食堂の若女将、宮廷出仕する
「えっと、だから[漢字]莉星[/漢字][ふりがな]リーシン[/ふりがな]様には、入内するお妃様の侍女になって欲しいのです。」
「えぇと、急に言われましても…」
急に言われたら困惑してしまう。とりあえず説明して欲しい。
「内密なことですので、あまりお教えできないのですが。私が仕える方が後宮に入内することになりまして、それで中間地点のここで、料理を食べたところここの料理を大層気に入りまして…そういう経緯があって、侍女になって欲しいと指名されたそうです。ですのでお願いです、どうか侍女になっていただけませんか?」
「う〜ん。いいお話ではありますが、私にはこの店がありますので。」
この店は両親から受け継いだ大事な店だ。その店を出て行くのは莉星の中では正直選択肢にない。
そう思った時に[漢字]風蘭[/漢字][ふりがな]フウラン[/ふりがな]は言った。
「はい。莉星様の事について調べさせていただきましたが、この店が、とても大事なんですよね。それも承知の上でお願いです。侍女になっていただいたら、店への補助金を支払いますし、必要でしたら他にも支援をしようと思っていますので。」
「う、う〜。」
出された木簡に書かれた額を見ると頷きたくなるが…
悩み続け、10分後出した答えは…
「はい。わかりました。」
これだった。
[斜体]ガラガラガラガラ[/斜体]
2日後、後宮へ行くため馬車に乗っていた。
風蘭から大体説明された今の後宮のことをおさらいしておく。
まず、私が仕える事になったお妃様は[漢字]舞南[/漢字][ふりがな]マイナン[/ふりがな]という属国の王室の次に権力を持つと言われている家の娘、[漢字]舞花[/漢字][ふりがな]マイファ[/ふりがな]様だ。舞花様は、妃の位で上から4番目の徳妃だそうだ。
妃は、上から皇后、四夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻があり、皇后は今はいないようで、貴妃の[漢字]雪可[/漢字][ふりがな]シュカ[/ふりがな]妃、淑妃の[漢字]白葉[/漢字][ふりがな]パイヨウ[/ふりがな]妃、賢妃の[漢字]玲苓[/漢字][ふりがな]レイレイ[/ふりがな]妃が四夫人だ。その中に1人加え、世継ぎ、東宮を産んでもらおうという事らしい。
現在、主上の子は全て女だそうだそうだ。白葉妃と玲苓妃がそれぞれ1人ずつ公主を産んだらしい。
主上にはお気に入りの妃がいないようで、他の妃が懐妊したという噂もないらしい。
ともかく、私は舞花様のために精一杯尽くすだけだ。
意気込んでいたが、少々小腹が空いて来た。
そこで、持って来ておいた[漢字]包子[/漢字][ふりがな]パオズ[/ふりがな]を取り出して頬張った。
作り方はこうだ。薄力粉や強力粉と一緒に[漢字]刀削麺[/漢字][ふりがな]とうしょうめん[/ふりがな]の麺の生地を少し入れて、こねて休ませる。
餡は豚肉と[漢字]葱[/漢字][ふりがな]ネギ[/ふりがな]を使った。豚肉は挽き、葱はみじん切りにして、酒と[漢字]醤[/漢字][ふりがな]ジャン[/ふりがな]を混ぜて炒めた物だ。豚肉が醤と上手く混ざり合い、程よい塩味が出て来て美味しい。
生地を大体の大きさに切り、餡を詰めれば完成だ。もっちり生地で挽肉でも歯応えがあって美味しくなる。
「そろそろ後宮に着きますよ。」
そう馬借に言われた。
後宮、陰謀渦巻く女の花園。今後はどうなるのだろう。
「えぇと、急に言われましても…」
急に言われたら困惑してしまう。とりあえず説明して欲しい。
「内密なことですので、あまりお教えできないのですが。私が仕える方が後宮に入内することになりまして、それで中間地点のここで、料理を食べたところここの料理を大層気に入りまして…そういう経緯があって、侍女になって欲しいと指名されたそうです。ですのでお願いです、どうか侍女になっていただけませんか?」
「う〜ん。いいお話ではありますが、私にはこの店がありますので。」
この店は両親から受け継いだ大事な店だ。その店を出て行くのは莉星の中では正直選択肢にない。
そう思った時に[漢字]風蘭[/漢字][ふりがな]フウラン[/ふりがな]は言った。
「はい。莉星様の事について調べさせていただきましたが、この店が、とても大事なんですよね。それも承知の上でお願いです。侍女になっていただいたら、店への補助金を支払いますし、必要でしたら他にも支援をしようと思っていますので。」
「う、う〜。」
出された木簡に書かれた額を見ると頷きたくなるが…
悩み続け、10分後出した答えは…
「はい。わかりました。」
これだった。
[斜体]ガラガラガラガラ[/斜体]
2日後、後宮へ行くため馬車に乗っていた。
風蘭から大体説明された今の後宮のことをおさらいしておく。
まず、私が仕える事になったお妃様は[漢字]舞南[/漢字][ふりがな]マイナン[/ふりがな]という属国の王室の次に権力を持つと言われている家の娘、[漢字]舞花[/漢字][ふりがな]マイファ[/ふりがな]様だ。舞花様は、妃の位で上から4番目の徳妃だそうだ。
妃は、上から皇后、四夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻があり、皇后は今はいないようで、貴妃の[漢字]雪可[/漢字][ふりがな]シュカ[/ふりがな]妃、淑妃の[漢字]白葉[/漢字][ふりがな]パイヨウ[/ふりがな]妃、賢妃の[漢字]玲苓[/漢字][ふりがな]レイレイ[/ふりがな]妃が四夫人だ。その中に1人加え、世継ぎ、東宮を産んでもらおうという事らしい。
現在、主上の子は全て女だそうだそうだ。白葉妃と玲苓妃がそれぞれ1人ずつ公主を産んだらしい。
主上にはお気に入りの妃がいないようで、他の妃が懐妊したという噂もないらしい。
ともかく、私は舞花様のために精一杯尽くすだけだ。
意気込んでいたが、少々小腹が空いて来た。
そこで、持って来ておいた[漢字]包子[/漢字][ふりがな]パオズ[/ふりがな]を取り出して頬張った。
作り方はこうだ。薄力粉や強力粉と一緒に[漢字]刀削麺[/漢字][ふりがな]とうしょうめん[/ふりがな]の麺の生地を少し入れて、こねて休ませる。
餡は豚肉と[漢字]葱[/漢字][ふりがな]ネギ[/ふりがな]を使った。豚肉は挽き、葱はみじん切りにして、酒と[漢字]醤[/漢字][ふりがな]ジャン[/ふりがな]を混ぜて炒めた物だ。豚肉が醤と上手く混ざり合い、程よい塩味が出て来て美味しい。
生地を大体の大きさに切り、餡を詰めれば完成だ。もっちり生地で挽肉でも歯応えがあって美味しくなる。
「そろそろ後宮に着きますよ。」
そう馬借に言われた。
後宮、陰謀渦巻く女の花園。今後はどうなるのだろう。