二次創作
星野家長女は穏やかな生活がしたい
「マリアはアイドルとか俳優さんになる気はないの?」
「ん〜、あんまりないかなぁ。アクアとルビー見ててダンスとか演技とかは楽しそうだとは思うけ。だけど、ミヤコさんと社長が芸能人は大変って言ってるし、仕事にするならもっと緩いのがいいや」
若干5歳にして気合いの無さすぎる回答をした星野 茉莉愛氏。まぁやる気の問題だけじゃなくてわりかし本気で芸能人にはなりたくない。
自慢ではないといえな嘘になるけど、私はめちゃくちゃママに似ている。
髪の毛はパパ似だけど顔はママをコピーしてペーストしたようにそっくりだ。
目もママのアメジストのようなキラキラ紫を受け継いでいるので黒いウィッグ被ったらママが小さくなったのかと見間違うほどそっくり。
そのおかげでときどきルビーにウィッグを被せられて遊ばれる。ルビーが楽しいからなんでもいいんだけど。
そんなママそっくりな私が芸能界に入ったら起きることは二つ。
私がママ譲りの顔の良さからバカ売れて、ママとパパが必死に隠している私達三つ子の露見すること。
前者は冗談だけど後者は侮れない。今はネットの時代だ。
2chに「【アイの】マリアとかいう子役について【そっくり】」って題名のスレが立てられて情報が一瞬で広まる。
「それに私、やりたいことがあるし」
「えっなになに?ママに教えて」
転生者故に普段から手のかからない三つ子の中でも、特におねだりとかをする事ない私だからやりたいことがあると言ったときのママの食いつきが思いの外よかった。
そして私はちょっぴりの打算を元にとある“お願い”をした。
「その“お願い”っていうのがそれか」
「そっ、この「あっくとるぅちゃんのぼうけん」ね」
「キャラクターの名前に凄まじいデジャブを感じるんだが……」
「気の所為だよ、あっくん」
「絶っ対わざとだろ!!」
テッテレテッテテーっと、私が誇らしげに掲げたのは可愛らしい二匹の猫のイラストが書かれた厚さ2.5cmほどの絵本だ。
わたし=さく
わたし=絵
出版は地元の書店。
さて、この経緯を詳しく説明するためには私の前世の話をしないといけないのでめちゃくちゃ長くなるぜ!!覚悟して読みたまえよ読者諸君!!
はじまりは中学生。
なんとなくノートに書いた短編小説が友人に見つかり無理やりなんちゃら賞に応募させられた。
どうせ直ぐに落選すると考えていたんだけど、なぜか最優秀賞に選ばれてしまいとある出版社から電話が掛かってきた。
そういしてやって来た担当編集者に煽られて調子にのった中学生の私は、短編小説を更に5本書いて優秀賞に選ばれた小説と合わせて出版。
これも身内だけしか買わないと思っていたんだけど、その年のベストセラーに選ばれて読書家達の話題を掻っ攫っていった。
更に調子に乗った私は長編のミステリー小説を出版。
これまたベストセラーに選ばれて巷でブイブイ言わせれるようになってしまった。
つまり、売れっ子作家になった訳なんですよ。
中学生を卒業して高校生になった所だって言うのに担当の編集者さんは「次は青春いきましょう」「人間関係ドロドロホラーとかどうせすか」「ところでうちの猫可愛くないですか?ボサツっていうんです」「やっぱミステリーもいいですよね」なんて次々仕事をもぎ取ってきた。
最初はひーこらひこーこら言って対応していた私だけど、高校を卒業するころには1日に最低1万字書かないとモヤモヤする体に開発()されてしまった。
恐るべき担当編集者さん………あの脳面のような笑みを思い出しただけで身震いする。
〆切日を伸ばして貰っても間に合わなかったときにアイアンメイデンに監禁されてパソコンに文字を打ったときは恐怖でしかなかった。
その恐怖が魂にまで染み付いていたのか、一度死んでも一日に2万字は書かないとモヤモヤする体質は治ることはなかった。ああ、恐ろしや。
転生してから5年。
最初は転生という事実に驚き過ぎて文字を書くどころではなかったのだけど、時間が経って慣れて来た頃にはあの恐怖を思い出して「1日に2万字は書きたい衝動」が抑えられなくなった。
だから苦肉の策として絵本を書くことにしたのだ。
いや、だって……まだ足元も覚束ない5歳児が急にドロドロの人間関係小説長編ホラーは書き出したら驚くじゃん。じゃあ、せめても可愛い絵本から始めようと思ったわけだ。
ドロドロの人間関係長編ホラーはもうちょっと成長してからね。
私が初めて書いた絵本をパパとママは褒めてくれたし、ルビーは自分がモデルになったことに大歓喜。アクアは「肖像権……」という目線を送ったけど、内容は面白いと褒めてくれた。
やったね。
ミヤコさんと社長もこりゃ金になるなと感じ取ったのか、書店に持ち込まれて私の名前のプロフィールを伏せたまま出版する運びとなった。
ちなみにペンネームはマライア。茉莉愛なので聖母マリアの名前が変形してできた名前にした。
安直すぎるけどまぁいいや。
そんな感じで、今世も緩く作家生活やっております。
