マルマルちゃんとバツバツ君
洋菓子店に着くとイートインスペースがあったので、せっかくだからここで食べながら勉強を教えて貰うことになった。
約束のシュークリーム2個と飲み物を2人分注文。
端から見たらシュークリーム1つずつ食べると思われてるんだろうな。
実際は月島君が2個とも食べるんだけど。
「それで、どこが分からないの?」
月島君はシュークリームを食べながら私が広げた教材を覗き込んできた。
「ここと………あと、ここ。それから……」
「全部教えるから一つずつ聞いて」
「あ、はい」
教えて貰えるのが嬉しすぎて先走ってしまった。
月島君は参考書を読みながらシュークリームと飲み物を嗜み、ときたま私の質問に答えてくれた。
ずっと見られると緊張してしまうので助かる。
前々から思っていたが月島君の教え方は上手で勉強が捗る。
家で一人でやっていたら恐らく分からないままだっただろう。
あと少しで切りがいいところで月島君のシュークリームと飲み物がなくなった。
「教えるのはここまででいいよね」
「ケーキ追加する?ドーナツは?」
「いらない」
ちぇっ!延長戦に持っていけなかった。
「じゃあ自分の分だけ注文してこよっと」
最悪残りは帰ってからでもできる。
私も一息つきたかったので、追加でケーキを注文することにした。
ショーケースの中身を吟味。全部美味しそう。
その中でも一際は輝くイチゴが乗ったのショートケーキに決めた。
席に戻ると月島君の視線がイチゴのショートケーキに向いていた。
「欲しがったら食べて良いからね」
「いらない」
口ではそんなことを言っているが、目は口ほどに物を言う。
そうだ。私はフォークに一口サイズのケーキを刺し、月島君に向けてあーんをした。
「美味しいよ?」
ま、どうせ食べないでしょうけどね。
そう思っていたのに、月島君は私の手首を掴み引き寄せたフォークから直接ケーキを食べた。
え、え、え~~~!!
「んま。………って、なんて顔してるのさ」
「いや、まさか食べてくれると思わなくて」
「………なんか、○○さんの前では僕のキャラが崩れる」
そうでしょうとも。私だってあーんが成功するなんて微塵も思っていなかったから。
これはもう、
「告白?」
「違う」
照れ隠しに眼鏡のレンズを拭く月島。
私は思わずスマホを取り出しシャッターを切っていた。
「は?何撮ってんの」
「眼鏡外した顔、初めて見たなーって」
「ちょっと事務所通してくれない?」
月島君って冗談も言える人なのか。
それならば、
「個人で楽しむからいいんですー」
冗談には冗談で返す。
「ふっ、なんだそれ」
月島君はくすっと笑った。
「その表情の方がいいよ」
「え?」
「だって学校ではずっとしかめっ面してるから」
笑ってた方が絶対にモテるのに。
常にとは言わないから。
あ、でもそんなことしたら女子生徒たちが群がって、私が話しかける機会が減るかも。
自ずと勉強を教えてもらう機会も減る。
それは困るかな。
「やっぱり、今まで通りでいいや」
「変なやつ。………ま、それは置いといて、この写真は消させてもらうから」
「あ」
下らないことを考えている内に、いつの間にか月島君にスマホを取られていた。
戻ってきたスマホからは先ほどの写真は跡形も失くなっていた。
約束のシュークリーム2個と飲み物を2人分注文。
端から見たらシュークリーム1つずつ食べると思われてるんだろうな。
実際は月島君が2個とも食べるんだけど。
「それで、どこが分からないの?」
月島君はシュークリームを食べながら私が広げた教材を覗き込んできた。
「ここと………あと、ここ。それから……」
「全部教えるから一つずつ聞いて」
「あ、はい」
教えて貰えるのが嬉しすぎて先走ってしまった。
月島君は参考書を読みながらシュークリームと飲み物を嗜み、ときたま私の質問に答えてくれた。
ずっと見られると緊張してしまうので助かる。
前々から思っていたが月島君の教え方は上手で勉強が捗る。
家で一人でやっていたら恐らく分からないままだっただろう。
あと少しで切りがいいところで月島君のシュークリームと飲み物がなくなった。
「教えるのはここまででいいよね」
「ケーキ追加する?ドーナツは?」
「いらない」
ちぇっ!延長戦に持っていけなかった。
「じゃあ自分の分だけ注文してこよっと」
最悪残りは帰ってからでもできる。
私も一息つきたかったので、追加でケーキを注文することにした。
ショーケースの中身を吟味。全部美味しそう。
その中でも一際は輝くイチゴが乗ったのショートケーキに決めた。
席に戻ると月島君の視線がイチゴのショートケーキに向いていた。
「欲しがったら食べて良いからね」
「いらない」
口ではそんなことを言っているが、目は口ほどに物を言う。
そうだ。私はフォークに一口サイズのケーキを刺し、月島君に向けてあーんをした。
「美味しいよ?」
ま、どうせ食べないでしょうけどね。
そう思っていたのに、月島君は私の手首を掴み引き寄せたフォークから直接ケーキを食べた。
え、え、え~~~!!
「んま。………って、なんて顔してるのさ」
「いや、まさか食べてくれると思わなくて」
「………なんか、○○さんの前では僕のキャラが崩れる」
そうでしょうとも。私だってあーんが成功するなんて微塵も思っていなかったから。
これはもう、
「告白?」
「違う」
照れ隠しに眼鏡のレンズを拭く月島。
私は思わずスマホを取り出しシャッターを切っていた。
「は?何撮ってんの」
「眼鏡外した顔、初めて見たなーって」
「ちょっと事務所通してくれない?」
月島君って冗談も言える人なのか。
それならば、
「個人で楽しむからいいんですー」
冗談には冗談で返す。
「ふっ、なんだそれ」
月島君はくすっと笑った。
「その表情の方がいいよ」
「え?」
「だって学校ではずっとしかめっ面してるから」
笑ってた方が絶対にモテるのに。
常にとは言わないから。
あ、でもそんなことしたら女子生徒たちが群がって、私が話しかける機会が減るかも。
自ずと勉強を教えてもらう機会も減る。
それは困るかな。
「やっぱり、今まで通りでいいや」
「変なやつ。………ま、それは置いといて、この写真は消させてもらうから」
「あ」
下らないことを考えている内に、いつの間にか月島君にスマホを取られていた。
戻ってきたスマホからは先ほどの写真は跡形も失くなっていた。
このボタンは廃止予定です