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マルマルちゃんとバツバツ君

#20

真面目ちゃんと不良君

てっきり部活前に連絡してくれるのかと思ったのに、授業が終わっても中々返事が来なかった。

本日2度目の1組を覗きに行くと、京谷君はいなかった。

呼び出しを食らったのか、委員会の仕事なのか……。
もしかして体育館?
う〜んっと考えていると、お昼時間に話しかけてくれた男子生徒、佐藤君だか鈴木君だかがまたもや話しかけてきた。


「あれ、また京谷に用?」

「うん」


タイミングが良くて助かる。


「アイツならもう帰ったぜ?」

「え、そうなの?!」


もしかして、約束をすっぽかされた?
そこそこ仲良くなれたと思ったのに。
いや、仲良くなったと思ったのは私だけだったのかもしれない。

落ち込んでいると、スマホからメッセージを受信した音が鳴った。


「ちょっとごめんね」


一言断りを入れてから画面を確認すると“京谷賢太郎”の文字が。

メッセージを開くと、


“18時45分 駅前 集合”


必要最小限の文面。
この時間に来いってこと?なぜ?

眉間にシワを寄せていると、名も定かではない男子生徒が心配をして声をかけてくれた。


「大丈夫?京谷からか?」

「あ、うん。連絡来たからもう大丈夫。ありがとうね」


私は男子生徒にお礼を言ってから帰宅することにした。


ーーーー


なんでその時間に駅前なのかを尋ねるメッセージを送ったけれど無視をされ、結局分からないまま待ち合わせ時間が近付く。

時間ちょうどに駅へ着くと、そこには制服ではなく動きやすいジャージを着ている京谷君の姿があった。


「おー来たか」

「来たか、じゃなくて、あの連絡はなんだったの?」

「社会人チームの練習場所がこの近くの体育館なんだよ」


え、社会人チームの練習?
私は部活に行くよう促したかっただけなのに。


「俺がバレーしてるの見てぇんだろ?」

「あ、うん」

「それじゃあ、行くぞ」

「待ってよ」


よっぽど早くバレーがしたいのか、京谷君の足取りがいつもより軽やかに感じる。

朝降っていた雨もすっかり止んでいた。

このボタンは廃止予定です

2024/11/10 08:31

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