食して死ねる毒薬が無いかなあって調べてたんだ。」
「「…」」
敦と●●は黙りこくった。
[大文字]遂にネットにも太宰が手を出したとは。[/大文字]
此れでは埒が明かない。
「…太宰さん。」
●●は太宰の前に笑顔で立った。
「?何かな」
-が、敦には其れが恐く見えた。
与謝野女医の治療をする時の顔並みに。
「そんなに痛くない方法で死にたいと云うなら、いっそのこと私が毒仕込みナイフでゆっくり痛みつけてやりましょうか?(^_^)v大丈夫ですよ、最初は痛みが全くありませんので。精々毒が躰をまわるのは5分後位なので( =^ω^)💢」
「へぇ。遅延性の毒か。いいね。でも其れだと痛いじゃあないか。」
[大文字]「だーかーらー、そんなに痛くない方法調べてるんだったらさっさと仕事やってください!そうしないと永遠に毒で痛みつけますよ!!」[/大文字]
…数分間、太宰と●●による言い合いが続いた。
敦は先程の●●に対する評価を心の中でこっそり普段は常識人だが、時々サイコパス、と改めたのであった。
そう考えると、この会社、変人しかいない。
すると、国木田が横にやって来た。
「敦、あの2人の言い合いは無視していい。いつものことだからな」
「く、国木田さん…いつものことなんですか…?にしては物騒な単語が多く聞こえますが…」
「嗚呼、太宰と●●は腐れ縁で幼い頃から一緒にいたそうだ。昔から自殺を何度も試みていたらしいが、痛いのは厭、ということで其れを逆手に取り、自殺させないようにしているらしい。そのせいか、●●は毒等の医療系、痛みつける為の体術等に詳しくなってしまった、と云っていた。…故にいつものことだから無視していい。」
あの国木田まで、太宰には厳しいというのに、●●には普通(或いはそれ以上?)ということは何か秘密のカリスマ性でもあるのだろうか。
否、現に●●は通信機を開発しているのだから、そういうことなのだろうか…?
そんなことをぐるぐる考えながら未だに続いている太宰と●●の言い合いを見ていると、突然社の電話[漢字]鈴[/漢字][ふりがな]ベル[/ふりがな]が鳴った。
…よく聴くと、●●の机の電話から鳴っているようだった。
●●は太宰との言い合いを止め、受話器を取った。
「此方、武装探偵社。---」
受話器を取っている●●の姿は先程とは見違える程大人らしく感じた。
[大文字][太字]「ッ!!」[/太字][/大文字]
突然●●は鋭く息を呑み、小さな笑みを浮かべた。
何かを楽しみにしているような、笑みだった。
「…分かりました。では後程。」
カシャン
通話を終えると、椅子に掛けてあった[漢字]外套[/漢字][ふりがな]コォト[/ふりがな]を羽織り、鞄を背負った。
「依頼が来ました。…敦君。」
「は、はい!」
急に呼ばれ、敦は飛び上がった。
「今から仕事をするんですが…一緒にやりますか?」
「や、やります!」
「●●ー、其れ私もやっていいー?」
「太宰さんは駄目です、敦君は見学なので。太宰さんは太宰さんの仕事をやって下さい。」
「ちぇーっ(-.-)」
…太宰には辛辣のようだ。
「それじゃあ、敦君、行こうか。」
敦と●●は探偵社の扉を開け、外に出ていった。
「そういえば、●●さんって普段何の任務されているのですか?」
新入社員の中島敦は先輩である○○●●にふと思った事を尋ねた。
今まで他の調査員の仕事内容は見学などで見ることが出来ていたが、まだ、●●の仕事内容は知ることができていなかった。
書類に目を通しながら●●は答えた。
「ん、私?私の主な仕事は情報収集と便利[漢字]道具[/漢字][ふりがな]アイテム[/ふりがな]の開発、後はたまにだけど潜入調査、夜の時間に暴れた組織とかの後処理…ですかね。…後処理は誰もやってくれない時だけですが。」
「後処理…」
なんか物騒な言葉を聞いた気がした。
すると、隣席から太宰が話に入り込んできた。
…珍しく太宰が席に座っている。
「まあ、後処理は置いといて、探偵社に置いてある[漢字]道具[/漢字][ふりがな]アイテム[/ふりがな]は全部●●が作った物だよ。例えば、私達が付けているこの、[太字]ピアス[/太字]とかね。」
敦は自分の耳たぶに付けてある小さい宝石に見える耳飾りに触れた。
此れは服を貰った時に一緒に貰った物だ。
云われてみれば、社員全員が付けている。
おそらく、社長もなのだろう。
「それ、唯の耳飾りじゃ無いんですよ。ピアスと見せかけた無線通信機です。」
「そうなんですか!?こんな小さいのに?!」
「はい、小さいし、飾りにしか見えないので、通信機と思う人も少ないでしょう?その裏をかいて作りました。…聞こえてくる声もクリアに、内容も聞こえないようにとあれこれ盛ってしまい、通信できる範囲が半径200キロメヱトル以内になってしまいましたが。」
「それでも凄いと思いますが…」
「そうですか?ありがとうございます(^-^)」
●●は少し照れるように笑い、パソコンに戻った。
どうやら●●はこの変人集団の中では珍しい常識人のようだ。(谷崎も、か?)
