星野家長女は穏やかな生活がしたい
あっくんとるぅくんのぼうけん。
題名の通り、二匹の子猫である“あっくん”と“るぅちゃん”が冒険をしに行くという、ありふれた絵本。
「ねぇマリア……この本、その、なんといか……」
「重い?」
「いや、うん。……自覚してるだ」
「そりゃね〜だってモデルがモデルなんだもん。ちょっと重いくらいがいいかなって」
あっくんとるぅくんのぼうけん。
題名の通り、二匹の子猫である“あっくん”と“るぅちゃん”が冒険をしに行くという、ありふれた絵本。
特筆すべき点は内容が思ったよりも重いことと、絵柄が可愛いということだけ。
これは前回紹介した私の絵本だ。
モデルはアクアとルビー。
みなさんご存知の通り、二人(+私)が出来たら背景は重いの一言につきるのでモデルにするならちょっと重めがいいんじゃないかな〜という軽い気持ちで書いた。
そしていざ、出版して星野家に届いた初版を改めて読んだパパから「ちょっと重いんじゃない?(要約)」というコメントを頂いた。
「そっか……というか、マリアは知ってたんだ」
「人の口に戸は建てられないってね、まぁ言ったのはミヤコさんとか壱護社長とかじゃないよ。私の運と勘が悪い方向に働いた結果だから」
「それでも、人の助けもなしに5歳で辿り着けるのはすごいよ。やっぱりうちの子天才だね」
「伊達に百鬼夜行シリーズ読んでないからね〜」
流石に前世で知ってましたは言えないからね〜誤魔化しますよ。
ぽんぽんっと嬉しそうにパパは頭を撫でた。これでは気づいて欲しかったのか気づいて欲しくなかったのか分からない。
はぁーいいや。もっと中学生になってから聞く予定だったけど、今聞いてしまった方がいい気がする。
「ねぇパパ」
「ん?どうしたのマリア」
「パパはママを裏切らない?」
時間が止まった気がした。
比喩表現だ。実際は止まっていない。
今も秒針は一分一秒も狂わず動き続けて時を刻み続けている。
エアコンや冷蔵がゴウゴウと音を立てているせいで、余計に私とパパの間の静寂が余計に静かに感じた。
「どうしてそう思ったんだい?」
「んー人伝に聞いたパパの性格と状況からしたら、ママからの愛を動機にママの裏切るかも……?って思っただけ。でも改めて思うと、多分………パパはママを裏切ることはないんだろうね」
だってパパ、ママのこと愛してるんでしょ。
ニコニコ笑いながらパパの耳元に囁くと、パパもニコニコした。腹の探り合いって感じだね。
パパはママを愛している。そりゃもう心の底から世界の中心で愛を叫んでらっしゃるぐらいビックリラブだ。
でもそれと同じくらい私達三つ子を愛しているか?と聞かれたら、それは微妙。
確かにパパはママとの愛の結晶である私を愛そうとしている。だけど、どうやってもアイと同じくらい愛することはないだろう。
さっきも言ったようにパパはママのことが大好きで、愛している。
パパにとって、ママの存在こそが唯一無二。依存していると言っても過言ではないほど愛を注いでいるので、その愛が私達に注ぐのが難しいんだろう。
でもまぁ、愛そうとしてくれているのは嬉しい。
そのことを所々端折って説明したら、パパは戸惑ったみたいだ。そうだよね〜普通の子供は親に愛されていないって気づいたら傷つくよね。
でも残念なことに私は普通じゃないから。
「……っ、マリアはいいのかい?だって、僕は……君たちを愛せない。嘘しか…つけない……」
「パパ、良い言葉教えてあげるね」
顔を俯かせて懺悔するように言葉を紡ぐパパの頬を小さな手で包み、目線を無理やり合わせた。
「嘘はとびきりの愛なんだよ?」
「……!」
「って、ママが言ってた。パパはパパなりのやり方で私達を愛そうとしてくれていて、ママを裏切ることはない。それが分かっただけで私はいいの」
今度は心の底からの笑みをパパに向けた。
パパは心底眩しそうに目を細めて、同じように心の底からの笑顔をくれた。
今日はちょっとだけ、パパの愛を感じた気がした。
