マルマルちゃんとバツバツ君
「連絡は以上だな……」
帰りのホームルームが終わった。
だけど、いつもなら直ぐに教室から出ていくはずの担任が、今日は珍しく残っている。
まだ何か話があるのだろうか。
「それじゃあ、今日は予定していた通り教室のワックスがけをするから、机を廊下に出しておけよー!」
そう言えばそうだった。
教室掃除ではない私は関係ないと思ってすっかり忘れていた。
あのワックスの臭い、苦手なのよね。
本当に係じゃなくて良かった。
私は鞄を肩にかけてから、椅子を机の上に乗せて教室の外まで運んだ。
「ふぅー」
それにしても重かった。
余計な教材が机に入れっぱなしだからだ。
明日の朝、教室に運び入れるときのことを考えて、ロッカーに移しておこうかな。
机の中をゴソゴソとしていると、
「ねえ、○○さん」
後ろから甘ったるい声で名前を呼ばれた。
嫌な予感がする。
振り向きたくないけれど、無視する訳にもいかず、
「何かな?」
嫌々振り向くと、そこには教室掃除の担当の青井さんと井口さんがいた。
「私たち、前もワックスがけやったことあるんだけど、そのときにアレルギー症状出ちゃって」
「そうそう、シックスクール症候群だっけ?」
「だから、どうしてもワックスがけができないの〜」
「……」
後は言わなくても分かるよね、と言わんばかりの2人。
つまりは代わってくれってことだろう。
確かに私はワックスの臭いが苦手だけれど、アレルギーで体調を崩すわけではない。
嫌だけど……嫌だけど、ここは私さえ我慢すれば……。
「いい、」
「ちょっと、ごめんねー!」
「!?」
いつものようにいいよ、と言おうとしたら、菅原君が私たちの間に割って入ってきた。
「ほら○○、アレ頼まれてただろ?」
「アレ?」
菅原君は青井さんと井口さんの2人を無視して話しだした。
頼み事なら今まさにされているところだけれど……。
ひとまずワックスがけから逃れられるのであれば菅原君の話に乗っかってみよう。
「あ〜アレね、忘れてた。教えてくれてありがとう」
私は青井さんと井口さんの方に向き直した。
「そういう事だからごめんね」
「そっか〜……」
「分かった」
2人は渋々納得してくれた。
「じゃあ行こうか」
「うん」
私は菅原君の後ろに付いてその場を離れた。
帰りのホームルームが終わった。
だけど、いつもなら直ぐに教室から出ていくはずの担任が、今日は珍しく残っている。
まだ何か話があるのだろうか。
「それじゃあ、今日は予定していた通り教室のワックスがけをするから、机を廊下に出しておけよー!」
そう言えばそうだった。
教室掃除ではない私は関係ないと思ってすっかり忘れていた。
あのワックスの臭い、苦手なのよね。
本当に係じゃなくて良かった。
私は鞄を肩にかけてから、椅子を机の上に乗せて教室の外まで運んだ。
「ふぅー」
それにしても重かった。
余計な教材が机に入れっぱなしだからだ。
明日の朝、教室に運び入れるときのことを考えて、ロッカーに移しておこうかな。
机の中をゴソゴソとしていると、
「ねえ、○○さん」
後ろから甘ったるい声で名前を呼ばれた。
嫌な予感がする。
振り向きたくないけれど、無視する訳にもいかず、
「何かな?」
嫌々振り向くと、そこには教室掃除の担当の青井さんと井口さんがいた。
「私たち、前もワックスがけやったことあるんだけど、そのときにアレルギー症状出ちゃって」
「そうそう、シックスクール症候群だっけ?」
「だから、どうしてもワックスがけができないの〜」
「……」
後は言わなくても分かるよね、と言わんばかりの2人。
つまりは代わってくれってことだろう。
確かに私はワックスの臭いが苦手だけれど、アレルギーで体調を崩すわけではない。
嫌だけど……嫌だけど、ここは私さえ我慢すれば……。
「いい、」
「ちょっと、ごめんねー!」
「!?」
いつものようにいいよ、と言おうとしたら、菅原君が私たちの間に割って入ってきた。
「ほら○○、アレ頼まれてただろ?」
「アレ?」
菅原君は青井さんと井口さんの2人を無視して話しだした。
頼み事なら今まさにされているところだけれど……。
ひとまずワックスがけから逃れられるのであれば菅原君の話に乗っかってみよう。
「あ〜アレね、忘れてた。教えてくれてありがとう」
私は青井さんと井口さんの方に向き直した。
「そういう事だからごめんね」
「そっか〜……」
「分かった」
2人は渋々納得してくれた。
「じゃあ行こうか」
「うん」
私は菅原君の後ろに付いてその場を離れた。
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