天使の僕と悪魔のキミ
それから僕はリグラに少し話しかけた。
「えっと、、リグラさんでしたっけ、?」
「そうだよ。どうしたんだい?白希。」
「いや、あのー、、リグラさんって吸血鬼、ですか、?」
「何わかりきったことを聞いているんだい?あ、そういやこの地区では吸血鬼は敵なんだっけ?」
「あ、いや、あの、、」
僕は慌てた。吸血鬼が敵だと言えばリグラは悲しまないだろうか。かといって大丈夫ですよ〜なんて嘘つけない。
僕の目が泳いでいたためかリグラは「知ってるよ。前からね。」と少し寂しそうな瞳でつぶやいた。
「[漢字]Vampir prost[/漢字][ふりがな]馬鹿な吸血鬼[/ふりがな]の所為で[漢字]Vampir[/漢字][ふりがな]吸血鬼[/ふりがな]は恐れられたのだろう?[漢字]Vampir[/漢字][ふりがな]吸血鬼[/ふりがな]の頂点だからって全部俺の指示だとか言ってこんなとこに封じ込めて、、」
むす、と頬を膨らませてそう述べるリグラにどこか幼さを感じた。
さっきは焦っていたからか気づかなかったけれど、今は違う。
リグラの述べる言語が理解できる。
前に少しだけ勉強していた言語だからだろう。
勉強しておいてよかったと心で思う。
「吸血鬼の頂点?!え、ほんとに?」
「なんだい?そうは見えないのかい?」
「う、うん。なんか、頂点なのに幼いというか、、威圧感がないというか、、」
そう言われたリグラは、けらけらと笑う。
そして僕にこう続けて述べた。
「一般の人を装わないと大変な目に遭うだろう?まあ一般の人は難しいかもしれないから弱い吸血鬼的なのを。結局は巻き込まれちゃったんだけどね〜」
へらへらと笑いながらそう呟くリグラ。
そんな彼の瞳はまたしても寂しそうだった。
「あ、あの。これから先どうするつもりなんです、?」
まだ慣れぬ者との出会いに声は震える。
そんな声なんか気にせずリグラは僕の問いに答えてくれた。
「んー。決めてないんだよ。まさか助かるとか思ってなかったしさ〜。まあ多分ブラブラするのかな?」
本当に決めていなさそうなリグラは自分の言葉にもクエスチョンマークを付けた。
そう聞いた僕は瞬時に頭を動かした。
冷静になって考える。目の前にいるのは吸血鬼の頂点。
こんなものを放置していたらいずれリグラが暴れた時、誰か止めることができるのだろうか。
いいや、恐らくできない。だからこそこんな大物を見逃すわけにはいかない。
かと言って、僕の住む地区に連れて帰れるかと言われたら黙り込んでしまう。
少なくても他の住民は恐れて怯えて叫んで暴れるだろう。それもそれで面倒くさい。
でも、実のところ僕自身はそこまで苦ではないのだ。
まあリグラのことや吸血鬼なんかを初めて見たのもあり、知らないことだらけだからとも言えるのだが。
今のところだと別にリグラを少しの間匿うのもありだと考えてしまう。
「何をそんなに難しい顔をしているんだい?」
僕が考え込んでいたことに疑問を抱いたリグラはじっと僕の顔を覗き込んできた。
そんなリグラに驚いた僕は後ろへ倒れかける。が、リグラが手で僕の体を支えてくれ難を逃れることができた。
「えっと、、リグラさんをこの先どうしようかな、と、、」
なぜかバクバクと動く心臓のまま僕は慌ててリグラの手から離れ、体勢を整える。
「どうするってなんだい?俺はこのままブラブラするつもりだったのだが、、」
「でもリグラさんが暴走した時に止める人はいるのですか?」
「俺が暴走、。考えたこともなかったね!」
元気よく返事するリグラに苦笑する。なんていうか、ものすごく楽観的な吸血鬼だ。
[太字]「それともなんだい?白希の家へ招待してくれるのかい?」[/太字]
リグラは僕の顎をくい、と軽く上げてそう言った。
リグラと顔が近くなることに恥じらいを覚える。
声は綺麗で、黒く輝く髪。透明感のある白い肌に人を惹きつける赤い瞳。
全てにおいて完璧を作り出している。