「-ところで太宰さん。」
●●はくるっと回転椅子を太宰に突然向けた。
「珍しく机に向かわれてるようですが、何を一生懸命されているのです?」
「見て分からない?調べ物だよ、調べ物。私だって調べたい時はあるさ。」
「ふぅーん…調べているのは組合についてですか?それとも自殺方法ですか?私的には前者であって欲しいんですけど。」
「残念、後者だよ☆薬の味が無くて、何の違和感も無く食して死ねる毒薬が無いかなあって調べてたんだ。」
「「…」」
敦と●●は黙りこくった。
[大文字]遂にネットにも太宰が手を出したとは。[/大文字]
此れでは埒が明かない。
「…太宰さん。」
●●は太宰の前に笑顔で立った。
「?何かな」
-が、敦には其れが恐く見えた。
与謝野女医の治療をする時の顔並みに。
「そんなに痛くない方法で死にたいと云うなら、いっそのこと私が毒仕込みナイフでゆっくり痛みつけてやりましょうか?(^_^)v大丈夫ですよ、最初は痛みが全くありませんので。精々毒が躰をまわるのは5分後位なので( =^ω^)💢」
「へぇ。遅延性の毒か。いいね。でも其れだと痛いじゃあないか。」
[大文字]「だーかーらー、そんなに痛くない方法調べてるんだったらさっさと仕事やってください!そうしないと永遠に毒で痛みつけますよ!!」[/大文字]
…数分間、太宰と●●による言い合いが続いた。
敦は先程の●●に対する評価を心の中でこっそり普段は常識人だが、時々サイコパス、と改めたのであった。
そう考えると、この会社、変人しかいない。
すると、国木田が横にやって来た。
「敦、あの2人の言い合いは無視していい。いつものことだからな」
「く、国木田さん…いつものことなんですか…?にしては物騒な単語が多く聞こえますが…」
「嗚呼、太宰と●●は腐れ縁で幼い頃から一緒にいたそうだ。昔から自殺を何度も試みていたらしいが、痛いのは厭、ということで其れを逆手に取り、自殺させないようにしているらしい。そのせいか、●●は毒等の医療系、痛みつける為の体術等に詳しくなってしまった、と云っていた。…故にいつものことだから無視していい。」
あの国木田まで、太宰には厳しいというのに、●●には普通(或いはそれ以上?)ということは何か秘密のカリスマ性でもあるのだろうか。
否、現に●●は通信機を開発しているのだから、そういうことなのだろうか…?
そんなことをぐるぐる考えながら未だに続いている太宰と●●の言い合いを見ていると、突然社の電話[漢字]鈴[/漢字][ふりがな]ベル[/ふりがな]が鳴った。
…よく聴くと、●●の机の電話から鳴っているようだった。
●●は太宰との言い合いを止め、受話器を取った。
「此方、武装探偵社。---」
受話器を取っている●●の姿は先程とは見違える程大人らしく感じた。
[大文字][太字]「ッ!!」[/太字][/大文字]
突然●●は鋭く息を呑み、小さな笑みを浮かべた。
何かを楽しみにしているような、笑みだった。
「…分かりました。では後程。」
カシャン
通話を終えると、椅子に掛けてあった[漢字]外套[/漢字][ふりがな]コォト[/ふりがな]を羽織り、鞄を背負った。
「依頼が来ました。…敦君。」
「は、はい!」
急に呼ばれ、敦は飛び上がった。
「今から仕事をするんですが…一緒にやりますか?」
「や、やります!」
「●●ー、其れ私もやっていいー?」
「太宰さんは駄目です、敦君は見学なので。太宰さんは太宰さんの仕事をやって下さい。」
「ちぇーっ(-.-)」
…太宰には辛辣のようだ。
「それじゃあ、敦君、行こうか。」
敦と●●は探偵社の扉を開け、外に出ていった。
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