マルマルちゃんとバツバツ君
朝起きてカーテンを開けると雨が降っていた。
昨日見た天気予報通り。
さすがに今日は中庭に出れないよなあ。
そんなことを思いながら朝の支度をする。
顔を洗って、着替えを済ます。
そして、朝ご飯と一緒にお弁当用のおかずも作る。
自分の分と京谷君の分。
京谷君は本気にしていなかったから食べてくれるか分からないけれど。
食べないなら自分で食べればいいしね。
そう言い訳をしながら出来たおかずをお弁当箱に詰めていく。
出来上がった2人分のお弁当箱を眺めて、我ながら上出来、と褒めたくなった。
食べてくれるといいな……。
なんだかんだ言って、やっぱり食べてもらいたい。
ーーーー
待ちに待ったお昼休み。
そう言えば、京谷君の連絡先を知らない。
雨の中、中庭にいるわけないし……。
私は勇気を振り絞って京谷君のクラスへお邪魔することにした。
確か1組だったよね……。
教室を覗くと、京谷君はいなかった。
残念、帰ろう……。
そう思っていると、
「ねえ、誰か探してるの?」
「えっ……」
彼は……えーっと、佐藤君……いや鈴木君だっけ?
とにかく名前も定かではない男子生徒に話しかけられた。
「キョロキョロしてたから、てっきりそう思ったんだけど……違った?」
「ち、違わない!えっと、あの……京谷君ってどこに行ったか分かる?」
「あー……、確か購買行くってさっき出ていったよ」
「ありがとう!」
私は男子生徒に頭を下げて、急いで購買へと向かった。
普段利用しないから知らなかったけれど、購買ってこんなに人があふれているものなのか。
この中から京谷君を探すなんて……。
だけど、あの派手な頭のおかげですぐに見つかった。
「す、すみませんっ……。あ、ごめんなさい……」
人の波を掻き分けて、ようやく京谷君の後ろまで来れた。
「京谷君っ!」
「あ゛あん?」
「ひっ……!」
袖を引っ張ると凄い形相で振り向かれた。
「あー、なんだ○○か。今忙しいから後ででもいいか」
京谷君はまだ買えていないようで、また視線を先頭へと向けた。
「今じゃなきゃダメ!」
掴んでいた袖を再度引っ張った。
「は?」
「……っ」
いちいち威嚇しないでよ。
だけど、ここまで来たら言わない訳にはいかない。
「あの……お弁当作ってきたから一緒に食べない?」
「……マジかよ」
「マジだよ」
私は袖を掴んでいる手を離して、両手で持ち直したお弁当袋を見せた。
「助かる」
京谷君はそう言うと、今度は私の腕を引っ張ってどこかへと歩き出した。
昨日見た天気予報通り。
さすがに今日は中庭に出れないよなあ。
そんなことを思いながら朝の支度をする。
顔を洗って、着替えを済ます。
そして、朝ご飯と一緒にお弁当用のおかずも作る。
自分の分と京谷君の分。
京谷君は本気にしていなかったから食べてくれるか分からないけれど。
食べないなら自分で食べればいいしね。
そう言い訳をしながら出来たおかずをお弁当箱に詰めていく。
出来上がった2人分のお弁当箱を眺めて、我ながら上出来、と褒めたくなった。
食べてくれるといいな……。
なんだかんだ言って、やっぱり食べてもらいたい。
ーーーー
待ちに待ったお昼休み。
そう言えば、京谷君の連絡先を知らない。
雨の中、中庭にいるわけないし……。
私は勇気を振り絞って京谷君のクラスへお邪魔することにした。
確か1組だったよね……。
教室を覗くと、京谷君はいなかった。
残念、帰ろう……。
そう思っていると、
「ねえ、誰か探してるの?」
「えっ……」
彼は……えーっと、佐藤君……いや鈴木君だっけ?
とにかく名前も定かではない男子生徒に話しかけられた。
「キョロキョロしてたから、てっきりそう思ったんだけど……違った?」
「ち、違わない!えっと、あの……京谷君ってどこに行ったか分かる?」
「あー……、確か購買行くってさっき出ていったよ」
「ありがとう!」
私は男子生徒に頭を下げて、急いで購買へと向かった。
普段利用しないから知らなかったけれど、購買ってこんなに人があふれているものなのか。
この中から京谷君を探すなんて……。
だけど、あの派手な頭のおかげですぐに見つかった。
「す、すみませんっ……。あ、ごめんなさい……」
人の波を掻き分けて、ようやく京谷君の後ろまで来れた。
「京谷君っ!」
「あ゛あん?」
「ひっ……!」
袖を引っ張ると凄い形相で振り向かれた。
「あー、なんだ○○か。今忙しいから後ででもいいか」
京谷君はまだ買えていないようで、また視線を先頭へと向けた。
「今じゃなきゃダメ!」
掴んでいた袖を再度引っ張った。
「は?」
「……っ」
いちいち威嚇しないでよ。
だけど、ここまで来たら言わない訳にはいかない。
「あの……お弁当作ってきたから一緒に食べない?」
「……マジかよ」
「マジだよ」
私は袖を掴んでいる手を離して、両手で持ち直したお弁当袋を見せた。
「助かる」
京谷君はそう言うと、今度は私の腕を引っ張ってどこかへと歩き出した。
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