題名の通り、二匹の子猫である“あっくん”と“るぅちゃん”が冒険をしに行くという、ありふれた絵本。
「ねぇマリア……この本、その、なんといか……」
「重い?」
「いや、うん。……自覚してるだ」
「そりゃね〜だってモデルがモデルなんだもん。ちょっと重いくらいがいいかなって」
あっくんとるぅくんのぼうけん。
題名の通り、二匹の子猫である“あっくん”と“るぅちゃん”が冒険をしに行くという、ありふれた絵本。
特筆すべき点は内容が思ったよりも重いことと、絵柄が可愛いということだけ。
これは前回紹介した私の絵本だ。
モデルはアクアとルビー。
みなさんご存知の通り、二人(+私)が出来たら背景は重いの一言につきるのでモデルにするならちょっと重めがいいんじゃないかな〜という軽い気持ちで書いた。
そしていざ、出版して星野家に届いた初版を改めて読んだパパから「ちょっと重いんじゃない?(要約)」というコメントを頂いた。
「そっか……というか、マリアは知ってたんだ」
「人の口に戸は建てられないってね、まぁ言ったのはミヤコさんとか壱護社長とかじゃないよ。私の運と勘が悪い方向に働いた結果だから」
「それでも、人の助けもなしに5歳で辿り着けるのはすごいよ。やっぱりうちの子天才だね」
「伊達に百鬼夜行シリーズ読んでないからね〜」
流石に前世で知ってましたは言えないからね〜誤魔化しますよ。
ぽんぽんっと嬉しそうにパパは頭を撫でた。これでは気づいて欲しかったのか気づいて欲しくなかったのか分からない。
はぁーいいや。もっと中学生になってから聞く予定だったけど、今聞いてしまった方がいい気がする。
「ねぇパパ」
「ん?どうしたのマリア」
「パパはママを裏切らない?」
時間が止まった気がした。
比喩表現だ。実際は止まっていない。
今も秒針は一分一秒も狂わず動き続けて時を刻み続けている。
エアコンや冷蔵がゴウゴウと音を立てているせいで、余計に私とパパの間の静寂が余計に静かに感じた。
「どうしてそう思ったんだい?」
「んー人伝に聞いたパパの性格と状況からしたら、ママからの愛を動機にママの裏切るかも……?って思っただけ。でも改めて思うと、多分………パパはママを裏切ることはないんだろうね」
だってパパ、ママのこと愛してるんでしょ。
ニコニコ笑いながらパパの耳元に囁くと、パパもニコニコした。腹の探り合いって感じだね。
パパはママを愛している。そりゃもう心の底から世界の中心で愛を叫んでらっしゃるぐらいビックリラブだ。
でもそれと同じくらい私達三つ子を愛しているか?と聞かれたら、それは微妙。
確かにパパはママとの愛の結晶である私を愛そうとしている。だけど、どうやってもアイと同じくらい愛することはないだろう。
さっきも言ったようにパパはママのことが大好きで、愛している。
パパにとって、ママの存在こそが唯一無二。依存していると言っても過言ではないほど愛を注いでいるので、その愛が私達に注ぐのが難しいんだろう。
でもまぁ、愛そうとしてくれているのは嬉しい。
そのことを所々端折って説明したら、パパは戸惑ったみたいだ。そうだよね〜普通の子供は親に愛されていないって気づいたら傷つくよね。
でも残念なことに私は普通じゃないから。
「……っ、マリアはいいのかい?だって、僕は……君たちを愛せない。嘘しか…つけない……」
「パパ、良い言葉教えてあげるね」
顔を俯かせて懺悔するように言葉を紡ぐパパの頬を小さな手で包み、目線を無理やり合わせた。
「嘘はとびきりの愛なんだよ?」
「……!」
「って、ママが言ってた。パパはパパなりのやり方で私達を愛そうとしてくれていて、ママを裏切ることはない。それが分かっただけで私はいいの」
今度は心の底からの笑みをパパに向けた。
パパは心底眩しそうに目を細めて、同じように心の底からの笑顔をくれた。
今日はちょっとだけ、パパの愛を感じた気がした。
このボタンは廃止予定です