無表情の虐げられ少女は異能で無自覚チートをぶっ放す
異能力者が来ると反応する結界に反応が出た。
ちょうど近くにいたので行ってみると、片目が髪で隠れた、緑色の目をした背の小さい少女が手すりに突っ立っていた。あらかた能力のことで精神をやみ、自殺しようとしているところだろう。そして見える感情の色は絶望の黒だろう−そう予想を立てたのにもかかわらず、俺の目には無感情の白が見えた。予想に反した結果だった。
「何をしている」そう問うと、少女は首だけをこちらに向けた。色は変わらない。
「…」それに何も答えない。
「お前は誰だ」とりあえず名前を聞く。
少女は心底不愉快だというふうに顔をしかめながら、
「水月、琉貴」と、簡潔的に答えた。正直、驚いた。お父様が見つけ次第引き取り養子にすると言っていた人物と同姓同名だったからだ。だが、この見た目が見た目だ。とてもじゃないが、今年で17歳になるはずの人物には見えない。
一応年齢を聞くか。
「お前、いくつだ」
また少女は顔をしかめながら口を開く。
「失礼過ぎません?」と言ってきた。小娘がそんな事を気にするのか、と疑ったが知能レベルの問題だろうと済ませる。第一、何も感じていないくせに。
そう言ってしまうと、少女は色こそ変わらないものの、何故、というふうに目を一瞬見開き、答えた。
「とりあえず答えてあげますけど、17歳です。私」ありえない。そう思った。よくそんな嘘で誤魔化せると思っているな、と。ふざけるな。嘘をやめるように促す。
けれども17歳の一点張り。挙げ句の果てには論破されていた。
このまま続けても無意味なので、付き人の[漢字]響[/漢字][ふりがな]ひびき[/ふりがな]の能力を使うことにした。漢字]響[/漢字][ふりがな]ひびき[/ふりがな]の能力とは、質問の答が嘘だった場合殺すというものだ。それを少女に伝えたうえで、もう一度問う。
だが、17歳だともう一度答えた。嘘だと思ってのことだろう。◯ぬぞ!と言ってもまだ冷ややかな顔をする。こいつは◯ぬ。そう思ったのにも関わらず、いつまで経ってもこいつは◯なない。嘘ではなかったと気づくのに、俺も響も少し間が空いた。
ということは、こいつこそお父様が言っていた人物だということになる。
最終確認のため、親は生きているのか確認する。
やはり、もう◯んでいた。となると、だ。屋敷に連行しなくてはいけない。
養子になるのに拒否権はない云々を伝えると、今更混乱してきたのか、ふらっと揺れたかと思うと、意識を失ったのか倒れていく。もちろんこのままだと手すりから真っ逆さまに落ちていくので、能力の[漢字]結界[/漢字][ふりがな]バリア[/ふりがな]で支えた後、響に持たせ、俺は車の方へ向かった。
ちょうど近くにいたので行ってみると、片目が髪で隠れた、緑色の目をした背の小さい少女が手すりに突っ立っていた。あらかた能力のことで精神をやみ、自殺しようとしているところだろう。そして見える感情の色は絶望の黒だろう−そう予想を立てたのにもかかわらず、俺の目には無感情の白が見えた。予想に反した結果だった。
「何をしている」そう問うと、少女は首だけをこちらに向けた。色は変わらない。
「…」それに何も答えない。
「お前は誰だ」とりあえず名前を聞く。
少女は心底不愉快だというふうに顔をしかめながら、
「水月、琉貴」と、簡潔的に答えた。正直、驚いた。お父様が見つけ次第引き取り養子にすると言っていた人物と同姓同名だったからだ。だが、この見た目が見た目だ。とてもじゃないが、今年で17歳になるはずの人物には見えない。
一応年齢を聞くか。
「お前、いくつだ」
また少女は顔をしかめながら口を開く。
「失礼過ぎません?」と言ってきた。小娘がそんな事を気にするのか、と疑ったが知能レベルの問題だろうと済ませる。第一、何も感じていないくせに。
そう言ってしまうと、少女は色こそ変わらないものの、何故、というふうに目を一瞬見開き、答えた。
「とりあえず答えてあげますけど、17歳です。私」ありえない。そう思った。よくそんな嘘で誤魔化せると思っているな、と。ふざけるな。嘘をやめるように促す。
けれども17歳の一点張り。挙げ句の果てには論破されていた。
このまま続けても無意味なので、付き人の[漢字]響[/漢字][ふりがな]ひびき[/ふりがな]の能力を使うことにした。漢字]響[/漢字][ふりがな]ひびき[/ふりがな]の能力とは、質問の答が嘘だった場合殺すというものだ。それを少女に伝えたうえで、もう一度問う。
だが、17歳だともう一度答えた。嘘だと思ってのことだろう。◯ぬぞ!と言ってもまだ冷ややかな顔をする。こいつは◯ぬ。そう思ったのにも関わらず、いつまで経ってもこいつは◯なない。嘘ではなかったと気づくのに、俺も響も少し間が空いた。
ということは、こいつこそお父様が言っていた人物だということになる。
最終確認のため、親は生きているのか確認する。
やはり、もう◯んでいた。となると、だ。屋敷に連行しなくてはいけない。
養子になるのに拒否権はない云々を伝えると、今更混乱してきたのか、ふらっと揺れたかと思うと、意識を失ったのか倒れていく。もちろんこのままだと手すりから真っ逆さまに落ちていくので、能力の[漢字]結界[/漢字][ふりがな]バリア[/ふりがな]で支えた後、響に持たせ、俺は車の方へ向かった。
このボタンは廃止予定です