私のリーパー
...黒羽視点...
やってしまったという思いを胸にして、僕は運良く暗くなった夜の空を飛んでいた。
「くそ、、なんでこんなにも素直になれないんだろ、、」
素直になれない自分に腹を立てる。
さっき一桜に言ったように、僕は死神だ。
だから人間にどう言えばどう伝わるかなんてわからないし、これまではずっと思ったことを伝えてきた。
今回はそれが仇となってしまったのだ。
これを治すには僕の中では一つしか答えはない。
僕は着地できそうな高い高いビルの上に座り込み、誰もいない空間にこう呟いた。
「あられ。いるか?」
そんな僕の声に反応して、空から一人の女の子が降りてきた。
白い体に綺麗な黒く長い髪をもち、青色の瞳をする女の子のことを僕は『あられ』と呼んでいる。
まあ空からやってきた時点でわかるかもしれないが、あられは僕と同じ人外、幽霊だ。
あられの能力は見せたいものを見せてくれる、ということ。
すごいだろ。僕も初め会ったときはびっくりしたよ。
今ではもう相棒レベルに仲が良いけどね。
そんなあられに僕はこう頼んだ。
「あられ。僕の前を見せてくれ。僕が死神になるもっと前のことを。」
そう。人間のココロを理解するためには見るしかないのだ。
見たくもない。
見たくもないが、もう二度と椿を悲しませないように。
もう二度と、自分を恨まないように。
あられは「うん.ᐟ」と元気よく答えて僕の膝の上に座った。
これが、あられが能力を使う条件だ。
見せたい対象者の膝に座ることで座らせた者に見せたいものを見せる。
怖いが見せてもらおう。
前の僕がどんな人生を歩んでいたのか。
ーxxxx年前ー
「産まれましたよ、!お母さん、元気な男の子ですっ、、」
とある病院の一つの病室で啜り泣く声と元気に泣く赤子の声が聞こえる。
啜り泣く理由。
それは、赤子が産まれたものの、母親は亡くなってしまったのだ。
それを聞いた父親は絶望の末に崩れ落ち、精神を壊してしまい、病棟行きになってしまった。
産まれた赤子は少し病院で世話をした後、1歳になるまでは児童院に入った。
そして1歳を迎えると、児童養護施設へ措置変更する。
そんな赤子の名は白雪 [漢字]白羽[/漢字][ふりがな]はくばね[/ふりがな]。
この名は母親の赤子ノートに書いてあったもの。
ノートを開けると3ページ、ぎっしりと名前が書かれていた。
これだけ赤子を楽しみにし、大切にしていたのかはこのノートですぐわかること。
そんなノートの1ページ目には女の子の名前、2ページ目には男の子の名前が。
そして丸がついたこの白羽という名前は、3ページ目の中性名前に書いてあった。
キラキラネームだ。やめておこうという声も上がった。
が、赤く丸がつけられていためおそらくこれにしたかったのだろうと判断し、そう名付けられた。
白雪白羽、12歳。
それまで白羽はずっと児童養護施設で引きこもり生活。
外へ出ることを拒み、外に出るにもフードを深く被った年中長袖長ズボン姿。
だがそれには訳がある。
白羽がアルビノだからだ。
白い肌に白い髪、そして赤い瞳。
白羽はそんな自分の容姿を嫌い、児童養護施設に引きこもり、誰とも会話をしようとしなかった。
まあ、そのほかにもアルビノだから体が弱く、日光に当たることがあまりできないという理由もあるのだがね。
そんな白羽は、12歳の誕生日を迎えた。
児童指導員や保育士、心理療法担当職員、里親支援専門相談員など。いろんな人に祝いの言葉をもらった。
そして里親支援専門相談員からこんな言葉も。
「おめでとう。白羽くん。12歳かぁ、ここまで育ってくれて嬉しいよ。そんな白羽くんにプレゼント。お父さんが精神病棟を退院できたから、ちゃんと世話してくれるって!」
僕の頭はフリーズした。
名も姿も知らない男の人にこれからはお父さんと呼ばなければいけないのか?
