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二次創作
マルマルちゃんとバツバツ君

#54

嫉妬ちゃんと敬愛君

大会当日。

男子バレーとは大会の日程がずれていたため、何人かの男子バレー部が応援に来てくれていた。
北もそのうちの1人。


「勝ち進んどるな」

「後輩が優秀なもので」


北がせっかく来てくれているのに、卑下した返ししか出来なかった。
だって本当のことだから。


「何が起こるか最後まで分からんよ」

「そうかな」


そんなことを言いつつも、私はもうじき始まる試合のためにストレッチをしている。

補欠なのに、なに一丁前にウォーミングアップなんかしてメンバー面してるのよ、と自分で自分を貶す。

ここまでの試合で私は1度だってコートに立っていない。
おそらくこの先も立つことはない。

そう思っていたのに……。

ほどなくして始まった試合。
なんとか食らいついているけれど厳しい戦いを強いられている。


「ドンマイ!ドンマイ!1本切っていこう!」


控え席で声援を飛ばすが聞こえているか分からない。
それほど、相手校の応援が大きかった。

そんな中、監督が控え席に向かって手招きをしていることに気が付いた。


「………私?」


自分を指差すと監督は頷く。
胸がザワザワする。

……。
…………。

そして、ボールが床に着いたとき、審判によってメンバーチェンジのアナウンスが行なわれた。

稲荷崎高校メンバーチェンジ
IN 1番 ○○

3ゲーム目 22-24

これを落とせば終わり。
こんな場面でピンチサーバーに駆り出されるなんて。
でも、コートに立てる。


「●●先輩、お願いします」

「うん」


入れ替わりのとき、後輩は歯を食いしばっていた。
まるで他にも何か言いたそうな。

こんな場面で交代させてしまったという罪悪感なのか、それとも最後までコートに立ちたいと言う悔しさからなのか。

だけど、そんなのはどっちでもいい。
今ボールを持っているのは私だから。
誰にも譲らない。

ボールを床に弾ませる。
うん、手に馴染む。
大きく深呼吸をし、ボールを上に投げた。

ああ、良い感じ……。


「っ!!」


ボールは勢いよく相手コートのラインギリギリに落ちた。


「ナイスサーブ!!」


もう1本……。あ、高く上げすぎた。

ボコッと鈍い音がしたボールは相手コートへ入ったものの、易々と取られた。


「ワンチッ」


スパイクをブロックしたが弾かれたボールが明後日の方角へと飛んで行く。

もうダメかも………なんて言いたくない!
必死にボールを追いかけた。

けど汗で足を滑らせ、気づいたときにはボールは床に落ちていた。

このボタンは廃止予定です

2024/11/22 16:24

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