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好き、恋、そして愛

#7


 言ってしまった。
 私は暁月葉音、たった今好きな人からの告白を断ってしまった。
 理由は明白、私の余命が後3ヶ月程度しかないからだ。
 この間、医者に言われた。

 『暁月さんは癌にかかっています。若いので進行が早く、もって…あと3ヶ月程度です。入院しても治る可能性は低いので、いっそ入院しないと言う手もありますが…。』

 あの日から、私は考えた。
 入院した方が万一の時安心だ。入院しないより長生きできる可能性もある。
 けれど…入院しても、楽しくはないだろう。
 学校にも通えないし、クラスメイトや友人たちに会うこともできない。
 もちろん…恋愛だって。
 好きな人を見て胸をときめかせる、幸せな時間を失うことになってしまう。
 それは嫌だから、私は入院しないという手を選んだ。

 なのに。

 まさか、好きな人から告白されてしまうだなんて。
 遠くから眺めているだけで満足だったのに、告白されてしまったら付き合いたいと思ってしまうではないか。
 欲求がどんどん高くなっていってしまうではないか。
 死にたくなくなってしまうではないか。
 だから、私は断った。
 本当は断りたくなかった。
 でも仕方がないんだ。
 自分を抑えるためには、仕方がなかったんだ______。

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作者メッセージ

切ない選択。
完結です。

2023/12/18 19:38

檸檬 ID:≫9tvY7vP3G1jVg
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