この小説は夢小説です。
下のフォームに作者さんの指定した語句を入力してお読みください。

お名前設定

お名前変更フォーム

下記フォームに必要事項を入力し「登録」ボタンを押してください

あなたの名前
あなたの名字

文字サイズ変更

マルマルちゃんとバツバツ君

#24

気弱ちゃんと気遣い君

ある日の授業終わり。


「○○さーん!今日の水やり当番って私だっけ?」


同じ美化委員の長瀬さん。

人の当番の日まで把握していない私は予定表を取り出して確認した。


「えーっと、今日は……。そうだね、長瀬さんが当番になっているよ」

「あのね○○さん、お願いがあるんだけど……」


長瀬さんは申し訳無さそうに話を切り出してきた。
このパターンは大体予想がつく。


「飼っている猫ちゃんの調子が悪くて、すぐに帰りたいんだけど……。水やりお願いできないかな?」


ほら、やっぱり。

前回はインコちゃん、その前は亀ちゃんだって言っていたのに、長瀬さんのお家は色んなペットを飼っているんだね。

断ると嫌な顔をするから、私は決まってこう言う。


「いいよ」

「○○さん、ありがとう!今度お詫びするから!」

「気にしなくていいよ」


お詫びなんて口だけなの分かっているから。

長瀬さんは上機嫌で教室を出ていった。
ペットの調子悪いんじゃなかったの?
設定を忘れているよ。


「はぁ〜っ」


小さくため息を吐いてから花壇へと向かった。

用具室からホースを取り出して蛇口へと繋ぐ。
近いところから順々に花壇の水やりを始めた。


「ん〜ん〜」


吹奏楽部の演奏と運動部の掛け声を聞きながらしていると、あっという間に最後のエリア。

よし、最後はこの第2体育館のところ……。

水やりをしやすいようにホースをたぐり寄せる。

すると、体育館の扉がガラガラと開いた。
部活の休憩時間だろうか。
気にも止めずに水やりを続けていると、


「あ、○○じゃん!」

「え?」


この声は。
振り向くと体育館から顔を出した菅原君がいた。


「よっと」


菅原君は体育館を出て直ぐの2段しかないコンクリートの階段に腰掛けた。


「ついこの間も○○が水やりしているの見かけたけど、美化委員って忙しいんだな」

「ううん。今日の当番の子が都合悪いみたいだから代わったの」


正直長瀬さんにお願いされたときは嫌だと思ったけれど、菅原君と話せるなら代わって良かった。


「なんで断らないんだ?今日とかノートのときとか」


そんな私とは裏腹に、菅原君はちょっと不貞腐れたように尋ねてきた。

なんでって言われても……。


「引き受けて事が丸く収まるなら、その方が楽だから……かな?」


要は嫌われたくないのだ。


「ふーん」


納得していない様子の菅原君。


「あ、もちろん他の人が悲しんだり困ったりするお願いは断るけどね!」


苛めに加担するのも、屋上から飛び降りろ、なんておかしなことを言う人はいないけれど、それはさすがの私でも断る。


「俺は断らないことによって○○が悲しむ方が嫌だけどな」

「えっ……」


何て返せばいいのか分からず言葉に詰まらせていると、体育館の中から練習再開を知らせる声が聞こえてきた。


「そろそろ戻るわ」

「あ、うん」

「また明日学校でな」


菅原君はそれだけ言うと颯爽と体育館へ入っていった。

……さっきのってどういう意味だったんだろう。

このボタンは廃止予定です

2024/11/11 09:54

edp ID:≫8tLFDz0BK708c
続きを執筆
小説を編集
/ 39

コメント
[4]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL