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マルマルちゃんとバツバツ君

#45

おバカちゃんと甘党君

月島君は部活前後にチームメイトに勉強を教えているようで、私には休み時間に教えてくれた。

ガッツリ長い時間は取れなくとも、そこそこ一緒に勉強できた。

そうこうしている内にテスト期間に入った。
初日の科目はまずまず。

だけど明日の教科は自信がないから帰ってから念入りに復習しないと。
私は帰り支度を済ませた。


「○○さん」


帰ろうとしたら月島君に話しかけられた。


「何、月島君?」

「今日、この後予定ある?」

「帰ってテスト勉強するだけだけど……」


だから早く帰りたい。


「それなら、洋菓子店に行かない?」

「え、え」

「ほら、テスト終わるとお互い部活始まって予定合わせられないデショ」


なんだ、例の駅前の洋菓子店か。
一瞬デートのお誘いかと思ったけど、そう言う理由ね。


「ちょっと待って」


私は月島君に背を向けて財布の中身をチェックした。
そう言えばお小遣いが入ったばかりだった。
うん、大丈夫。グッバイ、私のお小遣い。

月島君の方に向きを戻すと、月島君は山口君と喋っていた。


「ツッキー!ケーキ屋に行くの?」

「うるさい山口」

「ごめんツッキー☆」


言葉とは裏腹にしょんぼりした顔の山口君。
もうシュークリーム代渡すから山口君と行けばいいのに。
それなのに、月島君は再度私に行けるか確認をしてきた。


「大丈夫、行けるよ」

「それじゃ、校門前で待ってて」


月島君は一度部室に寄ると言うので、先に校門の前で待つことにした。

部活がないから多くの生徒が一斉に校門をくぐって帰路につく。

なんだかソワソワする。


「お待たせ、行くよ」

「はい!」


早く帰りたいと思っていたのに、洋菓子店へ向かう足取りは軽かった。

並んで歩くと身長差が際立つ。
それなのに長い脚をお持ちの月島君は私に歩調を合わせてくれた。
優しいところがあるじゃん。

なんだか付き合っているみたい、なんて思ったのは内緒。

このボタンは廃止予定です

2024/11/18 23:17

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