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二次創作
マルマルちゃんとバツバツ君

#55

嫉妬ちゃんと敬愛君

高校最後の大会は3位に終わった。

今までは補欠で試合に出ていないのに入賞したことを祝われて、全く嬉しくなかった。
でも、今回は違う。

たった1点だけど、ボールに2回しか触れていないけど。
それだけなのに、こんなにも嬉しく感じるなんて。
そんな思いを噛み締めながら観客席へ戻ると、


「●●、お疲れさん」


北が一番最初に話しかけてくれた。


「北……ありがとう!」


北の労いの言葉を素直に受け取ることができた。
それに続いて後輩たちも寄ってきた。


「●●先輩、最後の1本格好よかったです」


間に合わなかったけどね。


「先輩が引退するの寂しいです」

「先輩とバレーできてよかったです」


本当かな?


「●●先輩がいつも残ってサーブ練習しているの、知っていました」


誰にも見られていないと思っていたのに。

後輩たちは次々と思いの丈を話してくれた。
ふと、後輩の後ろに追いやられた北の方を見ると、何やらニコニコしていた。


「ちょっとごめんね」


後輩たちを掻き分けて北の元へと向かう。


「何、嬉しそうにしてるのよ」

「●●はやっぱり後輩に慕われているんやな」

「えっ……」


その言葉……。
体育館で一緒にボール拭きをしていたときに言われた言葉だ。
あのときは冗談だと思っていたのに、今なら本気だったことが分かる。

彼女たちは私をこんなにも慕ってくれている。

それなのに後輩にナメられていると思っていたなんて……。
もっと初めから素直な気持ちで彼女たちと接していれば、北にも嫉妬しなかったのかな。

嬉しさと悔しさの混ざった涙がこぼれた。


「うっ……っ……」

「見てる人はちゃんと見てんねん」


北は私が泣いている姿を隠すように、静かに頭にタオルを被せてくれた。




ーーFinーー

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作者メッセージ

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2024/11/22 21:21

edp ID:≫1twJnxLLHxnQU
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