マルマルちゃんとバツバツ君
清掃の時間、掃き掃除をしやすいように椅子を上げて机を下げる。
そう言えば及川君は大丈夫かな?
チラッと横目で確認すると案の定苦戦していた。
見ていられなくて、気が付いたら声をかけていた。
「及川君」
「何、●●ちゃん?」
●●ちゃん………?
仲良くなくても下の名前で呼んでくる及川君に一瞬眉をしかめてしまった。
「机、私が下げるから置いておいて」
「え~悪いよ。野郎共にやらせるから」
ヘラヘラして断ってきたから、私は無理矢理にでも、
「隣の席のよしみだよ」
と言って速やかに自分の机を下げ、及川君の机にも手を掛けた。
「ありがとう。お礼にデーt」
「ココア」
「え?」
その先の言葉を言わせないように、食い気味に要望を伝えた。
及川君とデートをしようものなら、及川ファンの反感を買ってしまう。
それだけは避けたい。
だから私は代わりを提示した。
「足が治ったら自販機のココアを奢って」
「お安いご用よ」
及川君はドーンっと胸を叩いた。
その姿がなんだかお茶目で思わず笑っちゃいそうになった。
この日をきっかけに翌日から掃除の時間になると及川君の机も下げるようになった。
「及川君、机下げるね」
……あれ?
気合を入れて机を持ち上げると、昨日より軽かった。
教材をロッカーにでも戻したのだろうか。
そういう気遣いがモテる要因なんだろうな、と思った。
「ねえ、●●ちゃん。もし●●ちゃんがケガしたら言ってね。今度は俺が手伝うから」
本当に及川君は調子が良いんだから。
そんな事ばかり言うと、モテるを通り越して回りからチャラいと思われるよ。
「私、帰宅部だし。運動部の及川君と違ってケガする要素ないよ」
だけど、そんな気遣いを一刀両断する私も大概だと思う。
そう言えば及川君は大丈夫かな?
チラッと横目で確認すると案の定苦戦していた。
見ていられなくて、気が付いたら声をかけていた。
「及川君」
「何、●●ちゃん?」
●●ちゃん………?
仲良くなくても下の名前で呼んでくる及川君に一瞬眉をしかめてしまった。
「机、私が下げるから置いておいて」
「え~悪いよ。野郎共にやらせるから」
ヘラヘラして断ってきたから、私は無理矢理にでも、
「隣の席のよしみだよ」
と言って速やかに自分の机を下げ、及川君の机にも手を掛けた。
「ありがとう。お礼にデーt」
「ココア」
「え?」
その先の言葉を言わせないように、食い気味に要望を伝えた。
及川君とデートをしようものなら、及川ファンの反感を買ってしまう。
それだけは避けたい。
だから私は代わりを提示した。
「足が治ったら自販機のココアを奢って」
「お安いご用よ」
及川君はドーンっと胸を叩いた。
その姿がなんだかお茶目で思わず笑っちゃいそうになった。
この日をきっかけに翌日から掃除の時間になると及川君の机も下げるようになった。
「及川君、机下げるね」
……あれ?
気合を入れて机を持ち上げると、昨日より軽かった。
教材をロッカーにでも戻したのだろうか。
そういう気遣いがモテる要因なんだろうな、と思った。
「ねえ、●●ちゃん。もし●●ちゃんがケガしたら言ってね。今度は俺が手伝うから」
本当に及川君は調子が良いんだから。
そんな事ばかり言うと、モテるを通り越して回りからチャラいと思われるよ。
「私、帰宅部だし。運動部の及川君と違ってケガする要素ないよ」
だけど、そんな気遣いを一刀両断する私も大概だと思う。
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