マルマルちゃんとバツバツ君
授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、私は背伸びをした。
直ぐに帰りたいけど、今日は授業で分からない箇所があったから、後で職員室に行って質問でもしてこようかな。
ホームルームで先生の連絡事項が話し終わると同時に教室の扉がガラッと開いた。
「及川君、迎えに来たよ!」
及川君をクレープに誘った女子生徒が入ってきた。
さっさとこの及川君を連れていくなり煮るなり好きにすればいい。
それなのに、
「ごめんね、アリサちゃん。やっぱり足が完治するまで安静にしたいから、治ったら遊びに行こう?」
申し訳なさそうに両手を合わせて謝る及川君。
意外だった。
約束した段階では行く気満々のように見えたのに、どういう心境の変化だろう。
「うー、絶対だからね!」
不服そうな彼女に手をヒラヒラと振り見送った及川君は断ったぞ、と言わんばかりの顔をして私の方を見てきた。
「………」
そんな顔をされても……。
別に及川君が誰とどこで遊ぼうが勝手。
だけど、少しだけ嬉しと思ってしまった。
……嬉しい?なんで?
「●●ちゃん、喜びが隠しきれてないよ」
「えっ……!」
嘘、無意識に口角が上がってた?
私は急いで両手で口元を隠した。
「うっそー」
及川君は軽く舌をベーッと出し、教室を出ていった。
謀ったな、悔しい。
だけど、怒る気にもなれなかった。
及川君に特別な感情なんて持っていない……はずなのに、あの顔は反則でしょう。
体温が上がるのが分かった。
今、絶対に顔が赤くなっている。
職員室に行こうと思っていたのに、この顔の火照りがおさまるまで、席から動けないでいた。
直ぐに帰りたいけど、今日は授業で分からない箇所があったから、後で職員室に行って質問でもしてこようかな。
ホームルームで先生の連絡事項が話し終わると同時に教室の扉がガラッと開いた。
「及川君、迎えに来たよ!」
及川君をクレープに誘った女子生徒が入ってきた。
さっさとこの及川君を連れていくなり煮るなり好きにすればいい。
それなのに、
「ごめんね、アリサちゃん。やっぱり足が完治するまで安静にしたいから、治ったら遊びに行こう?」
申し訳なさそうに両手を合わせて謝る及川君。
意外だった。
約束した段階では行く気満々のように見えたのに、どういう心境の変化だろう。
「うー、絶対だからね!」
不服そうな彼女に手をヒラヒラと振り見送った及川君は断ったぞ、と言わんばかりの顔をして私の方を見てきた。
「………」
そんな顔をされても……。
別に及川君が誰とどこで遊ぼうが勝手。
だけど、少しだけ嬉しと思ってしまった。
……嬉しい?なんで?
「●●ちゃん、喜びが隠しきれてないよ」
「えっ……!」
嘘、無意識に口角が上がってた?
私は急いで両手で口元を隠した。
「うっそー」
及川君は軽く舌をベーッと出し、教室を出ていった。
謀ったな、悔しい。
だけど、怒る気にもなれなかった。
及川君に特別な感情なんて持っていない……はずなのに、あの顔は反則でしょう。
体温が上がるのが分かった。
今、絶対に顔が赤くなっている。
職員室に行こうと思っていたのに、この顔の火照りがおさまるまで、席から動けないでいた。
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