マルマルちゃんとバツバツ君
部活が終わると普段は友達と帰る。
だけど今日は、
「ごめんね、今日は木兎と帰るから」
両手を合わせて2人の友達に謝った。
「相変わらずラブラブだねー!」
「オッケー!また明日ね!」
「あはは……」
私がこれからしようとしていることを考えたら、果たしてラブラブなのか疑わしくて苦笑いが出る。
友達を見送ると、私は男子バレー部が使っている第三体育館の近くで終わるのを待った。
いつも自主練をする木兎。
今日は何時までやるのかな?
私と木兎の根気合戦だ。
ーーーー
待っている間、出された課題をこなしていると、体育館からモップがけの音が聞こえてきた。
今日はいつもより早く終わったみたい。
課題が終わる前に部活の方が先に終わってしまった。
急いで勉強道具を片付けて更衣室の近くへ移動する。
待っていると、
「もっとスパイク打ちたかったのにー!」
と、不服そうな木兎が出てきた。
「いや、だって木兎さん……気付いていないんですか?」
よく一緒にいる後輩君が木兎に何かを伝えようとしていた。
しかし、話の途中で木兎が私に気が付いた。
「●●じゃん!なんで!なんで!待っててくれたの?!」
「部活お疲れ様」
「めっちゃ嬉しい!久しぶりに一緒に帰れるな!」
先程の不服そうな木兎は何処へやら。
急に機嫌が良くなった。
そんな木兎の後ろで困り顔の後輩がペコリとお辞儀をしてくれた。
きっと、彼は私が待っていることに気が付いて、いつもより早めに自主練を終わらせてくれたんだ。
って、感心している場合ではない。
今日はとあることを実行したくて珍しく待っていた。
「頑張ったご褒美にコレあげる」
「サンキュー!」
私は先程自販機で購入したカップのホットコーヒーを手渡す………フリをしてワザと溢した。
「わぁっ!」
「あっっっっっつ!」
熱がる木兎。
真っ白なジャージに広がる茶色い染み。
自分でやっておいて心が傷んだ。
ごめん、木兎。本当にごめんね。
心の中で何度も謝った。
しかし木兎は、
「●●は火傷しなかったか?ごめんな、俺がしっかり受け取れなくて」
「……」
なんで?悪いのは私なのに、なんで木兎が謝るの?
「かかっては……なさそうだな、良かったー!」
私の手を掴んで確認してきた木兎。
なんで私の心配なんかするの?
「ごめん、木兎。用事があるの忘れてたから、やっぱり一人で帰る」
「え、暗いし送るよ!」
「いい!来ないで!」
私はいたたまれなくて、木兎を振り切って1人で帰ろうとした。
だけど、部活終わりで疲れているとは思えない木兎に途中まで追いかけられた。
体力お化けじゃん!諦めてよ!
そして、なんとか信号で振り切った。
それでも横断歩道越しに、
「気を付けて帰れよ!」
と、笑顔で手を振ってくる木兎。
本当に最後まで優しいんだから。
別れたらこの優しさは全て永瀬カレンさんに向けられるのかな。
そう思ったら涙が出てきた。
木兎に意地悪をするのも耐えられないし、別れるのもツラい。
やっぱりちゃんと話しておかないといけないと思った。
だけど今日は、
「ごめんね、今日は木兎と帰るから」
両手を合わせて2人の友達に謝った。
「相変わらずラブラブだねー!」
「オッケー!また明日ね!」
「あはは……」
私がこれからしようとしていることを考えたら、果たしてラブラブなのか疑わしくて苦笑いが出る。
友達を見送ると、私は男子バレー部が使っている第三体育館の近くで終わるのを待った。
いつも自主練をする木兎。
今日は何時までやるのかな?
私と木兎の根気合戦だ。
ーーーー
待っている間、出された課題をこなしていると、体育館からモップがけの音が聞こえてきた。
今日はいつもより早く終わったみたい。
課題が終わる前に部活の方が先に終わってしまった。
急いで勉強道具を片付けて更衣室の近くへ移動する。
待っていると、
「もっとスパイク打ちたかったのにー!」
と、不服そうな木兎が出てきた。
「いや、だって木兎さん……気付いていないんですか?」
よく一緒にいる後輩君が木兎に何かを伝えようとしていた。
しかし、話の途中で木兎が私に気が付いた。
「●●じゃん!なんで!なんで!待っててくれたの?!」
「部活お疲れ様」
「めっちゃ嬉しい!久しぶりに一緒に帰れるな!」
先程の不服そうな木兎は何処へやら。
急に機嫌が良くなった。
そんな木兎の後ろで困り顔の後輩がペコリとお辞儀をしてくれた。
きっと、彼は私が待っていることに気が付いて、いつもより早めに自主練を終わらせてくれたんだ。
って、感心している場合ではない。
今日はとあることを実行したくて珍しく待っていた。
「頑張ったご褒美にコレあげる」
「サンキュー!」
私は先程自販機で購入したカップのホットコーヒーを手渡す………フリをしてワザと溢した。
「わぁっ!」
「あっっっっっつ!」
熱がる木兎。
真っ白なジャージに広がる茶色い染み。
自分でやっておいて心が傷んだ。
ごめん、木兎。本当にごめんね。
心の中で何度も謝った。
しかし木兎は、
「●●は火傷しなかったか?ごめんな、俺がしっかり受け取れなくて」
「……」
なんで?悪いのは私なのに、なんで木兎が謝るの?
「かかっては……なさそうだな、良かったー!」
私の手を掴んで確認してきた木兎。
なんで私の心配なんかするの?
「ごめん、木兎。用事があるの忘れてたから、やっぱり一人で帰る」
「え、暗いし送るよ!」
「いい!来ないで!」
私はいたたまれなくて、木兎を振り切って1人で帰ろうとした。
だけど、部活終わりで疲れているとは思えない木兎に途中まで追いかけられた。
体力お化けじゃん!諦めてよ!
そして、なんとか信号で振り切った。
それでも横断歩道越しに、
「気を付けて帰れよ!」
と、笑顔で手を振ってくる木兎。
本当に最後まで優しいんだから。
別れたらこの優しさは全て永瀬カレンさんに向けられるのかな。
そう思ったら涙が出てきた。
木兎に意地悪をするのも耐えられないし、別れるのもツラい。
やっぱりちゃんと話しておかないといけないと思った。
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