ああ、罪深い男だ。
「えっと、、リグラさんでしたっけ、?」
「そうだよ。どうしたんだい?白希。」
「いや、あのー、、リグラさんって吸血鬼、ですか、?」
「何わかりきったことを聞いているんだい?あ、そういやこの地区では吸血鬼は敵なんだっけ?」
「あ、いや、あの、、」
僕は慌てた。吸血鬼が敵だと言えばリグラは悲しまないだろうか。かといって大丈夫ですよ〜なんて嘘つけない。
僕の目が泳いでいたためかリグラは「知ってるよ。前からね。」と少し寂しそうな瞳でつぶやいた。
「[漢字]Vampir prost[/漢字][ふりがな]馬鹿な吸血鬼[/ふりがな]の所為で[漢字]Vampir[/漢字][ふりがな]吸血鬼[/ふりがな]は恐れられたのだろう?[漢字]Vampir[/漢字][ふりがな]吸血鬼[/ふりがな]の頂点だからって全部俺の指示だとか言ってこんなとこに封じ込めて、、」
むす、と頬を膨らませてそう述べるリグラにどこか幼さを感じた。
さっきは焦っていたからか気づかなかったけれど、今は違う。
リグラの述べる言語が理解できる。
前に少しだけ勉強していた言語だからだろう。
勉強しておいてよかったと心で思う。
「吸血鬼の頂点?!え、ほんとに?」
「なんだい?そうは見えないのかい?」
「う、うん。なんか、頂点なのに幼いというか、、威圧感がないというか、、」
そう言われたリグラは、けらけらと笑う。
そして僕にこう続けて述べた。
「一般の人を装わないと大変な目に遭うだろう?まあ一般の人は難しいかもしれないから弱い吸血鬼的なのを。結局は巻き込まれちゃったんだけどね〜」
へらへらと笑いながらそう呟くリグラ。
そんな彼の瞳はまたしても寂しそうだった。
「あ、あの。これから先どうするつもりなんです、?」
まだ慣れぬ者との出会いに声は震える。
そんな声なんか気にせずリグラは僕の問いに答えてくれた。
「んー。決めてないんだよ。まさか助かるとか思ってなかったしさ〜。まあ多分ブラブラするのかな?」
本当に決めていなさそうなリグラは自分の言葉にもクエスチョンマークを付けた。
そう聞いた僕は瞬時に頭を動かした。
冷静になって考える。目の前にいるのは吸血鬼の頂点。
こんなものを放置していたらいずれリグラが暴れた時、誰か止めることができるのだろうか。
いいや、恐らくできない。だからこそこんな大物を見逃すわけにはいかない。
かと言って、僕の住む地区に連れて帰れるかと言われたら黙り込んでしまう。
少なくても他の住民は恐れて怯えて叫んで暴れるだろう。それもそれで面倒くさい。
でも、実のところ僕自身はそこまで苦ではないのだ。
まあリグラのことや吸血鬼なんかを初めて見たのもあり、知らないことだらけだからとも言えるのだが。
今のところだと別にリグラを少しの間匿うのもありだと考えてしまう。
「何をそんなに難しい顔をしているんだい?」
僕が考え込んでいたことに疑問を抱いたリグラはじっと僕の顔を覗き込んできた。
そんなリグラに驚いた僕は後ろへ倒れかける。が、リグラが手で僕の体を支えてくれ難を逃れることができた。
「えっと、、リグラさんをこの先どうしようかな、と、、」
なぜかバクバクと動く心臓のまま僕は慌ててリグラの手から離れ、体勢を整える。
「どうするってなんだい?俺はこのままブラブラするつもりだったのだが、、」
「でもリグラさんが暴走した時に止める人はいるのですか?」
「俺が暴走、。考えたこともなかったね!」
元気よく返事するリグラに苦笑する。なんていうか、ものすごく楽観的な吸血鬼だ。
[太字]「それともなんだい?白希の家へ招待してくれるのかい?」[/太字]
リグラは僕の顎をくい、と軽く上げてそう言った。
リグラと顔が近くなることに恥じらいを覚える。
声は綺麗で、黒く輝く髪。透明感のある白い肌に人を惹きつける赤い瞳。
全てにおいて完璧を作り出している。
ああ、罪深い男だ。