光輝く影
#1
沙美奈。これが私の名前だ。
ひらがなではさみなと読む。友達はみんな呼びにくいからといって美奈ちゃんと呼んでくる。
お母さんだって美奈と呼んでくる。
なんで私にこんな読みにくい名前をつけたのだろう。
一度気になってお母さんに聞いたことがある。
実は私の名前はもともと美奈の予定だったのだ。
でもお母さんからしておばあちゃん。私からしたらひいおばあちゃんが自分の沙を受け継いで欲しいと言ったのだ。
なのでお母さんとお父さんがひいおばあちゃんがあまりにも「私を殺してもええからわしゃの孫の娘に沙を受け継いで欲しいんや」
と言うほどの有様だったので、お母さんは私の予定の美奈と言う名前に沙をつけたと言っていた。でもお母さんやお父さん。そして私の友達は美奈と呼んでくれる。
その名前をきっかけに先生にいじられるなんて思いもしなかった。
* *
私は六年生だ。担任の先生は新米先生。まだ二十三歳の若者だ。
イケメンだと全校生徒に人気だった。
去年は四年生の担任の先生をしていた。
言えば二年目だ。
先生はよく冗談を言って授業を楽しませてくれるしイケメン!最高!と先生が担任の先生になった時は最初に思っていた。
それは最初に自己紹介した時に変わった。
「阿尾 沙美奈です。 本を読むのが好きです。」
と私が言った時だった。
先生がなんと
「阿尾 沙美奈? 本を読むような暗い性格の子向けの名前だね」
と先生が冗談で言ったのだ。
先生やみんなからしたらちょっとした冗談のつもりだったのかも知れないけれど私はそのとき傷ついた。
それから先生はちょっとしたことだったけれど私に何か冗談を言ってみんなを笑かしていた。
そう。私からしたら先生はみんなを笑わせるための手段だった。一回、先生に反論しに行ったことがある。
「先生。いつも私が傷つくことを言うのをやめてください。」
しかし、先生は
「たまに冗談を言っているだけだろ。」
と言って相手にしてもらえなかった。
それから私はちょっとずつ学校に行けなくなった。
お母さんは
「美奈。何かあったの?誰かがいじめてきたの?」
と相変わらず心配してくる。
けど私はその度に思う。
それどころじゃない。
先生がみんなを使って私を笑いものにしようとしている。
けれどその言葉が私の口から出てくることはなかった。
言えなかったのだ。
* *
学校に行けなくなってずいぶん経った。
あれから先生は一度も私の家に訪問に来ていない。
逆にきてほしくない。
そう思い、過ごしていたある日こと。
お母さんが
「先生が何があったのか聞きにくるって」
と言ったのだ。
その瞬間私の中から怒りが込み上げてきた。
もちろんその怒りはお母さんにではなく先生に。
は?何があったって?あんたが私の心を傷つけた張本人のくせに何があったなんて?
私はお母さんに
「そう。でも私は絶対会わない」
といい、お母さんの返事を聞く前にさっさと二階にある自分の部屋に駆け込んだ。
その日は夕方だったと言うのに夜ご飯の時間までぐっすりと眠れた。
目をさめると先生の話し声が聞こえた。
私はこっそり一回に降りて扉越しに話を聞いた。
「と言うことは突然学校に行けなくなったと」
先生が言った。
「そうなんですよ、先生は何かご存知で?」
お母さんが言う。
すると先生が言った
「私は全く知りませんね」
私はそのとき、私の中で何かがプチンと切れたような気がした。
私の意識がどんどんと離れてゆく、もう……いやだ…それが最後に思ったことだった。
目を覚ますとそこはベットだった。
さっきのことを思い出す。
私…さっき先生の話し声を聞いて意識を失いそうになりながらもベットまで辿り着いたんだ。
その時、さすが私!と謎に自信がついた。
でも…。私はさっきのことを思い出すと、また怒りのせいで意識を失いそうなのでやめておいた。その時、お母さんが階段を上がってくる音が聞こえた。
「美奈」
お母さんは部屋に入ってきていった。
「先生は美奈がなぜ学校に来れなくなったのかが全くわからないんだって。だから美奈に聞いておいて欲しいって先生が言ってたよ。」
私はまたさっきの怒りを思い出した。
「私は全く知りませんね。」
私は適当に誤魔化した。
「ん〜なんて言うかな。学校に行く前なにもされてないのにお腹が急に痛くなるのが続いてさ。それで学校に行けなくなったの」
まあ言っていることは嘘ではない。確かに不登校になる前は学校に行く前に急にお腹が痛くなっていた。
お母さんは安心そうに言った。
「なら誰かに嫌なことをされたとか、いじめられたとかではなさそうね。よかったはお母さんすごく心配してたのよ。それぐらいならもうすぐで学校に行けるわね。よかった。じゃあお母さん下でご飯の準備してるから後五分ぐらいで降りてきてね」
「はーい」
そういえば。私は思った。明日あのフリースクールに行ってみようかな。
明日の朝。
「お母さん。おはよう」
「おはよう美奈。」
「ねえお母さん」
私は勇気を振り絞って言う。
「今日。フリースクールに言ってみたいからお弁当を作ってくれない?」
するとお母さんはすごくびっくりしていた。けれど嬉しそうだった。
「なら今日のお弁当は美奈が好きなビビンバのどんぶりにしましょうか」
「お母さんは仕事だから机にお弁当を作っておくわね、後九時に開門するから前登録さした住所に九時前に言ってね」
ならお母さん。後十分ぐらいで出るから。そう言ってお母さんは部屋を出て行った。
お母さんがいなくなった部屋ではしんとしていた。
でも少し、寝よう。そう思った私はまた寝ていた。