「ん〜、あんまりないかなぁ。アクアとルビー見ててダンスとか演技とかは楽しそうだとは思うけ。だけど、ミヤコさんと社長が芸能人は大変って言ってるし、仕事にするならもっと緩いのがいいや」
若干5歳にして気合いの無さすぎる回答をした星野 茉莉愛氏。まぁやる気の問題だけじゃなくてわりかし本気で芸能人にはなりたくない。
自慢ではないといえな嘘になるけど、私はめちゃくちゃママに似ている。
髪の毛はパパ似だけど顔はママをコピーしてペーストしたようにそっくりだ。
目もママのアメジストのようなキラキラ紫を受け継いでいるので黒いウィッグ被ったらママが小さくなったのかと見間違うほどそっくり。
そのおかげでときどきルビーにウィッグを被せられて遊ばれる。ルビーが楽しいからなんでもいいんだけど。
そんなママそっくりな私が芸能界に入ったら起きることは二つ。
私がママ譲りの顔の良さからバカ売れて、ママとパパが必死に隠している私達三つ子の露見すること。
前者は冗談だけど後者は侮れない。今はネットの時代だ。
2chに「【アイの】マリアとかいう子役について【そっくり】」って題名のスレが立てられて情報が一瞬で広まる。
「それに私、やりたいことがあるし」
「えっなになに?ママに教えて」
転生者故に普段から手のかからない三つ子の中でも、特におねだりとかをする事ない私だからやりたいことがあると言ったときのママの食いつきが思いの外よかった。
そして私はちょっぴりの打算を元にとある“お願い”をした。
「その“お願い”っていうのがそれか」
「そっ、この「あっくとるぅちゃんのぼうけん」ね」
「キャラクターの名前に凄まじいデジャブを感じるんだが……」
「気の所為だよ、あっくん」
「絶っ対わざとだろ!!」
テッテレテッテテーっと、私が誇らしげに掲げたのは可愛らしい二匹の猫のイラストが書かれた厚さ2.5cmほどの絵本だ。
わたし=さく
わたし=絵
出版は地元の書店。
さて、この経緯を詳しく説明するためには私の前世の話をしないといけないのでめちゃくちゃ長くなるぜ!!覚悟して読みたまえよ読者諸君!!
はじまりは中学生。
なんとなくノートに書いた短編小説が友人に見つかり無理やりなんちゃら賞に応募させられた。
どうせ直ぐに落選すると考えていたんだけど、なぜか最優秀賞に選ばれてしまいとある出版社から電話が掛かってきた。
そういしてやって来た担当編集者に煽られて調子にのった中学生の私は、短編小説を更に5本書いて優秀賞に選ばれた小説と合わせて出版。
これも身内だけしか買わないと思っていたんだけど、その年のベストセラーに選ばれて読書家達の話題を掻っ攫っていった。
更に調子に乗った私は長編のミステリー小説を出版。
これまたベストセラーに選ばれて巷でブイブイ言わせれるようになってしまった。
つまり、売れっ子作家になった訳なんですよ。
中学生を卒業して高校生になった所だって言うのに担当の編集者さんは「次は青春いきましょう」「人間関係ドロドロホラーとかどうせすか」「ところでうちの猫可愛くないですか?ボサツっていうんです」「やっぱミステリーもいいですよね」なんて次々仕事をもぎ取ってきた。
最初はひーこらひこーこら言って対応していた私だけど、高校を卒業するころには1日に最低1万字書かないとモヤモヤする体に開発()されてしまった。
恐るべき担当編集者さん………あの脳面のような笑みを思い出しただけで身震いする。
〆切日を伸ばして貰っても間に合わなかったときにアイアンメイデンに監禁されてパソコンに文字を打ったときは恐怖でしかなかった。
その恐怖が魂にまで染み付いていたのか、一度死んでも一日に2万字は書かないとモヤモヤする体質は治ることはなかった。ああ、恐ろしや。
転生してから5年。
最初は転生という事実に驚き過ぎて文字を書くどころではなかったのだけど、時間が経って慣れて来た頃にはあの恐怖を思い出して「1日に2万字は書きたい衝動」が抑えられなくなった。
だから苦肉の策として絵本を書くことにしたのだ。
いや、だって……まだ足元も覚束ない5歳児が急にドロドロの人間関係小説長編ホラーは書き出したら驚くじゃん。じゃあ、せめても可愛い絵本から始めようと思ったわけだ。
ドロドロの人間関係長編ホラーはもうちょっと成長してからね。
私が初めて書いた絵本をパパとママは褒めてくれたし、ルビーは自分がモデルになったことに大歓喜。アクアは「肖像権……」という目線を送ったけど、内容は面白いと褒めてくれた。
やったね。
ミヤコさんと社長もこりゃ金になるなと感じ取ったのか、書店に持ち込まれて私の名前のプロフィールを伏せたまま出版する運びとなった。
ちなみにペンネームはマライア。茉莉愛なので聖母マリアの名前が変形してできた名前にした。
安直すぎるけどまぁいいや。
そんな感じで、今世も緩く作家生活やっております。
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