マルマルちゃんとバツバツ君
向かった先とは体育館だった。
そこの入口にある2段しかないコンクリートの階段に腰を下ろす。
「弁当、マジで作ってきたんだな」
「自分のを作るついでだったから……。京谷君、今日はコンビニのご飯じゃないんだね」
「雨だから買いに行くのが億劫でやめた」
「そっか……」
雑談もほどほどに私は京谷君にお弁当を渡した。
お弁当箱を開けた京谷君は第一声に、
「すげぇ……。これ、本当に○○が作ったのか」
喜んでくれているようで良かった。
「うん。口に合うといいけど」
お弁当のおかずは甘めの味付けの卵焼きに、ほうれん草の胡麻和え、それにハミチキには及ばないけれど、昨日作っておいた唐揚げも入れた。
「どれもうめぇ。○○のこと見直したわ」
「それはどうも……」
見直したって、どういうイメージを持っていたのか。
やっぱりただのつまらない真面目な子、とか。
だけど、美味しいと言ってくれたのは素直に嬉しかった。
照れくさくてまともに顔が見れない。
すっかり完食して一息ついていると、いきなり後ろの体育館の扉がガラガラと開いた。
「うわっ、人いた」
「すみませ〜ん」
どうやら、昼休みを使って体育館で遊んでいた男子生徒が、暑くて開けたようだ。
体育館シューズの色的に1年生。
「こっちこそ驚かせちゃってごめんね」
主に京谷君の顔で、とは言わなかったけれど、どうみても彼の顔に怯えていた。
彼らはペコリと軽くお辞儀をして、体育館の中へ戻るとバレーボールを始めた。
「バレー部かな?」
何の気なしに京谷君に尋ねると、
「知らね」
素っ気ない言葉が返ってきた。
なのに、視線はずっと体育館へ向いている。
やりたいのかな?
……そうだ。
「京谷君がバレーしているところ見てみたいな〜」
「……」
「あ、でも、休み時間もうすぐ終わるし、体育の授業はバレーじゃないし」
チラチラと京谷君を見ながら言った。
わざとらしい言い方だったかな。
それなのに、
「いいぜ」
「へ?」
「バレーしてるところ、見たいんだろ?」
「いいの?!」
私の一言で部活に行く気になったの?
そう思っていたのに、なぜかその場では連絡先を交換して解散になった。
そこの入口にある2段しかないコンクリートの階段に腰を下ろす。
「弁当、マジで作ってきたんだな」
「自分のを作るついでだったから……。京谷君、今日はコンビニのご飯じゃないんだね」
「雨だから買いに行くのが億劫でやめた」
「そっか……」
雑談もほどほどに私は京谷君にお弁当を渡した。
お弁当箱を開けた京谷君は第一声に、
「すげぇ……。これ、本当に○○が作ったのか」
喜んでくれているようで良かった。
「うん。口に合うといいけど」
お弁当のおかずは甘めの味付けの卵焼きに、ほうれん草の胡麻和え、それにハミチキには及ばないけれど、昨日作っておいた唐揚げも入れた。
「どれもうめぇ。○○のこと見直したわ」
「それはどうも……」
見直したって、どういうイメージを持っていたのか。
やっぱりただのつまらない真面目な子、とか。
だけど、美味しいと言ってくれたのは素直に嬉しかった。
照れくさくてまともに顔が見れない。
すっかり完食して一息ついていると、いきなり後ろの体育館の扉がガラガラと開いた。
「うわっ、人いた」
「すみませ〜ん」
どうやら、昼休みを使って体育館で遊んでいた男子生徒が、暑くて開けたようだ。
体育館シューズの色的に1年生。
「こっちこそ驚かせちゃってごめんね」
主に京谷君の顔で、とは言わなかったけれど、どうみても彼の顔に怯えていた。
彼らはペコリと軽くお辞儀をして、体育館の中へ戻るとバレーボールを始めた。
「バレー部かな?」
何の気なしに京谷君に尋ねると、
「知らね」
素っ気ない言葉が返ってきた。
なのに、視線はずっと体育館へ向いている。
やりたいのかな?
……そうだ。
「京谷君がバレーしているところ見てみたいな〜」
「……」
「あ、でも、休み時間もうすぐ終わるし、体育の授業はバレーじゃないし」
チラチラと京谷君を見ながら言った。
わざとらしい言い方だったかな。
それなのに、
「いいぜ」
「へ?」
「バレーしてるところ、見たいんだろ?」
「いいの?!」
私の一言で部活に行く気になったの?
そう思っていたのに、なぜかその場では連絡先を交換して解散になった。
このボタンは廃止予定です