ひらがなではさみなと読む。友達はみんな呼びにくいからといって美奈ちゃんと呼んでくる。
お母さんだって美奈と呼んでくる。
なんで私にこんな読みにくい名前をつけたのだろう。
一度気になってお母さんに聞いたことがある。
実は私の名前はもともと美奈の予定だったのだ。
でもお母さんからしておばあちゃん。私からしたらひいおばあちゃんが自分の沙を受け継いで欲しいと言ったのだ。
なのでお母さんとお父さんがひいおばあちゃんがあまりにも「私を殺してもええからわしゃの孫の娘に沙を受け継いで欲しいんや」
と言うほどの有様だったので、お母さんは私の予定の美奈と言う名前に沙をつけたと言っていた。でもお母さんやお父さん。そして私の友達は美奈と呼んでくれる。
その名前をきっかけに先生にいじられるなんて思いもしなかった。
* *
私は六年生だ。担任の先生は新米先生。まだ二十三歳の若者だ。
イケメンだと全校生徒に人気だった。
去年は四年生の担任の先生をしていた。
言えば二年目だ。
先生はよく冗談を言って授業を楽しませてくれるしイケメン!最高!と先生が担任の先生になった時は最初に思っていた。
それは最初に自己紹介した時に変わった。
「阿尾 沙美奈です。 本を読むのが好きです。」
と私が言った時だった。
先生がなんと
「阿尾 沙美奈? 本を読むような暗い性格の子向けの名前だね」
と先生が冗談で言ったのだ。
先生やみんなからしたらちょっとした冗談のつもりだったのかも知れないけれど私はそのとき傷ついた。
それから先生はちょっとしたことだったけれど私に何か冗談を言ってみんなを笑かしていた。
そう。私からしたら先生はみんなを笑わせるための手段だった。一回、先生に反論しに行ったことがある。
「先生。いつも私が傷つくことを言うのをやめてください。」
しかし、先生は
「たまに冗談を言っているだけだろ。」
と言って相手にしてもらえなかった。
それから私はちょっとずつ学校に行けなくなった。
お母さんは
「美奈。何かあったの?誰かがいじめてきたの?」
と相変わらず心配してくる。
けど私はその度に思う。
それどころじゃない。
先生がみんなを使って私を笑いものにしようとしている。
けれどその言葉が私の口から出てくることはなかった。
言えなかったのだ。
* *
学校に行けなくなってずいぶん経った。
あれから先生は一度も私の家に訪問に来ていない。
逆にきてほしくない。
そう思い、過ごしていたある日こと。
お母さんが
「先生が何があったのか聞きにくるって」
と言ったのだ。
その瞬間私の中から怒りが込み上げてきた。
もちろんその怒りはお母さんにではなく先生に。
は?何があったって?あんたが私の心を傷つけた張本人のくせに何があったなんて?
私はお母さんに
「そう。でも私は絶対会わない」
といい、お母さんの返事を聞く前にさっさと二階にある自分の部屋に駆け込んだ。
その日は夕方だったと言うのに夜ご飯の時間までぐっすりと眠れた。
目をさめると先生の話し声が聞こえた。
私はこっそり一回に降りて扉越しに話を聞いた。
「と言うことは突然学校に行けなくなったと」
先生が言った。
「そうなんですよ、先生は何かご存知で?」
お母さんが言う。
すると先生が言った
「私は全く知りませんね」
私はそのとき、私の中で何かがプチンと切れたような気がした。
私の意識がどんどんと離れてゆく、もう……いやだ…それが最後に思ったことだった。
目を覚ますとそこはベットだった。
さっきのことを思い出す。
私…さっき先生の話し声を聞いて意識を失いそうになりながらもベットまで辿り着いたんだ。
その時、さすが私!と謎に自信がついた。
でも…。私はさっきのことを思い出すと、また怒りのせいで意識を失いそうなのでやめておいた。その時、お母さんが階段を上がってくる音が聞こえた。
「美奈」
お母さんは部屋に入ってきていった。
「先生は美奈がなぜ学校に来れなくなったのかが全くわからないんだって。だから美奈に聞いておいて欲しいって先生が言ってたよ。」
私はまたさっきの怒りを思い出した。
「私は全く知りませんね。」
私は適当に誤魔化した。
「ん〜なんて言うかな。学校に行く前なにもされてないのにお腹が急に痛くなるのが続いてさ。それで学校に行けなくなったの」
まあ言っていることは嘘ではない。確かに不登校になる前は学校に行く前に急にお腹が痛くなっていた。
お母さんは安心そうに言った。
「なら誰かに嫌なことをされたとか、いじめられたとかではなさそうね。よかったはお母さんすごく心配してたのよ。それぐらいならもうすぐで学校に行けるわね。よかった。じゃあお母さん下でご飯の準備してるから後五分ぐらいで降りてきてね」
「はーい」
そういえば。私は思った。明日あのフリースクールに行ってみようかな。
明日の朝。
「お母さん。おはよう」
「おはよう美奈。」
「ねえお母さん」
私は勇気を振り絞って言う。
「今日。フリースクールに言ってみたいからお弁当を作ってくれない?」
するとお母さんはすごくびっくりしていた。けれど嬉しそうだった。
「なら今日のお弁当は美奈が好きなビビンバのどんぶりにしましょうか」
「お母さんは仕事だから机にお弁当を作っておくわね、後九時に開門するから前登録さした住所に九時前に言ってね」
ならお母さん。後十分ぐらいで出るから。そう言ってお母さんは部屋を出て行った。
お母さんがいなくなった部屋ではしんとしていた。
でも少し、寝よう。そう思った私はまた寝ていた。
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