マルマルちゃんとバツバツ君
翌日学校へ着くと、いつも女の子とお喋りをしている矢巾君は珍しく一人で席に着いていた。
まあ、そんな日もあるよね。
と、特に気にも止めずに鞄を下ろして、授業の準備を始めた。
すると、
「ねえ、○○さん」
「何?」
珍しいことは続くもので、矢巾君から話しかけられた。
「挨拶くらいしてもよくない?仮にも隣の席なんだし」
いつも女の子と喋っているから私と朝の挨拶なんかしたことがないくせに。
なんで今日は要求してきたの?
そうは思いつつも無視する理由もなく挨拶を返す。
「……おはよう」
「ん、おはよう……」
「……」
それだけ?
それだけのために、話しかけたの?
矢巾君を見ると、まだ何か言いたそうにしている。
私は大人しく次の言葉を待った。
「あの、さ……。昨日のことなんだけど、からかっているように聞こえたなら謝る。ごめん」
「大丈夫だよ」
本当は大丈夫じゃないけれど。
帰り際にすれ違った友達からは顔が真っ赤だよ、なんて言われる始末。
「でも、○○さんともデートしてみたいと思ったのは本当だから!」
私とも、ね。
「それはどうも。話はそれだけ?」
「あ、うん……」
少しきつい言い方をしちゃったかな?
でも、癇に障る言い方をした矢巾君が悪い。
それなのに、なんで矢巾君が傷付いたような顔をするの?
「そう言えば、今日はサヤカちゃんだっけ?来てないんだね」
サヤカちゃんとデートして慰めてもらえば、と言う意味を込めて聞いた。
「あー……、なんか、俺と喋るのは楽しいけど、付き合うのは違うって今朝言われた」
「えっ……」
私が学校に来るまでの間にそんなことがあったとは。
一瞬憐れんでしまったけれど、元はと言えば色んな子に調子の良いことを言っている矢巾君に問題があると思う。
「これに懲りたら、誠実になることだね」
「それじゃあ、○○さん。誠実に俺とデートしない?」
「しない」
「即答かよ」
当たり前だ。
矢巾君の頭の辞書には誠実と言う言葉は存在していないのかしら。
まあ、そんな日もあるよね。
と、特に気にも止めずに鞄を下ろして、授業の準備を始めた。
すると、
「ねえ、○○さん」
「何?」
珍しいことは続くもので、矢巾君から話しかけられた。
「挨拶くらいしてもよくない?仮にも隣の席なんだし」
いつも女の子と喋っているから私と朝の挨拶なんかしたことがないくせに。
なんで今日は要求してきたの?
そうは思いつつも無視する理由もなく挨拶を返す。
「……おはよう」
「ん、おはよう……」
「……」
それだけ?
それだけのために、話しかけたの?
矢巾君を見ると、まだ何か言いたそうにしている。
私は大人しく次の言葉を待った。
「あの、さ……。昨日のことなんだけど、からかっているように聞こえたなら謝る。ごめん」
「大丈夫だよ」
本当は大丈夫じゃないけれど。
帰り際にすれ違った友達からは顔が真っ赤だよ、なんて言われる始末。
「でも、○○さんともデートしてみたいと思ったのは本当だから!」
私とも、ね。
「それはどうも。話はそれだけ?」
「あ、うん……」
少しきつい言い方をしちゃったかな?
でも、癇に障る言い方をした矢巾君が悪い。
それなのに、なんで矢巾君が傷付いたような顔をするの?
「そう言えば、今日はサヤカちゃんだっけ?来てないんだね」
サヤカちゃんとデートして慰めてもらえば、と言う意味を込めて聞いた。
「あー……、なんか、俺と喋るのは楽しいけど、付き合うのは違うって今朝言われた」
「えっ……」
私が学校に来るまでの間にそんなことがあったとは。
一瞬憐れんでしまったけれど、元はと言えば色んな子に調子の良いことを言っている矢巾君に問題があると思う。
「これに懲りたら、誠実になることだね」
「それじゃあ、○○さん。誠実に俺とデートしない?」
「しない」
「即答かよ」
当たり前だ。
矢巾君の頭の辞書には誠実と言う言葉は存在していないのかしら。
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