旅人
ユズキsidei
ウィィン
ユズキ「...遅れました」
トキ「これで全員揃ったな」
トキ「...これより、緊急会議を開始する。」
トキ「主な内容だが、第一部隊、道野隊員のことだ」
道野、オレが嫌いな先輩
いっつも張り付いた笑顔で近づいてきて、気色悪いったらありゃしない。
ユズキ「...それがどうしたんですか?」
トキ「...今日、佐藤隊員が殺された」
泉「え...ッ、そんッ.....な」
トキ「本部内で殺されていたことから、旅人の人だということが分かる。」
蓮之「...それで裏切りの可能性がある結愛都が犯人と...」
東「...結愛都が裏切る可能性がある理由ってなんでしたっけ?」
ユズキ「本部基地にほぼ居ない、怪異特有の羽根、怪異達の特殊な目の模様と一致。」
一颯「我々とは違う点がいくつもあります。」
東「...そうっすか」
...東じゃない
直感的に思った。
だいたい東はこういう会議でもいつもうるさいし、こんな口調じゃなかったはずだ。
オレが口を開こうとする、その前に海がもう動きだしていた
海「...誰?」
いつもの声と違う、少し低めの声
それに、あの目は特異体質を使っている。
海の特異体質は認証。
ロックされた相手はどこに逃げようと、どうしようと海からは逃れられない。
東「...」
東「やだなぁ、海。疑ってるの?」
海「おまッ...」
玲「[小文字]...東ちゃんは...[/小文字]」
いつも静か...いや、仏像みたいな玲が場を制す
玲「...東、ちゃんは、海くんを海って、呼ばない。」
弱々しくも、凛々しい声。
東はというと、ピクリとも動かない。
ユズキ「...なんとか言ったらどうだ?」
その時、東の身体の周りに黒い霧が出現した。
正人「!離れろ!」
正人の指示でその場から離れる。
黒い霧は東から離れたかと思うと、「ボッ」と音を立てて消えた。
泉「...何?」
全員状況が呑み込めていなかった。でも、東の姿を見て全員が絶句した。
一颯「...東」
東の片腕はなく、首から心臓あたりが爆破されたような、誰が見ても無惨な亡骸となっていた
一颯「...東..ッ、東ッ!!」
一颯が駆け寄ろうとした瞬間、けたたましい警報が鳴り響いた。
『[大文字]緊急事態、緊急事態、南方向に多くの怪異の出現を確認。大規模な襲撃が予想されます。隊員達は直ぐに現場へと向かい、市民の安全を確保せよ[/大文字]』
トキ「!」
トキ「[大文字]これから私が指示を出す!各員、位置につけ![/大文字]」
東を悼む暇もなく、オレらは駆け出した。
ユズキ(───何がどーなってんだよ...!)
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結愛都「...ふう、何とか帰って来れた」
??「おかえり。」
結愛都「百奈は?もう怪異出してくれた?」
??「もう出してる。」
??「...本当に行くのかよ。」
結愛都「そうだよ?ここで旅人を削るんだ。」
結愛都「...な、██。」
一気に空気が変わった。
結愛都「...まさか、”元旅人”だからって、あちら側につくわけないよな?██。」
??「───まさか。」
結愛都「...だよな、[太字]悠太[/太字]」
悠太「...」
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