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食堂の若女将、宮廷出仕する

#3

第2話 後宮宮女、王莉星

馬車から降りて、重々しくて、[漢字]莉星[/漢字][ふりがな]リーシン[/ふりがな]が何人分かわからないほどでかい門を潜った先には、男は皇族しか入れない花園、後宮があった。
(聞いてはいたけどやっぱり広い…)
実際来てみて実感した。
そうして、宦官に案内されて徳妃が住む宮、[漢字]舞音宮[/漢字][ふりがな]マイオンきゅう[/ふりがな]についた。
ごくり。
莉星は唾を飲む。
[漢字]舞花[/漢字][ふりがな]マイファ[/ふりがな]妃はどんな方なんだろう。一気に莉星に不安の波が押し寄せる。
宦官が舞音宮の門をくぐる。莉星はそれについていく。
庭は白や桃色の花が植えられていて、木もあって自然的で風が心地良かった。
急の中もこんなふうであって欲しいと莉星は思うのだった。



「では莉星様。ここからは宮の中へ入りますので。」
宮の中は、まだ来たばかりのようで一見がらんとしているが、細部を見ると莉星が目で見たことのないような素材が豊富に使われていた。
([漢字]帳[/漢字][ふりがな]ちょう[/ふりがな]だけでもどれだけするんだろう…)
疑問に思いつつ奥の部屋へ進んで行った。

ついた先は応接間のような場所で妃が[漢字]長椅子[/漢字][ふりがな]カウチ[/ふりがな]に腰掛けていた。
その妃は異国情緒があり、とても美しく、愛らしさがあった。
具体的に言うと、この国の人種より肌が白い。白粉を使ったように不自然な白さではなく美しかった。髪は黒ではなく明るい髪色だった。
「ようこそいらっしゃいました。わざわざありがとうございます。これからは侍女としてよろしくお願いします。申し遅れました、私、徳妃の[漢字]陽 舞花[/漢字][ふりがな]ヨウ マイファ[/ふりがな]と申します。」
舞花妃は丁寧に伝えた。
(綺麗な妃だし、勝手にツンとしてる妃だと思ってた。)
思ったより、というか全然ふんわりとしていて優しかった。
だがそのほかの侍女は…
(睨まられてる…)
説明によると、侍女頭を含め[漢字]舞南[/漢字][ふりがな]マイナン[/ふりがな]国出身なのは4人で、その4人が身の回りの世話をするらしい。どうやら信頼できる侍女を周りに置いて、そのほかの侍女は、掃除などの仕事をしているようだ。
そんなところに料理屋の侍女が入ってきたら睨みたくもなるだろう。
まあ、仲良くなれるといいなぁ。
「私は侍女頭の[漢字]風蘭[/漢字][ふりがな]フウラン[/ふりがな]です。これからよろしくお願いね。」
前よりかは少し崩した雰囲気で風蘭が話す。
「はい。よろしくお願いいたします。」
「次に侍女たちよ。ほら、貴方達。」
そう言われて、侍女たち3人が少し前に出る。
「こんにちは。私は[漢字]藍夏[/漢字][ふりがな]ランシァ[/ふりがな]です。」
「初めまして。[漢字]双夏[/漢字][ふりがな]ソウシァ[/ふりがな]と申します。」
(名前が似てる。覚えられるかなぁ…)
「初めまして。[漢字]麻豊[/漢字][ふりがな]マーフォン[/ふりがな]です。よろしくお願いします。」
(大人しい感じかな)
この子達と上手くやっていけるといいなと思う莉星だったのだ。

作者メッセージ

だいぶ遅れちゃい申し訳ございません!
次回は明日あたりに出そうと思っているので、お楽しみに!

2025/05/28 17:52

彩ノ実 ID:≫ 12r9vk9TpSqFk
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