知らないよ
#1
「死にたい」
あなたに急に言われた言葉。
びっくりしちゃって、私は何も聞けなかった。
「そうなんだ」
そう返すと、あなたは言う。
「話、聞いて」
私はうんと頷いた。
私があなたの話を聞けば、少しは何かが平和になるかな。
そう思った。
「家族に酷い事を言われたの。お前は役立たずの嘘つきだって」
「そっか」
あなたの目から、涙が落ちる。一滴落ちる。
「学校のみんなもね、私の事いじめるの。いつも悪口言われるし、この前は物も隠された」
あなたの目から、もっと涙が落ちる。すーっと涙が下に行く。
「消えたいな、居ない事にしたいな」
あなたはそう言う。
本当に苦しそうなあなた。
本当に辛そうなあなた。
だけど、ごめんね。
「……そっか」
私には、あなたの気持ちは分からない。
「どうしたらいい」
知らない。だって私は、そんな気持ちになった事がないから。
あなたの気持ちに、ずっとずうっと寄り添う事はできない。
「ねぇ、答えて」
ごめんね。
「……どうだろう。私には、よく分からない。でもさ、あなたは自由だと思うよ。こうやって、私とお話しできる。お話しして、思いを伝える事ができる。それだけで、すごいと思うの。私は、あなたの気持ちはよく分からないけど、あなたはきっと、思ってる以上に、すごくて自由じゃないかな」
言い切った。あなたを見ると、また知らない表情をしていた。
「……求めてない、そんな回答。もういらない」
あなたは私の隣から消える。
どうして。答えを言っただけなのに。なんでだろう。
「ま、待って」
消える。消える。消える。もやになって、消える。
手を伸ばしても、そこにあなたは居なかった。
一人残される私。
泣いていたあなた。これからどうするんだろう。
胸がぎゅっとなった。
「……ああ、そっか」
最初から、私は知ってた。この気持ちを。
だから、本当に私が、知らないのは__。
あなたに急に言われた言葉。
びっくりしちゃって、私は何も聞けなかった。
「そうなんだ」
そう返すと、あなたは言う。
「話、聞いて」
私はうんと頷いた。
私があなたの話を聞けば、少しは何かが平和になるかな。
そう思った。
「家族に酷い事を言われたの。お前は役立たずの嘘つきだって」
「そっか」
あなたの目から、涙が落ちる。一滴落ちる。
「学校のみんなもね、私の事いじめるの。いつも悪口言われるし、この前は物も隠された」
あなたの目から、もっと涙が落ちる。すーっと涙が下に行く。
「消えたいな、居ない事にしたいな」
あなたはそう言う。
本当に苦しそうなあなた。
本当に辛そうなあなた。
だけど、ごめんね。
「……そっか」
私には、あなたの気持ちは分からない。
「どうしたらいい」
知らない。だって私は、そんな気持ちになった事がないから。
あなたの気持ちに、ずっとずうっと寄り添う事はできない。
「ねぇ、答えて」
ごめんね。
「……どうだろう。私には、よく分からない。でもさ、あなたは自由だと思うよ。こうやって、私とお話しできる。お話しして、思いを伝える事ができる。それだけで、すごいと思うの。私は、あなたの気持ちはよく分からないけど、あなたはきっと、思ってる以上に、すごくて自由じゃないかな」
言い切った。あなたを見ると、また知らない表情をしていた。
「……求めてない、そんな回答。もういらない」
あなたは私の隣から消える。
どうして。答えを言っただけなのに。なんでだろう。
「ま、待って」
消える。消える。消える。もやになって、消える。
手を伸ばしても、そこにあなたは居なかった。
一人残される私。
泣いていたあなた。これからどうするんだろう。
胸がぎゅっとなった。
「……ああ、そっか」
最初から、私は知ってた。この気持ちを。
だから、本当に私が、知らないのは__。
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