マルマルちゃんとバツバツ君
私が授業をサボったのはあの1回きり。
体調が悪くて保健室で寝ていたことになっていた。
たまたま保健室の先生が不在のため、実際に利用していないこともバレなかった運の良さ。
これも普段の真面目な行いのおかげか。
ちなみに、京谷君は普通にサボったことを先生に怒られたらしい。
それなのに私のことは内緒にしてくれた。
ちょっとだけ意外だった。
なんでそのことを知っているのかと言うと、お昼休みに例の中庭に行くと京谷君が寝そべっていて、話しかけたからだ。
「先生に内緒にしてくれてありがとうね」
そんな京谷君の横に腰掛けてお礼を言った。
「別に。言ったところで俺が怒られるのには変わりないし」
それはそう。
だけど嬉しかったのだ。
寝そべっている京谷君。
いつも鋭い目付きだけど、こうして目を瞑っている姿は安らかと言うかなんと言うか……。
ふと、あることに気が付いた。
「ピアス、穴開けてないんだね」
「ん?ああ……」
開いていても不思議ではない容姿、所行なのに。
「なんで?」
「……ピアス開けるとバランス感覚が狂ったり、ケガするかもしれねぇから」
「バランス感覚?怪我?」
「バレー」
部活のことだろうか。
京谷君ってバレー部だったんだ。
怪我は分かるけど、バランス感覚が狂うって、案外京谷君も繊細なんだね。
あれ……でも、確か京谷君って部活行っていなかったような。
だって1年生のとき帰宅部の私と同じように授業が終わると真っ直ぐに校門を出るのをよく目にしていたから。
うちのバレー部が強豪で休みが少ないのは知っている。
だからこそあんな頻度で真っ直ぐ帰れるわけがない。
どんな理由があって部活に行っていないのか分からないけれど、私がバレーしているところを見たいって言ったらどうするのかな。
無視するのかな。
それとも部活に行くのかな。
そのうち言ってみようかな。
そんなことを考えた昼休みの出来事。
私はまだ京谷君のことをよく知らない。
体調が悪くて保健室で寝ていたことになっていた。
たまたま保健室の先生が不在のため、実際に利用していないこともバレなかった運の良さ。
これも普段の真面目な行いのおかげか。
ちなみに、京谷君は普通にサボったことを先生に怒られたらしい。
それなのに私のことは内緒にしてくれた。
ちょっとだけ意外だった。
なんでそのことを知っているのかと言うと、お昼休みに例の中庭に行くと京谷君が寝そべっていて、話しかけたからだ。
「先生に内緒にしてくれてありがとうね」
そんな京谷君の横に腰掛けてお礼を言った。
「別に。言ったところで俺が怒られるのには変わりないし」
それはそう。
だけど嬉しかったのだ。
寝そべっている京谷君。
いつも鋭い目付きだけど、こうして目を瞑っている姿は安らかと言うかなんと言うか……。
ふと、あることに気が付いた。
「ピアス、穴開けてないんだね」
「ん?ああ……」
開いていても不思議ではない容姿、所行なのに。
「なんで?」
「……ピアス開けるとバランス感覚が狂ったり、ケガするかもしれねぇから」
「バランス感覚?怪我?」
「バレー」
部活のことだろうか。
京谷君ってバレー部だったんだ。
怪我は分かるけど、バランス感覚が狂うって、案外京谷君も繊細なんだね。
あれ……でも、確か京谷君って部活行っていなかったような。
だって1年生のとき帰宅部の私と同じように授業が終わると真っ直ぐに校門を出るのをよく目にしていたから。
うちのバレー部が強豪で休みが少ないのは知っている。
だからこそあんな頻度で真っ直ぐ帰れるわけがない。
どんな理由があって部活に行っていないのか分からないけれど、私がバレーしているところを見たいって言ったらどうするのかな。
無視するのかな。
それとも部活に行くのかな。
そのうち言ってみようかな。
そんなことを考えた昼休みの出来事。
私はまだ京谷君のことをよく知らない。
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