ずっとここで一人で生きていけるものではないのか、と。
そう思うも口に出せる性格ではなくて、僕はこの話に喜んだフリをした。
やってしまったという思いを胸にして、僕は運良く暗くなった夜の空を飛んでいた。
「くそ、、なんでこんなにも素直になれないんだろ、、」
素直になれない自分に腹を立てる。
さっき一桜に言ったように、僕は死神だ。
だから人間にどう言えばどう伝わるかなんてわからないし、これまではずっと思ったことを伝えてきた。
今回はそれが仇となってしまったのだ。
これを治すには僕の中では一つしか答えはない。
僕は着地できそうな高い高いビルの上に座り込み、誰もいない空間にこう呟いた。
「あられ。いるか?」
そんな僕の声に反応して、空から一人の女の子が降りてきた。
白い体に綺麗な黒く長い髪をもち、青色の瞳をする女の子のことを僕は『あられ』と呼んでいる。
まあ空からやってきた時点でわかるかもしれないが、あられは僕と同じ人外、幽霊だ。
あられの能力は見せたいものを見せてくれる、ということ。
すごいだろ。僕も初め会ったときはびっくりしたよ。
今ではもう相棒レベルに仲が良いけどね。
そんなあられに僕はこう頼んだ。
「あられ。僕の前を見せてくれ。僕が死神になるもっと前のことを。」
そう。人間のココロを理解するためには見るしかないのだ。
見たくもない。
見たくもないが、もう二度と椿を悲しませないように。
もう二度と、自分を恨まないように。
あられは「うん.ᐟ」と元気よく答えて僕の膝の上に座った。
これが、あられが能力を使う条件だ。
見せたい対象者の膝に座ることで座らせた者に見せたいものを見せる。
怖いが見せてもらおう。
前の僕がどんな人生を歩んでいたのか。
ーxxxx年前ー
「産まれましたよ、!お母さん、元気な男の子ですっ、、」
とある病院の一つの病室で啜り泣く声と元気に泣く赤子の声が聞こえる。
啜り泣く理由。
それは、赤子が産まれたものの、母親は亡くなってしまったのだ。
それを聞いた父親は絶望の末に崩れ落ち、精神を壊してしまい、病棟行きになってしまった。
産まれた赤子は少し病院で世話をした後、1歳になるまでは児童院に入った。
そして1歳を迎えると、児童養護施設へ措置変更する。
そんな赤子の名は白雪 [漢字]白羽[/漢字][ふりがな]はくばね[/ふりがな]。
この名は母親の赤子ノートに書いてあったもの。
ノートを開けると3ページ、ぎっしりと名前が書かれていた。
これだけ赤子を楽しみにし、大切にしていたのかはこのノートですぐわかること。
そんなノートの1ページ目には女の子の名前、2ページ目には男の子の名前が。
そして丸がついたこの白羽という名前は、3ページ目の中性名前に書いてあった。
キラキラネームだ。やめておこうという声も上がった。
が、赤く丸がつけられていためおそらくこれにしたかったのだろうと判断し、そう名付けられた。
白雪白羽、12歳。
それまで白羽はずっと児童養護施設で引きこもり生活。
外へ出ることを拒み、外に出るにもフードを深く被った年中長袖長ズボン姿。
だがそれには訳がある。
白羽がアルビノだからだ。
白い肌に白い髪、そして赤い瞳。
白羽はそんな自分の容姿を嫌い、児童養護施設に引きこもり、誰とも会話をしようとしなかった。
まあ、そのほかにもアルビノだから体が弱く、日光に当たることがあまりできないという理由もあるのだがね。
そんな白羽は、12歳の誕生日を迎えた。
児童指導員や保育士、心理療法担当職員、里親支援専門相談員など。いろんな人に祝いの言葉をもらった。
そして里親支援専門相談員からこんな言葉も。
「おめでとう。白羽くん。12歳かぁ、ここまで育ってくれて嬉しいよ。そんな白羽くんにプレゼント。お父さんが精神病棟を退院できたから、ちゃんと世話してくれるって!」
僕の頭はフリーズした。
名も姿も知らない男の人にこれからはお父さんと呼ばなければいけないのか?
ずっとここで一人で生きていけるものではないのか、と。
そう思うも口に出せる性格ではなくて、僕はこの話に喜んだフリをした。