マルマルちゃんとバツバツ君
青葉城西高校に通う3年生ヒロインちゃんと[漢字]及川徹[/漢字][ふりがな]おいかわとおる[/ふりがな]君のお話
~傍観者ちゃんとモテ男君~
隣の席の及川君はいわゆるイケメンと呼ばれる部類だ。
クラスが同じになったのは3年生だけだけど、噂はかねがね。
そんな及川君が足のケガをしたらしく、患部をガチガチに固定して登校してきた。
「おはよう、及川君。足大丈夫?」
必要最小限の会話しかしたことなかったけれど、こんな姿の及川君を無視するほど非道ではない。
思わず声を掛けると、私が話しかけたのが珍しいのか、及川君は一瞬だけ驚いた表情を浮かべた。
そして直ぐにいつもの笑顔を貼り付けて答えた。
「おはよう。うん、安静にしていれば来週には固定器具取れるらしいよ」
本人曰く膝関節捻挫らしい。
受験生だから勉強に支障が出る利き手じゃなくて足でよかったね、と思ったけど、
「そっか」
と素っ気ない返事しか出来なかった。
だって私たちは気さくな話しをする仲ではないから。
それなのに及川君は聞いてもいないのに、
「しばらく部活ができないのが嫌になる」
と嘆いていた。
そうか、及川君はバレー部の主将なんだっけ?
会話に一区切りついたところで、先ほどの言葉か、あるいはケガした姿を見たせいか、ここぞとばかりに遊びに誘う女子生徒たちが及川君を囲った。
「ねぇねぇ、及川君!部活はしばらくお休み?よかったら遊びに行こうよ」
「え~!抜け駆けズルい!私とも遊んで!」
モテる男は大変だね。
「皆落ち着いて。順番、順番。及川さんは逃げも隠れもしないよ」
私なら煩わしく思うのに、及川君は嫌な顔ひとつせず、むしろ満更でもない様子だった。
さっきまで部活ができなくて嫌になるって言っていたのに。
もうしばらくその様子を見ていても良かったけれど、彼女たちの邪魔になりそうだから、授業が始まるまでどこかに避難しておこうかな。
私は及川君と特別な関係になりたいとかはなく、ただ面白いから見ているだけで十分だった。
~傍観者ちゃんとモテ男君~
隣の席の及川君はいわゆるイケメンと呼ばれる部類だ。
クラスが同じになったのは3年生だけだけど、噂はかねがね。
そんな及川君が足のケガをしたらしく、患部をガチガチに固定して登校してきた。
「おはよう、及川君。足大丈夫?」
必要最小限の会話しかしたことなかったけれど、こんな姿の及川君を無視するほど非道ではない。
思わず声を掛けると、私が話しかけたのが珍しいのか、及川君は一瞬だけ驚いた表情を浮かべた。
そして直ぐにいつもの笑顔を貼り付けて答えた。
「おはよう。うん、安静にしていれば来週には固定器具取れるらしいよ」
本人曰く膝関節捻挫らしい。
受験生だから勉強に支障が出る利き手じゃなくて足でよかったね、と思ったけど、
「そっか」
と素っ気ない返事しか出来なかった。
だって私たちは気さくな話しをする仲ではないから。
それなのに及川君は聞いてもいないのに、
「しばらく部活ができないのが嫌になる」
と嘆いていた。
そうか、及川君はバレー部の主将なんだっけ?
会話に一区切りついたところで、先ほどの言葉か、あるいはケガした姿を見たせいか、ここぞとばかりに遊びに誘う女子生徒たちが及川君を囲った。
「ねぇねぇ、及川君!部活はしばらくお休み?よかったら遊びに行こうよ」
「え~!抜け駆けズルい!私とも遊んで!」
モテる男は大変だね。
「皆落ち着いて。順番、順番。及川さんは逃げも隠れもしないよ」
私なら煩わしく思うのに、及川君は嫌な顔ひとつせず、むしろ満更でもない様子だった。
さっきまで部活ができなくて嫌になるって言っていたのに。
もうしばらくその様子を見ていても良かったけれど、彼女たちの邪魔になりそうだから、授業が始まるまでどこかに避難しておこうかな。
私は及川君と特別な関係になりたいとかはなく、ただ面白いから見ているだけで十分だった。
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