マルマルちゃんとバツバツ君
「○○……!!」
「ぁ……っ!」
菅原君はガバっと私に抱きついてきた。
驚いたけれど、私も彼の背中に腕を回した。
鼻をくすめる菅原君の匂い、ふわっとした髪、温かな温もり。
ドクドクと心臓が速く動いていることが伝わってきた。
「って、ごめん、嬉しくてつい……」
「ううん。私も嬉しい」
「なあ、○○………キス、してもいいか?」
「えっ……」
ハグだけでもいっぱいいっぱいなのに、キスなんてしたら心臓がもたない。
「心の準備がまだ……」
宣言をされてしまうと尚更緊張していて身構えてしまう。
「分かった」
「ごめんね?」
「いや、大丈夫。……帰ろっか」
私たちは体を離して、帰路についた。
「……」
無言が続く。
キス、断らない方が良かったかな……?
だけど、準備ができていないんだから仕方がない。
……よしっ!
キスの代わりにはならないかもしれないけれど、私は勇気を振り絞って菅原君の手を握った。
「!?」
「あ、いきなりごめんね。キスはできないけど、代わりになったらなって……」
「いや、大丈夫……だけど、何ていうか……」
「?」
「はあぁ〜!」
菅原君は空を仰いで大きく息を吐いた。
ため息とはまた別の。
「なんか、油断させてキスしようとか考えていた俺が汚れているように思えてきた」
「え?……え?」
今何て言った?!油断させてキス?!
「ごめん。でも、もうしないから」
そんなにキスがしたいなら……。
「してもいいよ……」
「いやいや、本当にしないから安心して?」
そんなこと言ってするんじゃないの?と気が気ではなかったけれど、最寄り駅に着くまで本当に何もなかった。
「また明日ね」
離される手が名残惜しい。
「……」
「○○?」
あのね、私の“いいよ”の大半は“嫌よ”の意味があるけれど、さっきのは本当の意味の“いいよ”だったんだよ。
「菅原君っ!」
だから、私は菅原君の制服の袖を引っ張って顔を寄せた。
ーーFinーー
「ぁ……っ!」
菅原君はガバっと私に抱きついてきた。
驚いたけれど、私も彼の背中に腕を回した。
鼻をくすめる菅原君の匂い、ふわっとした髪、温かな温もり。
ドクドクと心臓が速く動いていることが伝わってきた。
「って、ごめん、嬉しくてつい……」
「ううん。私も嬉しい」
「なあ、○○………キス、してもいいか?」
「えっ……」
ハグだけでもいっぱいいっぱいなのに、キスなんてしたら心臓がもたない。
「心の準備がまだ……」
宣言をされてしまうと尚更緊張していて身構えてしまう。
「分かった」
「ごめんね?」
「いや、大丈夫。……帰ろっか」
私たちは体を離して、帰路についた。
「……」
無言が続く。
キス、断らない方が良かったかな……?
だけど、準備ができていないんだから仕方がない。
……よしっ!
キスの代わりにはならないかもしれないけれど、私は勇気を振り絞って菅原君の手を握った。
「!?」
「あ、いきなりごめんね。キスはできないけど、代わりになったらなって……」
「いや、大丈夫……だけど、何ていうか……」
「?」
「はあぁ〜!」
菅原君は空を仰いで大きく息を吐いた。
ため息とはまた別の。
「なんか、油断させてキスしようとか考えていた俺が汚れているように思えてきた」
「え?……え?」
今何て言った?!油断させてキス?!
「ごめん。でも、もうしないから」
そんなにキスがしたいなら……。
「してもいいよ……」
「いやいや、本当にしないから安心して?」
そんなこと言ってするんじゃないの?と気が気ではなかったけれど、最寄り駅に着くまで本当に何もなかった。
「また明日ね」
離される手が名残惜しい。
「……」
「○○?」
あのね、私の“いいよ”の大半は“嫌よ”の意味があるけれど、さっきのは本当の意味の“いいよ”だったんだよ。
「菅原君っ!」
だから、私は菅原君の制服の袖を引っ張って顔を寄せた。
ーーFinーー
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