ヒロアカ小説詰め
青の花婿(CP:デク茶、轟出、勝茶。デク茶要素そんなにありません)
今日、緑谷と麗日が式を挙げた。快晴の、6月中旬頃。どうやらジューンブライドと言うらしい。
「緑谷、麗日、おめでとう」
「「ありがとう、轟くん」」
2人のお礼を言う声がぴたりと重なる。仲良いなと感じる場面が多ければ多いほど、一層胸が締め付けられる。
新郎新婦の口付けの場面、とうとう俺は見ていられなくなり、適当な理由をつけて席を外した。少し離れたところにあるベンチに腰掛けていると、見覚えのある人影が視界に映った。
「爆豪...」
「...んなとこで何してんだよ半分野郎」
「こっちの台詞だ」
彼の名前は爆豪勝己。緑谷の幼馴染だ。
まだ2人のことを以前の苗字で呼んでしまうあたり、俺はまだ吹っ切れていないのかもしれない。
「おい、なにボケッとしてんだ」
「...ほっといてくれ」
「あ?ほっといてほしいならテメェがどっか行け。俺ぁデクと丸顔の式なんて見たくねんだよ」
「見たくねえのは俺だって同じだ!」
ついカッとなって声を荒げる。しまったと思い顔を上げようとすると、俺の頭に手が置かれていた。
「辛えなら、全部、ここで、吐いちまえ」
そうだ。
俺の中には、まだ
告げる間もなく散っていった片思いの後悔が、苦く、苦く、ずっと
残っているんだ。
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