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星野家長女は穏やかな生活がしたい

#7

嘘と黙秘は違うんだって

録画でアイのライブを繰り返しルビーと見ていたら、アクアが隣にやってきておっさん座りをしながらミルクを飲んだ。
相変わらず哺乳瓶でだ。




「本当にすごい熱量だな。マリアはNステからだけど、ルビーはいつ頃からファンをやってるんだ?」

「珍しいね前世の話なんて。お兄ちゃんはいつ頃?」

「質問に質問で返すなよ……。ファンと名乗っていいくらい推し始めたのは3年前かな。だけど、世界で一番アイを推してるまであるわ」

「へー大きく出たねお兄ちゃん。この私を差し置いて世界で一番推してるなんて。さぞ大層な理由なんでしょうね。言ってみてよ話半分に聞いてあげる」

 


売り言葉、買い言葉。
カチンと来たらしいアクアは前世の感動エピソードを聴かせてやることにしたらしい。

私は「おっ、これは前世バレifでは……?」という感じで見守ることにした。ミルク片手に。




「せんせぇ!?」

「さりなちゃん!?」




なんとビックリ、アクアはルビーの前世……天童寺さりなちゃんの担当医だったらしい。まぁゆるぅい原作知識で知ってたんだけど、生で聞くとやっぱり感動度合いが違うね。

あ〜ミルクが進むぜ。

アクアの前世……雨宮吾郎は私たちの出産に携わってくれた医者だったからね、いちおう感謝の印として今日のオヤツのクッキーを贈呈。

特に要らないという顔だったけど無理やり押し付けた。ごめんって、私も甘すぎるの苦手なの。


アクアは母さんともルビーとも前世で面識があるのに私だけ除け者で悲しい………。
まぁね、前世私は【推しの子】という物語の読者だった訳だし、面識ないのが当たり前なんだけど。




「せんせぇ好き!!結婚して!!」

「16になったら考えてやるよ」

「このやり取りも懐かしいにね………」

「そうだな……」




なんてしんみりと二人の世界に入るアクアとルビーからそっと離れたソファーから見守った。




「そういや、お姉ちゃんの前世ってどんなの?」




暫くアクアとルビーで話すと思っていたので突然話題を振られて戸惑った。
えぇ……私の前世かぁ。

君たちをずっと見守ってた読者ですって言う訳にもいかないので曖昧に暈すことにした。




「そーだなぁ……強いて言うなら本好きのオタク大学生って感じかな?あっ、バイトはしてたよ。安月給だったけど」

「ふーん」

「まぁ……ちょっと色々あってね、トラックに轢かれてぽっくり逝ったけど




あははと、乾いた笑をこぼせば二人は“色々”の部分をちょっと察して何も聞かなかった。

これぞ二人が転生者だからこそ出来る誤魔化し方!!嘘は言ってないけどね。

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

アンケートに答えてくだせぇ。これで私の今後の進退が決まるので。
フォームが無理だったら普通にコメントでも大丈夫です。

2024/11/11 17:52

三毛猫 ID:≫972W/z4G4BVy6
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