マルマルちゃんとバツバツ君
ある日のお昼時間。
私は自分の席で一人ご飯を食べる。
決して友達がいないからではない。
ただすら食べるのが遅いのに、友達と一緒だとつい喋ってしまい更に遅くなる。
だから、あえて断っている。
今日のご飯はコンビニのおにぎり。
お母さんが寝坊してお弁当を用意してもらえなかったから、登校途中に買った。
たまにはこういうのも悪くないな、とルンルンでおにぎりに付いているビニールの包装を剥ぐ。
三角のてっぺんを垂直に下ろして、サイドの角を引っ張れば、パリパリの海苔に包まれたご飯が出てくる……はずだったのに、包装の中には取り残された海苔が。
まあ、味は変わらないから問題ない。
後は飲み物のブリックパックの口を開けて……、開けて……。
あ、くっついて破れちゃった。
でも、まだ反対側があるから。
「ぐっ……」
だけど、硬くて中々開かない。
苦戦していると、
「ぷふふっ!……ダメだ限界だわ」
前の席でご飯を食べていた古森君が盛大に笑ってきた。
「貸して」
取られたブリックパックは易々と開いた。
さっきまで頑なに開かなかったのに。
「はい、どうぞ」
「ありがとう……」
「うん、困ったことがあったら何でも言って」
やっぱり古森君は親切だ。
「なんて言ったけど、実は俺の方が困っていて……。次の授業で当てられるのに宿題やってなくてさ。後でノート写させてくれない?」
「それなら、私食べるの遅いから先に渡しておくね」
私は机の中からノートを取り出した。
「サンキュー!」
古森君の助けになれて良かった。
古森君はノートを受け取ると、あっという間に写し終えた。
書くの早いな。
「助かった、ありがとう。字、凄く綺麗で見やすかった」
「ふふふ、良かった」
本当は昔から字は汚かった。
これも不器用なせいからか。
だけど、不器用なりにどんなに時間がかかろうとゆっくり丁寧に書くことを心がけたら、意外と上手になるわけで、それを褒められたのは嬉しかった。
私は自分の席で一人ご飯を食べる。
決して友達がいないからではない。
ただすら食べるのが遅いのに、友達と一緒だとつい喋ってしまい更に遅くなる。
だから、あえて断っている。
今日のご飯はコンビニのおにぎり。
お母さんが寝坊してお弁当を用意してもらえなかったから、登校途中に買った。
たまにはこういうのも悪くないな、とルンルンでおにぎりに付いているビニールの包装を剥ぐ。
三角のてっぺんを垂直に下ろして、サイドの角を引っ張れば、パリパリの海苔に包まれたご飯が出てくる……はずだったのに、包装の中には取り残された海苔が。
まあ、味は変わらないから問題ない。
後は飲み物のブリックパックの口を開けて……、開けて……。
あ、くっついて破れちゃった。
でも、まだ反対側があるから。
「ぐっ……」
だけど、硬くて中々開かない。
苦戦していると、
「ぷふふっ!……ダメだ限界だわ」
前の席でご飯を食べていた古森君が盛大に笑ってきた。
「貸して」
取られたブリックパックは易々と開いた。
さっきまで頑なに開かなかったのに。
「はい、どうぞ」
「ありがとう……」
「うん、困ったことがあったら何でも言って」
やっぱり古森君は親切だ。
「なんて言ったけど、実は俺の方が困っていて……。次の授業で当てられるのに宿題やってなくてさ。後でノート写させてくれない?」
「それなら、私食べるの遅いから先に渡しておくね」
私は机の中からノートを取り出した。
「サンキュー!」
古森君の助けになれて良かった。
古森君はノートを受け取ると、あっという間に写し終えた。
書くの早いな。
「助かった、ありがとう。字、凄く綺麗で見やすかった」
「ふふふ、良かった」
本当は昔から字は汚かった。
これも不器用なせいからか。
だけど、不器用なりにどんなに時間がかかろうとゆっくり丁寧に書くことを心がけたら、意外と上手になるわけで、それを褒められたのは嬉しかった。
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