マルマルちゃんとバツバツ君
「じゃあ、お前ら気を付けて帰れよー」
気怠げな先生の言葉と共にホームルームが終わった。
いそいそと帰り支度をしていると、
「○○さーん、お願いがあるんだけど。このノートを武田先生のところに持っていってくれない?」
佐藤さんと山田さんに渡されたクラス分の現代文と漢文のノート。
「私たち、ちょっと急ぎの用事があって、代わってもらえると助かるんだけど……。どうかな?」
私だって今日は塾の日だから早く帰りたかったのに。
そんなことを思いつつも、
「いいよ」
意志の弱い私は作り笑顔を貼り付けて引き受けた。
「やったあー!さすが○○さん!じゃあよろしくね」
そう言うと彼女たちはパタパタと教室から出ていってしまった。
残された大量のノート。
1回で運びきれるかな。
職員室に寄ったらついでに帰りたいから荷物も一緒に持った。
「よいしょっ」
うわぁ重たい……。
だけど、顎で押さえれば1回で運べるかも。
多少よろめきながらも運び出そうとしたところで、菅原君が話しかけてきた。
「あれ、○○って現国の係りだっけ?」
「違うけど、頼まれたから代わりに運ぼうと思って」
「ふ〜ん」
いつもなら話しかけてくれることが嬉しいけれど、重たいノートに加え荷物を持っている身、早く話を切り上げたかった。
そう思っていると、
「手伝うよ」
「え?」
菅原君は私の返事を聞く前にノートをひょいと奪い取った。
「わ、悪いよ……」
「武田先生のところでしょ?バレー部の顧問なんだよね。ちょうど用があったし、ついでだから気にしないで」
「ありがとう……」
早く話を切り上げたいなんて思ってごめんなさい。
心の中で菅原君に謝ると、改めて彼の優しさが染みた。
「ほら行くべ?」
「あ、待ってー!」
ーーーー
「はい、確かに受け取りました」
「失礼しました」
無事に先生のところまで届け、職員室を出た。
「じゃあ、俺は部活行くわ!またな、○○!」
「うん、本当にありがとう!」
菅原君と手を振って分かれた。
……あれ?
菅原君、武田先生に用があるって言っていたのに……。
私に気を遣わせないように嘘をついたの?
頭にはてなを浮かべながら昇降口へと向かった。
気怠げな先生の言葉と共にホームルームが終わった。
いそいそと帰り支度をしていると、
「○○さーん、お願いがあるんだけど。このノートを武田先生のところに持っていってくれない?」
佐藤さんと山田さんに渡されたクラス分の現代文と漢文のノート。
「私たち、ちょっと急ぎの用事があって、代わってもらえると助かるんだけど……。どうかな?」
私だって今日は塾の日だから早く帰りたかったのに。
そんなことを思いつつも、
「いいよ」
意志の弱い私は作り笑顔を貼り付けて引き受けた。
「やったあー!さすが○○さん!じゃあよろしくね」
そう言うと彼女たちはパタパタと教室から出ていってしまった。
残された大量のノート。
1回で運びきれるかな。
職員室に寄ったらついでに帰りたいから荷物も一緒に持った。
「よいしょっ」
うわぁ重たい……。
だけど、顎で押さえれば1回で運べるかも。
多少よろめきながらも運び出そうとしたところで、菅原君が話しかけてきた。
「あれ、○○って現国の係りだっけ?」
「違うけど、頼まれたから代わりに運ぼうと思って」
「ふ〜ん」
いつもなら話しかけてくれることが嬉しいけれど、重たいノートに加え荷物を持っている身、早く話を切り上げたかった。
そう思っていると、
「手伝うよ」
「え?」
菅原君は私の返事を聞く前にノートをひょいと奪い取った。
「わ、悪いよ……」
「武田先生のところでしょ?バレー部の顧問なんだよね。ちょうど用があったし、ついでだから気にしないで」
「ありがとう……」
早く話を切り上げたいなんて思ってごめんなさい。
心の中で菅原君に謝ると、改めて彼の優しさが染みた。
「ほら行くべ?」
「あ、待ってー!」
ーーーー
「はい、確かに受け取りました」
「失礼しました」
無事に先生のところまで届け、職員室を出た。
「じゃあ、俺は部活行くわ!またな、○○!」
「うん、本当にありがとう!」
菅原君と手を振って分かれた。
……あれ?
菅原君、武田先生に用があるって言っていたのに……。
私に気を遣わせないように嘘をついたの?
頭にはてなを浮かべながら昇降口へと向かった。
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