マルマルちゃんとバツバツ君
帰り道の途中、公園を通りかかった。
すると、無言だった菅原君が口を開く。
「ちょっと寄っていかね?」
「いいよ」
誰もいない公園。
前日に雨が降ったせいか、地面はぬかるんでおり、土の湿った臭いがした。
そのため遊具も所々濡れた跡が残っている。
幸いにもベンチは乾いており、私たちはそこへ腰掛けた。
「最近暑くなってきたなー」
「そうだね」
この間まで桜が咲いていたのに、あっという間に夏休みに入りそうだ。
「何で助けてくれたの?って聞いたろ?」
「うん」
焦らされた答えがようやく聞けるようだ。
「それはな、○○のことが好きだから」
「わ、私……?」
「○○も俺と同じ気持ちなら付き合ってほしい」
不意打ちのような告白。
お喋りして笑った顔を見るだけで私は満足だったのに、願ってもみなかった菅原君からの告白は当たり前だが嬉しかった。
もちろん私の気持ちは決まっている。
だけど、私なんかでいいのだろうか。
そんな自信のなさからか“いいよ”と言うたった3文字が言えなかった。
いつもは嫌なお願い事ですら息を吐くように言えるのに。
「○○ってさ、頼まれ事されたらいつもいいよって返事するべ?」
「……」
「もし今回も嫌な気持ちを抑えて、無理やり付き合うことで丸く収めようとか考えているようなら、そんなことしなくていいから」
「そんなことっ!」
そんなことないのに……。
今回に限っては特に。
「断られる以上に無理やり付き合わせて、○○が悲しむのは嫌だから」
苦しそうな表情を浮かべる菅原君をこれ以上見ていられなかった。
だからこそ、これだけは先に聞かせてほしい。
そうしたらちゃんと返事をするから。
「なんで私なの?私と付き合ったって菅原君にメリットなんかないのに」
「俺、メリットがあるから○○と付き合いたい訳じゃないよ」
「じゃあなんで……!」
「そんなの、○○のことが好き以外の理由がある?」
「菅原君……」
ここまで言われて断るなんてできない。
大切にしていた胸の内をそっと打ち明けよう。
「私も……菅原君のことが好き。む、無理やりだとか、嫌々……とかじゃなくて、心の底から……好きです」
つっかえながらだけど、確かに言えた。
すると、無言だった菅原君が口を開く。
「ちょっと寄っていかね?」
「いいよ」
誰もいない公園。
前日に雨が降ったせいか、地面はぬかるんでおり、土の湿った臭いがした。
そのため遊具も所々濡れた跡が残っている。
幸いにもベンチは乾いており、私たちはそこへ腰掛けた。
「最近暑くなってきたなー」
「そうだね」
この間まで桜が咲いていたのに、あっという間に夏休みに入りそうだ。
「何で助けてくれたの?って聞いたろ?」
「うん」
焦らされた答えがようやく聞けるようだ。
「それはな、○○のことが好きだから」
「わ、私……?」
「○○も俺と同じ気持ちなら付き合ってほしい」
不意打ちのような告白。
お喋りして笑った顔を見るだけで私は満足だったのに、願ってもみなかった菅原君からの告白は当たり前だが嬉しかった。
もちろん私の気持ちは決まっている。
だけど、私なんかでいいのだろうか。
そんな自信のなさからか“いいよ”と言うたった3文字が言えなかった。
いつもは嫌なお願い事ですら息を吐くように言えるのに。
「○○ってさ、頼まれ事されたらいつもいいよって返事するべ?」
「……」
「もし今回も嫌な気持ちを抑えて、無理やり付き合うことで丸く収めようとか考えているようなら、そんなことしなくていいから」
「そんなことっ!」
そんなことないのに……。
今回に限っては特に。
「断られる以上に無理やり付き合わせて、○○が悲しむのは嫌だから」
苦しそうな表情を浮かべる菅原君をこれ以上見ていられなかった。
だからこそ、これだけは先に聞かせてほしい。
そうしたらちゃんと返事をするから。
「なんで私なの?私と付き合ったって菅原君にメリットなんかないのに」
「俺、メリットがあるから○○と付き合いたい訳じゃないよ」
「じゃあなんで……!」
「そんなの、○○のことが好き以外の理由がある?」
「菅原君……」
ここまで言われて断るなんてできない。
大切にしていた胸の内をそっと打ち明けよう。
「私も……菅原君のことが好き。む、無理やりだとか、嫌々……とかじゃなくて、心の底から……好きです」
つっかえながらだけど、確かに言えた。
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