星野家長女は穏やかな生活がしたい
とてもザックリ結論から言うと、カミキヒカルがホワイトだった。ホワイト神木だった。
依存性も高いっちゃ高いしサイコパス味もあるけどなんだか、星野アイという存在を心底愛していて自分達は過去の傷があって、色々欠けてるけどそれでも私達を愛そうとする感じがする。
見た所は目に黒の星入ってないし多分、嘘はついてないのかな………?これが演技だって言われたら心底軽蔑するけど、まぁ仕方ないよね。
有識者が欲しい所だけど、前世の友人はいないし友人殿には私の夢垢と個人サイトを(検索履歴とブクマも)消すという重大な任務があるからアテにならない。
はてさて、どうしたものか……………
でもまァ、この人は嘘を付いていない気がする。
これは完全に私の勘だけど多分いける。前世から勘は鋭い方だったし、なんだろ?女の勘ってやつ?
取り敢えずいけるっしょ!!と、楽観的すぎる結論を出してテレビが見えるところで寝っ転がる。
テレビの前はママがNステに出るからって、アクアが陣取ってる。確か、アニメにもこんなシーンあったような。
「せっかくだの原作シーンだし、見れるもんは見とこうや」の精神で体を起き上がらせたのがダメだった。
『あなたのアイドル サインは〜[漢字]B[/漢字][ふりがな]ビー[/ふりがな]』
ライトを受けて伸びた影が、
揺れる赤い衣装が、
空中を舞う紫がかった黒髪が、
自信満々に開かれた目が、
挑発するように上がった唇が、
『chu♡』
こちらを真っ直ぐに射抜く綺羅星の瞳が、うつくしかった。
この感情になんと名前を付けるとするならなんだろう。
恋する?愛慕?恋慕? 恋慕?恋いしたう?いとおしがる?愛おしむ?愛寵?ほれ込む?恋愛?愛しがる?恋い慕う?愛す?思う?愛する?いとおしむ?想う?慕う?好く?傾慕?愛しむ?恋着?
違う、違うちがう。ぜんぶちがう。
これはそんな陳腐な感情じゃない!!!
これはもっと、短絡的で純粋で俗っぽくて、前世で多少蓄えた語彙力が消えていくこの衝動は……………
「推したい………!」
オタクの原点たる感情ではないか!!!
画面越しのママのパフォーマンスを脳裏に焼き付けるように見た。
手の上がり具合、ステップ、瞬きの回数まで一時も見逃さないようにテレビをガン見した。
そうしたらいつの間にかママのパフォーマンスは終わって、ルビーやアクアが隣にきていた。
いや、訂正。[漢字]私が二人の隣に来ていた[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・・[/ふりがな]。
ヤベぇな、星野アイ………積極性のレビュー星ゼロのインドア派を動かすとか流石過ぎる。
アニメとかだったら「わぁ、作画やっばこの子かわいいな〜」ぐらいの感覚だったのに、生で見たらスター性っていうかのかな?
ホントにあの目に惹きつけられた。
そもそもあのパフォーマンスが地上波で見れること自体間違ってるって、取り敢えず視聴料として5000億兆円は貢ぐ義務があると思う。
ルビーのアイへの熱量を聞き流しながら私は今後の方針について考える。
取り敢えず、何処かしらの臓器を売ってアイに貢ぐのは決定事項。
でもそれだけじゃ足りないからやっぱ宗教法人立ち上げるべきだね。宗教法人なら非課税だし合法的に貢げるし最高なのでは?私天才なのでは?
そうと決まればアクアかルビーに教祖をやっていただかなくて。
そう決意して、仲良くテレビでアイに萌える二人に近づいた。
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