無表情の虐げられ少女は異能で無自覚チートをぶっ放す
[太字]「わふっ」[/太字]
あの時も居た、金色の毛並みの犬が見えた。
どうして???
なんで???
あの犬は、どうしてここにいるのだろう。
あのときはちょっと気が動転してたから犬だと思ってたけど、異能力の話をされたからには、犬かどうかを疑わざるを得ない。
金色だし。
なんかすっごくでかいし。
鳴き声の大きさ半端ないし。
そう考えていたら、その犬(仮)は私をじっと見ると、美桜さん達を一瞥し、身を翻して、去っていった。
ほんと、なんなのだ、あの犬(仮)は。
さてと、どうするかね。
「…あの子にも、いいかもね」ん?あの子???
話を変えるように、美桜さんは手をたたく。
「ピアノ、弾いてみてくれない?」ん?ピアノですと???
「ピアノ、ですか?」
「ちょっと弾いてほしいのよ」まあ、いいか。
頷くと、美桜さんはゆっくりと立ち上がり、私を手招きした。
少し廊下を進むと、洋室があった。ほんとに広いなぁ、この家。いや、屋敷か。
その中に置かれた、グランドピアノ。
少し年季が入っていて、それでいて味があるというか。
それを眺めていると、美桜さんが楽譜を差し出してきた。
ふんふん?モーツァルトの…。この英語は…。
「トルコ行進曲ですか?」たぶん…合ってる。
「よくわかったね…ボソッ[小文字]お兄ちゃんにも読めなかったのに!やっぱり義理の妹はすごい…[/小文字]」
何か言ってた???
聞こえなくて残念。
とりあえず、これを弾けばいいんだよね。
でも、5歳ぐらいまでしか習ってないし…。
「5歳までの実力なんですけど、許してください」
「分かった・分かったよ」
あ、先生の模倣ならできるかも!あの先生大物だったらしくて、楽譜を見ただけで弾ける天才云々言われてたし。
模倣なら自信あるし!
鍵盤に手を置いた。鍵盤は少しひんやりとしていて、5歳の頃の記憶を呼び覚ました。
背が高くて、優しかったお父さん。笑顔が素敵で、美人だと有名だったお母さん。あの後、あんな事が起こるなんて、考えもしなかったけれど。
きっと弾けるはず。
息を一つ吐くと、私は鍵盤を叩き始めた。
ポロン…。
ポロロロロン、ポロロロロリン、ポロポロポロポロリンポロポロリン…
気持ちがいい、爽快なスタートを切って、ピアノは音を紡ぎ出す。
きれいな速いリズムと、テンポが遅くなる時。
この違いが好きだったんだっけ。
…ピアノ、悪くないかも。
ジャーン…。
演奏が終わったけど、誰も喋らない。
そんな沈黙を貫いたのは。
[太字]バタバタバタ![/太字]
誰かの走る足音。
[小文字]「ー!」[/小文字]
ん?何か聞こえる。
バタバタバタ!
あ、音が近くに…。
もしかしてだけど、ここに向かってきてる?
バタバタバタ…
パシッ
襖が開いた。
その主は、プラチナブラウンの綺麗な髪をした、目が緑色の少女で。
[大文字]「この音は何?!」[/大文字]
[大文字]「お姉ちゃんの音じゃないでしょ?ボクも聞いたことがな…」[/大文字]
そう言いかけた後、こちらを見て目をまんまるにしたのだった。
あの時も居た、金色の毛並みの犬が見えた。
どうして???
なんで???
あの犬は、どうしてここにいるのだろう。
あのときはちょっと気が動転してたから犬だと思ってたけど、異能力の話をされたからには、犬かどうかを疑わざるを得ない。
金色だし。
なんかすっごくでかいし。
鳴き声の大きさ半端ないし。
そう考えていたら、その犬(仮)は私をじっと見ると、美桜さん達を一瞥し、身を翻して、去っていった。
ほんと、なんなのだ、あの犬(仮)は。
さてと、どうするかね。
「…あの子にも、いいかもね」ん?あの子???
話を変えるように、美桜さんは手をたたく。
「ピアノ、弾いてみてくれない?」ん?ピアノですと???
「ピアノ、ですか?」
「ちょっと弾いてほしいのよ」まあ、いいか。
頷くと、美桜さんはゆっくりと立ち上がり、私を手招きした。
少し廊下を進むと、洋室があった。ほんとに広いなぁ、この家。いや、屋敷か。
その中に置かれた、グランドピアノ。
少し年季が入っていて、それでいて味があるというか。
それを眺めていると、美桜さんが楽譜を差し出してきた。
ふんふん?モーツァルトの…。この英語は…。
「トルコ行進曲ですか?」たぶん…合ってる。
「よくわかったね…ボソッ[小文字]お兄ちゃんにも読めなかったのに!やっぱり義理の妹はすごい…[/小文字]」
何か言ってた???
聞こえなくて残念。
とりあえず、これを弾けばいいんだよね。
でも、5歳ぐらいまでしか習ってないし…。
「5歳までの実力なんですけど、許してください」
「分かった・分かったよ」
あ、先生の模倣ならできるかも!あの先生大物だったらしくて、楽譜を見ただけで弾ける天才云々言われてたし。
模倣なら自信あるし!
鍵盤に手を置いた。鍵盤は少しひんやりとしていて、5歳の頃の記憶を呼び覚ました。
背が高くて、優しかったお父さん。笑顔が素敵で、美人だと有名だったお母さん。あの後、あんな事が起こるなんて、考えもしなかったけれど。
きっと弾けるはず。
息を一つ吐くと、私は鍵盤を叩き始めた。
ポロン…。
ポロロロロン、ポロロロロリン、ポロポロポロポロリンポロポロリン…
気持ちがいい、爽快なスタートを切って、ピアノは音を紡ぎ出す。
きれいな速いリズムと、テンポが遅くなる時。
この違いが好きだったんだっけ。
…ピアノ、悪くないかも。
ジャーン…。
演奏が終わったけど、誰も喋らない。
そんな沈黙を貫いたのは。
[太字]バタバタバタ![/太字]
誰かの走る足音。
[小文字]「ー!」[/小文字]
ん?何か聞こえる。
バタバタバタ!
あ、音が近くに…。
もしかしてだけど、ここに向かってきてる?
バタバタバタ…
パシッ
襖が開いた。
その主は、プラチナブラウンの綺麗な髪をした、目が緑色の少女で。
[大文字]「この音は何?!」[/大文字]
[大文字]「お姉ちゃんの音じゃないでしょ?ボクも聞いたことがな…」[/大文字]
そう言いかけた後、こちらを見て目をまんまるにしたのだった。
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