マルマルちゃんとバツバツ君
部活が終わり、帰ろうとしたとき。
第二体育館の明かりが点いていることに気が付いた。
なんとなく中を覗くと、古森君と佐久早君が居残り練習をしていた。
佐久早君とはクラスが一緒になったことないけれど、ナオちゃん曰く全国3本指に入るほどのスパイカーだけれど、潔癖症で面倒くさい性格たと聞いたことがある。
そんな佐久早君の練習に付き合うとか、やっぱり古森君は世話焼きだ。
そう思うと同時に自分だけが特別でないことが分からされた。
勘違いをしちゃって恥ずかしい。
急いでその場を離れようとしたら、体育館からバレーボールが飛んできて、私の顔ギリギリを横切った。
「!?」
当たっていたらタダでは済まなかっただろう。
「すみません!……って○○さん!?」
体育館から慌てた様子の古森君が出てきた。
「大丈夫だった?」
「うん、間一髪」
そう言って私は転がったバレーボールを拾い上げて古森君の方に投げた……はずだったのに、ボールは私の真上に飛んだかと思えばそのまま垂直落下。
見事、私の頭に直撃。
「痛っ!」
「○○さん!?」
せっかく飛んできたボールに当たらずに済んだのに、まさか自分が投げたボールに当たってしまうとは。
不器用にも程がある。
「大丈夫だから!見なかったことにして……」
恥ずかしくてまともに古森君の顔が見られない。
「う、うん。何も見てないから」
自分から見なかったことにして、と言っておいて気を遣わせたことに心苦しくなった。
「その代わりに……」
古森君は体育館に一度戻ると、
「聖臣!友達待たせているから先に帰るわ」
待たせている?
そんな約束をした覚えはない。
だけど、そんなことはお構いなしに、古森君は荷物をまとめて出てきた。
「途中まで一緒に帰らない?」
気遣ってもらったからそれくらいは、
「いいけど……練習は良かったの?」
「あーうん。あいつに付き合うと際限ないから」
そうなんだ。
なんだか古森君を取っちゃったみたいで、佐久早君に申し訳なくなった。
って、違う違う。
古森君は誰にでも優しいから。
「着替えてくるから校門で待ってて」
「うん」
校門に行くと、先に帰ったと思ったナオちゃんがスマホを弄りながら立っていた。
「ナオちゃん、帰ったんじゃなかったの?」
「彼氏を待ってるの。●●こそどうしたの?」
「私も色々あって古森君と帰ることに」
「へぇ〜、やっぱり古森、●●に気があるんじゃない?」
部活の休憩中に余計なことを言ったせいで、ナオちゃんが勘違いをしている。
古森君のためにも訂正しないと。
「古森君はそんなんじゃないよ。だって佐久早君にも世話を焼いていたから」
「それは佐久早が……」
「ナオ!!」
ナオちゃんが話している途中で、彼女を呼ぶ男性の声が校外から聞こえた。
他校の制服を着た男子生徒が手を振りながらこちらへ向かってくる。
「あれ私の彼氏。じゃあ、もう行くね」
「あ、うん。また明日」
ナオちゃんは何を言いかけたんだろう。
彼氏さんと仲良く歩いている後ろ姿を見送りながら考えていると、着替え終わった古森君が駆け寄ってきた。
「○○さん、お待たせ。帰ろうか」
「うん!」
傍から見たら、私もナオちゃんたちみたいに付き合っているように見えるのかな。
心のどこかでそうだといいな、と思う私がいた。
第二体育館の明かりが点いていることに気が付いた。
なんとなく中を覗くと、古森君と佐久早君が居残り練習をしていた。
佐久早君とはクラスが一緒になったことないけれど、ナオちゃん曰く全国3本指に入るほどのスパイカーだけれど、潔癖症で面倒くさい性格たと聞いたことがある。
そんな佐久早君の練習に付き合うとか、やっぱり古森君は世話焼きだ。
そう思うと同時に自分だけが特別でないことが分からされた。
勘違いをしちゃって恥ずかしい。
急いでその場を離れようとしたら、体育館からバレーボールが飛んできて、私の顔ギリギリを横切った。
「!?」
当たっていたらタダでは済まなかっただろう。
「すみません!……って○○さん!?」
体育館から慌てた様子の古森君が出てきた。
「大丈夫だった?」
「うん、間一髪」
そう言って私は転がったバレーボールを拾い上げて古森君の方に投げた……はずだったのに、ボールは私の真上に飛んだかと思えばそのまま垂直落下。
見事、私の頭に直撃。
「痛っ!」
「○○さん!?」
せっかく飛んできたボールに当たらずに済んだのに、まさか自分が投げたボールに当たってしまうとは。
不器用にも程がある。
「大丈夫だから!見なかったことにして……」
恥ずかしくてまともに古森君の顔が見られない。
「う、うん。何も見てないから」
自分から見なかったことにして、と言っておいて気を遣わせたことに心苦しくなった。
「その代わりに……」
古森君は体育館に一度戻ると、
「聖臣!友達待たせているから先に帰るわ」
待たせている?
そんな約束をした覚えはない。
だけど、そんなことはお構いなしに、古森君は荷物をまとめて出てきた。
「途中まで一緒に帰らない?」
気遣ってもらったからそれくらいは、
「いいけど……練習は良かったの?」
「あーうん。あいつに付き合うと際限ないから」
そうなんだ。
なんだか古森君を取っちゃったみたいで、佐久早君に申し訳なくなった。
って、違う違う。
古森君は誰にでも優しいから。
「着替えてくるから校門で待ってて」
「うん」
校門に行くと、先に帰ったと思ったナオちゃんがスマホを弄りながら立っていた。
「ナオちゃん、帰ったんじゃなかったの?」
「彼氏を待ってるの。●●こそどうしたの?」
「私も色々あって古森君と帰ることに」
「へぇ〜、やっぱり古森、●●に気があるんじゃない?」
部活の休憩中に余計なことを言ったせいで、ナオちゃんが勘違いをしている。
古森君のためにも訂正しないと。
「古森君はそんなんじゃないよ。だって佐久早君にも世話を焼いていたから」
「それは佐久早が……」
「ナオ!!」
ナオちゃんが話している途中で、彼女を呼ぶ男性の声が校外から聞こえた。
他校の制服を着た男子生徒が手を振りながらこちらへ向かってくる。
「あれ私の彼氏。じゃあ、もう行くね」
「あ、うん。また明日」
ナオちゃんは何を言いかけたんだろう。
彼氏さんと仲良く歩いている後ろ姿を見送りながら考えていると、着替え終わった古森君が駆け寄ってきた。
「○○さん、お待たせ。帰ろうか」
「うん!」
傍から見たら、私もナオちゃんたちみたいに付き合っているように見えるのかな。
心のどこかでそうだといいな、と思う私がいた。
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