アメは、トコに恋をしていた。高校時代の同級生。爽やかで、いつも笑顔で、誰からも好かれるトコは、アメにとって眩しい存在だった。しかし、アメは想いを伝えられずにいた。臆病で、不器用な自分では、トコに届かないと諦めていたからだ。

ある日、アメはトコの親友であるテリから、トコが最近、元気がないことを聞く。「好きな人がいるみたいだけど、うまくいってないらしい」とテリは打ち明けた。その言葉に、アメの胸に何かが揺さぶられた。諦めかけていた気持ちに、微かな希望の火が灯った。

それからアメは、トコのために小さな行動を起こし始めた。トコが好きなソーダゼリーのレシピをネットで探して、手作りで贈ったり、トコが困っている時はさりげなく手伝ったりした。最初はぎこちなかったけれど、少しずつアメの行動にトコは気づき始めた。

ある雨上がりの午後、校庭でアメはトコと偶然出会う。トコは、いつもより少し弱々しく、雨に濡れた髪を手で押さえていた。「…アメ、ありがとう」と、トコは、これまでのアメの優しさに気づき感謝の言葉を口にした。その言葉に、アメは心臓がドキドキした。

それは、トコからの好意の言葉ではなかったかもしれない。でも、アメは、勇気を出して、自分の気持ちに正直になろうと決めた。トコが誰を好きか、その気持ちは今はまだ分からなくても、アメは諦めずに、トコとの距離を縮めていこうと決意した。


一方、テリは、アメの行動を見ていた。そして、アメのトコへの想いに気づいていた。テリは、トコが実はアメの事を気にかけている事に気づき、二人を近づけようと、ある計画を企て始める。それは、アメとトコが二人きりになれる機会を作る、秘密の作戦だった。ソーダゼリーが、その計画の重要な役割を担うことになる。テリは、アメが作ったソーダゼリーを、トコにさりげなく届ける計画を立てていた。 諦めずに、二人の恋を応援するテリの、温かい友情の物語も同時に進行していく。